運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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菖蒲の家

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「ーっ」

目映い光が懐かしい、吸血鬼の世界では街頭がかなり無い、薄暗いくらいが一番好きな吸血鬼にはこの街明かりは眩しいみたいだ。
僕に取っても初めての人の世界に外出したから、この慣れた眩しさが今はなんでか苦しい。

「あぁ、大丈夫か」

スーッとクリス様が僕の目を手で覆うと何か力を感じる、クリス様が手を離してからゆっくりと目を開けると。
眩しさが無くなっている。

「えっ」
「少しだけ目に膜を張ったまだ、奏太には早いし、この人間界に来るなら私が一緒に行くから覚える必要ない」
「兄者は言葉足らずだなぁ、奏太は大変だ」

苦笑いなルイスさんにクリス様は少しだけムッとしている。

「奏太こっちだったか」
「あーはい」

僕の家の近くに付く、僕の家から少しだけ駅に近い広大な敷地に僕の親友の家がある、広大な敷地の先に建っているのは病院と医療学校もあり、看護師寮もある無論学生寮もある。
そんな中、少しだけ豪華なマンションがあり最上階が僕の親友の家だ。

「こっちか」
「はい」
「死臭がする」

クリス様とルイスさんが鼻を押さえる、堪えられなく成ったのか、ルイスさんが空間遮断結界を張る。

「あぁ、こっちのマンションはホスピス病院でもあるんです、30階からは医師の住まいで35階が親友の家です」
「ホスピス」
「ホスピス病院は治療を最低限にして、安らかに死を待っ病院みたいな感じです、だから普通の病院とは違い、家族も一緒に泊まる事が出来るんです」

医師と同じマンションだから、患者は嬉しがるが、医師は余りこのマンションに住む人は変わった医師かお金がない医師かホスピス病院を大切に考えている医師が多い。

「こっちです」

窓をコツコツと叩く。

「うわっ」

あぁ、やっぱり怖がるよね、僕の親友菖蒲はかなり怖がりだから。

「菖蒲」
「ーっ、かな、奏太、奏太なのか」
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