運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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可笑しい、カイ

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「きゅっきゅっ」

テンション上がり過ぎて今、僕は黒豹のままローズガーデンを歩いている。
ローズガーデンと言っても僕専用のローズガーデンでルナくん指導の元に僕が土を耕したりした後にカイさんが種類事に区域を分けてくれて、何種類かの薔薇を見本として植えてくれた。
今日はソルさんとルナくんはルナくんが体調が悪い為来れないらしいし、それにライムさんも体調不良の為にお休み、って事でカイさんが薔薇の説明と共に魔法を学ぶ。

「奏太様先ずはこの種類を生成して下さい」
「はい」

僕は土に手を当てて息を吐き、魔力を土に流す。
精霊達がふわふわと漂い僕の肩や頭に止まるが、子白虎達が既に居る為に僕は埋もれる。

「ふーっ」
「奏太様・・黒豹の方が力が強い上に安定していますね、流石です愛し子様ーっ」

カイさんの病気が始まってしまった結構激しいのだこの病気は。
先ずは薔薇の愛を語ると止まらなくなる上に、緑の愛し子というフィルターが掛かった僕にはかなり激しい。
先ずは、吸血鬼に大切な血を目、鼻、口から垂れ流すのは勘弁して欲しい。

「奏太様お願いがあります」
「はい、僕に出来る事なら」

1コの種を真っ白なハンカチの上に包まれていた、僕は首を傾ける。

「えっと」
「これは、先代の緑の愛し子様の遺産です、次代の緑の愛し子様に渡してと仰り息を引き取りました」
「きゅっ」

知らない人の遺産って受け取りたくないのだが、人間ではない、愛し子からの遺産だ。
何かぎあるのだろうこの種は。
息を引き取る、吸血鬼の息を引き取るという事は灰になり跡形もなく消えてしまう。
と言う事をまだ僕は知らなかった。

「うわっ、えっえっエエエエッ」
「奏太様、種を放して下さいーっ」

僕が種をそっと持ち上げるとピカッと種が光る。
熱くはないが、眩しすぎる光にカイさんは僕に叫ぶが、この光は、何だか暖かいそれに寂しそう。
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