上 下
51 / 123

聖獣

しおりを挟む
「今日はそれくらいにしよう、そろそろクリスが痺れを切らす」
「ソルさんまだお昼前ですよ」

僕は汗を拭いながら、まだまだ始めたばかりなのに止められた事に不満を漏らす。

「愛し子に力の使い方なんて、基本的に教えないんだ」
「えっ」
「そう」

ソルさんの言葉にルナくんが頷く、ソルさんが言うには愛し子は基本的に力を無条件で出せるが愛し子の願いを勝手に過剰反応してしまい暴走する精霊が多い為に、愛し子はまず精霊の暴走を止められる事を練習するだけでいいみたい。

「えっ、僕の為に無理しちゃったりしているんですか」
「そうだな、普通の吸血鬼ですら力があるが、精霊の力を貸して貰えば更なる力を得る・・精霊の愛し子はまず世界で一番強い存在と言っても遜色ないだろうな」
『違うな、俺様が一番だろう』
「誰だ」

ソルさんははっとなり慌てて剣を構える、辺りには何も居ない。
ひやっとする空気が流れる、僕はキラキラ輝く空気に馴染んでいて凝視しなければ分からないが確かに輝く空気がある。

「ふわふわ」
『クックッ、我を見れるのか流石に緑の愛し子』

ソルさんとルナくんが首を傾けている事を僕は知らなかった。
ソルさんとルナくんには見えないということを。

「えっと、凄く可愛いのに凄く渋い声だね」
『クックッハッハハ気に入った、気に入ったぞまだ精霊達と仮契約だな』

そう、余りにも沢山いた為に一気に契約した、その契約は仮の契約。
僕に精霊達が力を流す事により仮契約をした、仮契約で満足する精霊達ではないので毎日少しずつじゃんけんで勝った5匹が名前をあげて契約にする事に成った。

「えっと、撫でさせてくれる」
『いいぞ』
「でも明日にして、明日の朝じゃんけんで勝ったら契約を」

チュッと僕に力を流し込まれた上にくったりとする僕の身体力を全て奪われた感覚は契約する時に少しだけ似ている。

「うっ」
「奏太様ーっ貴様ーっ」

ルナくんが風で僕浮かす、見えない相手に剣を構えるソルさん。

『おっと、我は奏太と契約をした』
「契約は名前を付ける事が契約の証だろう」

ルナくんがソルさんに待ったをかける、僕も待って欲しい彼は多分。

「せいしゆ」
『否、我は聖獣』

ソルさんはふらつく、ルナくんも驚愕の顔をし聖獣を凝視する。

『緑の愛し子、我に名前をくれ』
「僕で、いいんですか」

僕が知っている聖獣はかなり高貴な存在の筈だ、そんな存在に名前を付けるの、僕が。

『緑の愛し子だいいのだ』
「・・くー様はどうですか」
『犬みたいだな、だがまぁいいだろう』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】「まずは……手前ぇよりも上位の存在に犯されて来い。話はそれからだ」

月白ヤトヒコ
ファンタジー
よその部署のヘルプという一仕事を終えて帰ろうとしたら、突然魔法陣が現れてどこぞの城へと『女神の化身』として召喚されたわたし。 すると、いきなり「お前が女神の化身か。まあまあの顔だな。お前をわたしの妻にしてやる。子を産ませてやることを光栄に思うがいい。今夜は初夜だ。この娘を磨き上げろ」とか傲慢な国王(顔は美形)に言われたので、城に火を付けて逃亡……したけど捕まった。 なにが不満だと聞かれたので、「まずは……手前ぇよりも上位の存在に犯されて来い。話はそれからだ」と言ってやりました。 誘拐召喚に怒ってないワケねぇだろっ!? さあ、手前ぇが体験してみろ! ※タイトルがアレでBLタグは一応付けていますが、ギャグみたいなものです。

【R18】通学路ですれ違うお姉さんに僕は食べられてしまった

ねんごろ
恋愛
小学4年生の頃。 僕は通学路で毎朝すれ違うお姉さんに… 食べられてしまったんだ……

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

おじさんとショタと、たまに女装

味噌村 幸太郎
恋愛
 キャッチコピー 「もう、男の子(娘)じゃないと興奮できない……」  アラサーで独身男性の黒崎 翔は、エロマンガ原作者で貧乏人。  ある日、住んでいるアパートの隣りに、美人で優しい巨乳の人妻が引っ越してきた。  同い年ということもあって、仲良くなれそうだと思ったら……。  黒猫のような小動物に遮られる。 「母ちゃんを、おかずにすんなよ!」  そう叫ぶのは、その人妻よりもかなり背の低い少女。  肌が小麦色に焼けていて、艶のあるショートヘア。  それよりも象徴的なのは、その大きな瞳。  ピンク色のワンピースを着ているし、てっきり女の子だと思ったら……。  母親である人妻が「こぉら、航太」と注意する。    その名前に衝撃を覚える翔、そして母親を守ろうと敵視する航太。  すれ違いから始まる、日常系ラブコメ。 (女装は少なめかもしれません……)

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...