運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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血液パック全滅、人の血も

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「うわぐっ不味い」
「奏多大丈夫か」

ケホケホッと僕は噎せる、とてつもない不味さが口に広がる。
こんな酷い目に合っている理由は僕がクリス様以外にも血を吸えるような時期に成ったかららしいが、実際には吸えるが吐いてしまうけど。

「だから言ったんですよ、与え過ぎだと奏多様にしわ寄せが来ますよと」
「リルク」

クリス様が険しい顔をしながら、パチンと指をならすと女性は僕から離れ虚ろな目をしながらゆらゆらと歩く。

「もう15人目ですよ」
「リルクその変で捕まえてこい」

リルク君が大きな溜め息をし、目を閉じてぶつぶつと呟くとライムさんが現れる。

「うわっ、リルクの旦那いきなりなんですか」
「ライムお前」
「ーっ仕方ないんですよ、私達の唾液には媚薬効果あるのは知っていますよね食と性両方上げ膳据え膳ですよ」

あわわとライムさんが慌てた様にクリス様とリルク君にいうが二人とも目が冷たい。

「ライム何人か下さい」
「あー私の獲物は処女ではないですよ」
「クリス様今回限りです、先ずは飲める血液を探す事が先決ですから」

リルク君の言葉を渋い顔をしながらクリス様は僕を見て抱き締める。

「分かっている、私とて分身でなければもっと餌を連れるがこれが限界だしな」
「そもそも、奏多様が魅力と幻覚と催眠をマスターしてからの方が良いのでは」

魅力で餌を誘き寄せて、催眠と幻覚で現実を理解させないように曖昧にする、吸血鬼を知られないように。クリス様が首を振るう、僕はまだ力を使えないとクリス様は言う。

「それでは遅すぎる、とにかく血液を飲む事が大切だ」
「血液パック全滅でしたけ」

ライムさんが険しい顔をしながら腕を組み言う。ライムさんの言う通りに血液パックはとてもではないが不味すぎて吐いてしまった、血液パックを管理調達している人から立入禁止を貰ってしまうくらい酷い状況だった。

「トマトも拒絶反応ありでしたしね」
「クリス様もしかしたら薔薇はどうですか」
「今はまだ早い人の血がダメなら動物の血だ」

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