運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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喋った

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「キューッキューッキューッ」
「奏多様今、喋っりましたね」
「あぁ、本当に早いな」

感心した様にリルク君とクリス様は言うが。
僕はもどかしいのーっ、カジッカジッとクリス様の手を齧る。

「んっ、なんだくすぐったいぞ」
「きゅっ」
「子猫がじゃれ付く様な感じだなぁ」
「きゅっ」

僕はむきに成りなりクリス様に体当たりしたり足蹴りしたりするがその度にクリス様に軽く撫でられながら、微笑ましく見守っている表情にイライラする。
何だろう、本当に我儘なダメな子猫に成っていく気がする。

「うにゃ」
「血を飲むか」
「キュッ」

うん、ほしいです、もうお腹すきましたよ。
血を飲む事に、最早抵抗なんて出来ない。
寧ろ、もっとごくごく飲みたい。

「うっうゔゔ」
「クリス様与えすぎでは、毒にもなるのですよ」

一週間の純潔種の血液は僕の身体に確実に浸透して、僕の身体を変えるには充分期間だった。
そう僕はクリス様の血を飲みすぎた為に、人間の血は激マズ、予備の献血パックなんて腐りかけの食品だ、トマトジュースは只のトマトだ。
クリス様のせいで僕は知らず知らずのうちに美食家に成っていた。

「奏多は運命の番だ、今は私の血を飲みすぎた所で早々におかしくは成らない」
「ご主人様いくら運命の番様でも分からないではないですか」
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