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道具

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「ーっ何故私がーっ捕らわれないと成らないーっ、私が王に成った暁にはお前たちを処刑してやるーっぞ」

ガタガタと本来この場所に来ることはあり得ない人物達が入室する。

「ロレン様何度も言ってますよ、レイが行くなら私だって」
「ランは妊婦なんだし、やっぱり衛生的ではないだろう」
「まぁ、ロレン様心配症ですわね」

ラブラブな事は良いんですが、皇太子のロレン様とその妃のラン様は素晴らしいですね。
ロレン様もロアン様もこんなに大切にしてくださるのに、やっぱりあの方は生まれ変わりなのでしょうか。

「ーっ兄上ーっ私を助けてくれに来てくれたのか、流石は兄上ーっ何故お前達が居るーっ」
「はぁーっ、レイの婚約者が嫌今日婚姻したから私の妻がレイだからだ」

僕を抱き寄せる腕に力が入る、ロアン様は心配症ですね。

「ーっ浮気していたのかーっこのあま」
「口を開くな、ロアンとレイが立場的に否定できなく成ったのは誰のせいだ」

ロレン様が腰に下げていた剣を実の弟目掛け突き立てる。
ロレン様もラン様もずっと私達に遠慮と罪悪感を感じていた事は有名です、当人は気付かなかったけれど。

「パーティー会場に突然乱入しロアンとレイの婚約パーティーで、レイは俺と婚約するのだな喜べと大勢の前で宣言した為に王族の名誉が崩れぬ様にレイは我慢してくれた、犠牲にしてしまったんだ」
「はっ、へっ、レイがロアンと婚約」

本当に知らなかったのだろう、婚姻届を出してからも僕が好きなら従えとずっと言っていたし。

「レイが自身を犠牲にし嫌々ながらお前とロアンと婚約者に成った、レイがお前を好きなどいつ言った、お前が騒ぐから愛しきロアンともなかなか会えずに痩せていくレイが不憫で不憫で、お前のせいで」
「ロレン様落ち着いてください」

ぎゅっとラン様がロレン様に抱きつき、第二王子に愚痴をぶつける事を止める。

「そもそも、王族は女は嫁に出す事で王族から除外され子を成すことを赦されるが、男は違う男は火種に成らぬ様に、男子と婚姻をし一生女を抱く事は赦されない、王族も貴族も後継者以外の男子は結婚するなら男同士以外は赦されない、もし後継者以外が子を成してしまった場合はその子供は死産、大きく成っているなら生贄に捧ぐ生きている事は赦されない、子供を作った男子は処刑される、そして女は人口増加の助けとし一生子を生み続けさせる、男が産まれた場合は生贄とされるが、女なら子を産む為に生かされる」
「なっ、シャナはか弱いのですよ」

ロレン様は溜め息を付く、生贄にされる子供がただただ可哀想、こんな女から産まれたばかりにすぐさま殺されしまうのだから、でも定期的に出てしまう犯罪者は生贄を造るために生かされる。

「女は学園に何人いた」
「えっ、私のクラスには15人ほど」
「この国嫌、世界中で女は年間男子よりも生まれない、この国は去年5人の貴族と20人の平民、そして犯罪者から産まれた30人の女しかいない」

最近は犯罪者から産まれた女の子を貴族が買い地下で自身の子を産ませる事も増えたが、女の子供は表舞台に立たせることはせず育て、子供を産ませる道具。

「王族と上位貴族は少ない女性を後継者以外には当てられなくなった、下位貴族の女性は基本的にもう買取った子供だ」
「ーっシャナは」
「母親の血筋は代々犯罪者から産まれ貴族に囲われ育てられている、あの女もどこかの貴族に売られ子供を造るだけの機械だったが何を思ったか貴族と偽り学園に入学した」

男爵の血筋は一応入っているみたいだ、後継者以外が子供を作る事は赦されないが、女の道具なら許される。
但し、後継者と当主に許可を取り子供が出来ても自分の子供ではなく道具と生贄の生産てしての仕事。

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