僕の義理兄弟

お屋敷

「………………いつみても丞の家は凄いね」
「純和風……日本遺産に登録されてるからなぁ」
「マジかぁ」
「マジですよ………」

丞の家は文化遺産だなんて、文化遺産………友達の家が文化遺産って…何それ。
本当に企画外なんだよなぁ……。
お金持ちって分からない。

「丞よく住めるなぁ」
「当たり前だろう、国が頭下げて文化遺産に登録だけでも外観だけの写真だけでも撮らせてくれって何千万も積み上げたらしいし」
「正確には１億五千万だよ、おはよう佑美に莉音」

にっこりと和服で登場する、丞の後ろにはズラリと男達や女達がいる。
全員和服を着てピシリッと頭を下げて送り出す。

「……おはよう丞……っか壮絶だなぁ毎回」
「……名嘉山様に結城様丞お坊ちゃまの事宜しくお願い致します」



「…丞可愛い」
「あ……この服は家の人が選んだんだよ」
「……………可愛い過ぎだろう」
「女の子っぽい柄だなぁ」

佑美が小説片手にチラリッと丞の和服を見ていう。
丞の和服の柄は大きな牡丹に小さな牡丹に花びらが舞っている。

「んーっ、僕の家女の子いないから僕の女の子顔のお陰で…女の子っぽい柄が多いんだよ………ただ、私服にしては災厄だよ動きにくいし」

ふーっと和服をヒラヒラさせて不服そうに口を尖らせる。

「……普通の服はないの」
「……あー聞いてやるな」

佑美が丞の肩にトンッと手を置き丞を励ます、丞はげんなりしたような声を出して俯く。

「ライブの服はあるよ、アマスの劇場とかで買ってるから、ただキャンプに着ていくのは……ちょっと…………」
「確かに、アマスの服装はアマスのライブだよね」

そう……特別な時以外は着れない。
それがアマスの服なんだよ。