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祐美と宗四朗さん、守役
しおりを挟む「……佑美……ごめん」
「……青菜グループの関係者……って本当に」
宗四郎さんは詳細まで言わないでくれた、だが宗四郎さんとの関係がグループの関係者つまり親類と濁して伝えてくれたんだ。
「ごめん、隠していた訳じゃなくって………言わなかったから隠していたのと同じなんだけど……ごめん」
「……今年再婚した親が俺と近い人間なんだよ、だから此れから名嘉山家としてではなく、友人の一人として接してやってくれないか……本人は亡き父の身内が自分一人しかいないからと言って、結城のままでいたいと抜かすが………そうはいくまい」
佑美がぎょっとする、そして俯いて何かを決心した様な顔になる。
「ーっ、今まで言わなかった事に付いては飛鳥海斗プレミアムの限定本で勘弁してやる……だから隠し事するなよ」
コクリと頷く、涙が溢れてくる。
「ありがとう佑美ーっ……っトイレ」
トイレに逃げ込む。
僕がトイレに走り去った後の佑美と宗四郎さんの会話、は僕には知るよしも無かった。
「……すまない、佑美くん」
「……青菜グループの関係者……宗四郎様が庇う相手……確か賢輔様は再婚なさいましたよね、義理の父に無理矢理この学園に入れられたと莉音は言っていました……莉音は青那総帥の義理の息子ということですよね」
宗四郎さん首を振るう。
「嫌、莉音は養子縁組をしている莉音の母は幻姫だからなぁ……血筋はしっかりしているし、何よりもあの才能だ一族も幻姫と幻姫の血筋として問題ないとされた」
宗四郎さんの言葉に驚愕の顔をする。
「まっ、幻……姫ってあの一族の出って……事ですよね……よく許されましたね……あ……幻姫様は確か失踪して……」
「そういう事だ、幻姫様はあの一族から離縁された、そして当家の近縁者の養女となって、本家に嫁いだら…………佑美お前は賢太と雄太には守役が同級生にいたから抜擢されなかったが……そのうちに話が来るだろう」
僕はカチャリとドアを開けると、不穏な空気に包まれている。
「……ごめんってなんかあった」
「……嫌何でもないよ、青那先生にこのスペル聞いていただけだ」
トンっと本を出す…………………宗四郎さんがぶふっと笑っている。
あー……なんでかなぁ。
「佑美それって」
「ん、そうそう来栖三栖時弥っていうんだけど、なんか飛鳥海斗先生ぽいんだよね…本当にマルチな才能だよね、飛鳥先生ーっ」
目がハートになっている、背中を丸めて笑いこけている宗四郎さんを軽く睨む。
「おはようございます、宗四郎さんなんですか」
「……宗四郎さんなんです、こんな場所に、守役全員集めて」
鷹沢春水、賢輔の守役がスーッと立ち上がり頭を下げる。
能登紗輝、雄太の守役はイラついた様にいう。
「あっ、あのーっ僕達なにかしましたかぁ」
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「……」
ふるふると震えているのが柚那の守役の朽木桜。
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「子って、マジ……賢太からは何も聞いていないですよ」
「雄太からも聞いていません」
春水と紗輝は慌てた様にいう。
「……そりゃなぁまだ言っていないからなぁ……ただ、お前達守役にはいう必要がある、守役の適正テストで候補が数名上がったその教育係りは現役の守役がやるんだ」
ざわっとざわっく部屋、そしてトンッとドアを叩く宗四郎。
「お前達に一人紹介したい人がいる、奥様の子供である莉音様の守役に新しく就任する事になった」
カチャリと部屋に入って頭を下げるのは……。
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