スーパーゲーム廃人VS廃課金厨

まちゃかり

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中堅 ゲーム課金厨

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ゲーム課金厨視点です。


       ◇◇◇◇◇


 さあ、この調子でどんどん狩っていくわよーー! 今頃、上位ランカー達は腰を抜かしてる頃ね。

 ここに突如として現れた『私』という存在。ランク外から一気に1位まで登りつめた!

 まさかあんなふざけた課金アイテムを使ってまで、このイベントを勝ちに来るとは想像もしてなかったでしょう!

 確かにそうよね。たった45秒という効果時間の課金アイテムに、何が楽しくて1000円も取られなくちゃいけないのって話よ! だけど、だからこそトップ連中を出し抜けた!

 えへへへへっ! 油断は禁物よ! あの課金アイテムは使わないという決めつけがこの『混沌の夜......全てを包み込む月の精』に王座を明け渡す結果になるのよ!

 でもこんなイカれた行動をできるのは、大企業の娘だから出来ることだから、良い子は絶対に私の事を真似しないでね。お姉さんとの約束よ!

「ふう......そろそろ課金アイテムはいいかしらね? 2位ともそれなりに差が開いたでしょうからね。いったんどれだけ差が開いたかを確認して、残り時間逃げきれそうなら、通常通りにいきましょ!」

 ちょっと待って!? え? これはどういうこと!? 課金アイテムを使って......一気に差が開いたはず! それなのにどうして『薬の戦士(ガチ勢)アヒャヒャマン』ってプレイヤーが1位に!?

 まさか......こいつも私と同じように課金アイテムを!?



「へっへっへ! 見てみろ! 1位の座を取り戻してやった! 残り時間も後僅かだ。このまま課金をしつつ、イベントのキメラ狩りをすすめていくぜ! おっと、厨二の名前のやつよりも使っている課金アイテムの数が多いから、あっという間に課金した100万が底をついてしまったようだな」



 こんなに課金しといて私が負けるなんてあり得ないのよ! こうなったら今月の生活費も最大限削って全て課金に回してやりましょう!

「さあ! もうどうなってもいい! 追加で500万の課金だ! これで差をつけてやる!」

「見てなさい! もう引くに引けないの! さらに500万課金よ! 1位になるのはこの私!」

「イベント終了までの時間は後僅かだ! この勝負......」

「絶対に僕が勝つ!」

「絶対に私が勝つ!」

 後30分......思えば、私のこれまでの人生の中でひとつの事にこんなに集中して戦うことは初めての経験だわ。薬の人、ありがとう。あなたは私にとって最大のライバルになりそうね。さあさあ! ラストスパートというブーストをかけていきましょう!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「フハハハハ! 今1位を争って戦ってる奴らは薬の戦士と月の精って名前のやつだけだな? おそらくこの2人も第三勢力の存在を完全に忘れているだろう! そうだ『拳だけで世界頂点•21歳大学生』この俺様の事だ! いいか、真に賢い者はだぞ? その実力や自分の存在感を隠す者さ!『能ある鷹は爪を隠す』ってね。ここから俺も本気を出させてもらおうか! 俺は3位程度で収まる器では無い! 見せてやろう! 1000万課金だ! この残り時間で貴様ら2人を追い越し、このゲームの中でのトッププレイヤーという称号と共に、最強の武器『スターライトソード』を我が物としてくれようぞ!」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 12時になったわね。イベント終了だわ。この戦いの代償が凄まじい事になったけど、皆素晴らしき戦いだったわ。けど1位の座は私が絶対に貰う。さてと、結果発表まで気ままに待ちましょうか。

◇◇◇◇◇◇◇◇
次回に続く
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