星の子星夜と異世界チート能力者

まちゃかり

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第2章

神様に謁見するぶっ飛ばし隊

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 あの激闘から数日経って、ついに俺達は神様の謁見する事になった。ついでになんか天界でパレードが開催されている。

 どうやら俺達パーティーはあの一件によって英雄扱いされてしまっているようで、特に何もやってないのに、なんだかなぁって感じだ。ちなみにくるとくんはこのパレードに参加していない。怪我が酷いようで......

 そういえば俺達は何やってるかだって? 貴殿の中で王様に謁見している最中だ。

「お前達があの神官の言っていた英雄って奴で間違いない? ワシは天界の王様! つまり一番偉い人なのだーー! ガッハッハ!」

 天界にも一応王様はいる。建前上のね。現実は神様が遥かに偉い立ち位置。

 ちなみにコイツはアリスの叔父にあたったりする。やっぱりアリスの叔父さんも話していて楽しいなと。似たもの同士っていいなと思ったり。

「貴方様が俺達と話がしたいと言ったのですか?」
「いやいや。ワシではないぞ。ワシの友達で神様の1人が話したいと言っていて、あくまでワシは仲介人じゃ」

 王様が見せてくれた石像を見て、俺は今何か嫌な違和感に襲われた。この神様に初めて会ったはずなのに、なんか昨日も会った気がするのである。いや厳密には昨日見た不思議な夢で......

(正夢になる事ってあるよね~。分かる分かる!)

 完全に思い出した。俺の夢の中に度々登場しているおっさんは、まさかの神様の1人だった。そうだよね?

(そうそう......大分君も我の直接干渉に慣れてきたみたいだね~)

 慣れたというか、強制的に慣らされたというか。そういえば最初に使われた時から思ってることなんだけど、この魔法ってどうやってるの? 俺でも使えるのか?

(これは相当慣れないと使えない代物だから一般人の君は難しいだろうね~。ついでにこの脳内意思高魔法(通称テレパシー)は、使ってる自身と通話している相手の魔力を常に消費するからね~。まだ教えれないかなぁ~)

 魔法はやっぱり難しいと感じる今日この頃。何かと便利そうな魔法なのにな。

 気を取り直してジェームズは今何処にいるのかを聞いてみた。ジェームズは不気味な笑い声をこぼし、当ててごらんと言う。

 後ろに振り向いてみたら民衆ガヤと、同じく呼ばれている異世界に行くことに選ばれた、つまり俺達と同じ境遇の人々がいる。後で話してみたい。ついでに民衆達の動向はというと、ほとんどの人が帰り支度を始めていた。

 左手には無性に元気な諸星くんと、アリスと話している星歌。右手には王様にセクハラされているまなかがいた。王様の目がいろんな意味で危ない。

「相変わらず性欲モンスター叔父様は権力乱用してるんだなー。僕の光魔法シャインで目潰ししたから、YOUはしばらくは大丈夫だー!」
「アリスさんマジパねぇ......」

 王様は目を押さえながら言葉にならない声を出して暴れ回っている。あの身体が魅力的に見えるのは分かる。正直、同情するぜ。

 気を取り直して、ジェームズを探す。




「どうしたんだ挙動不審だぞ。おっと、もしかして緊張しているな? 星夜でも緊張とかするんだな。なんか安心したわ!」
「ああ......うん」

 一見諸星の表情からは心配してないようだが、自分からみたら多分心配かけてしまっているよな。

 マジでジェームズはどこにいるんだ? そもそもこの人本当に神様なのかも疑わしいんだけど。名前だけみたら絶対神様とは思わないし。いやまあ神様なんだろうけども。

(かくれんぼ飽きた~。それに煩悩拗らせてる王様が暴走してるし~、こんな茶番はとっとと終わらせて姿を表舞台に出すよ~。OK?)

 唐突かつ身勝手とも言えない理由でかくれんぼを辞める神様。じゃあ初めからかくれんぼするなよと言いたい。

(いいこと思いついた。わざわざ出なくてもテレパシーで場所を教えたらいいんだ~。名案だね~!)

「破天荒の波状攻撃や......」
「星夜くん?」

 俺はみんなを置いて、ジェームズのテレパシーに導かれながらジェームズ2世神様がいる所に出向くことになった。

◇◇◇◇◇◇◇◇
次回に続く

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