星の子星夜と異世界チート能力者

まちゃかり

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第2章

☆星夜の夢II☆

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[星夜の夢☆]

「ヘイヘーイ! 久しぶりだな~! アビリスク•ジェームズ2世だ!」
「......」

 俺はこの光景に見覚えがある。むしろ既視感まで感じる。確か俺は久しぶりの我が家の布団でぐっすりと眠っていた筈だ。つまり何がいいたいかと言うと......

「また俺の夢の中に俺がいるじゃねーか!?」

 てか前回も言ったけどお前は何者だよ! というかさっきちゃっかりと名前言ったよな!? 何処かの王族みたいな名前ですね!

 っておい。今ツッコむ所が違うだろ俺よ! もう嫌だこの世界。

「フフフ......もしかして前回のあらすじが聞きたいんだね? 仕方ないなぁ! 私は気遣いが出来る人だからな、みんなの要望に応えよう! さてと前回のジェームズのあらすじを話そうか!」

 例にもよって勝手に話を進めて始めているジェームズ氏。
 はあ......もういいや。一応話だけ聞いてみよっか......

「それでアンタの前回のあらすじはどうゆう内容だったのかい?」
「よくぞ聞いてくれたな! そんな君には300ジェームズポイントをくれてやろう!」

 ジェームズポイントって何? そうツッコミを入れたかったのだが、奴はもう凄く話を掘り下げていた。夢の中とはいえフリーダム過ぎないか!?

 ーーいやもうフリーダムなのは周知の事実。もう俺は心の懐デカく構えとこう。

「私の前回のあらすじは例の如くあの森の中で産声をあげたんだ。その時、私の脳内に電流が走った。そう、私のこの身体は仮の姿だったんだよ......」

 へーー。そうなんだ。現実見たら? お前は中年のハゲかけているおっさんやぞ。

(もしかして虚言を言っていると思ってるよね~。わかるわかるよ~)

 なっ!? コイツ......俺の脳内に直接話しかけてきやがる......

(なあ俺達もう一度やり直さないか?)
(嫌よどうせあなたとはこれ以上分かり合えない)

 知らない人の電話回線と混線しちゃってるじゃねえか!
 そうこうしてる内にも、奴は自分の世界に入っているのか永遠に話し続けている。

「その瞬間私が今までなんで旅をしてきたのかを理解した。私に呪いをかけてこんな醜い姿にした奴らを探すための旅だったんだ。これがこれまでの話」

 なんか急に話が重くなってね? 俺達の裏でサイドストーリーが進んでいやがった。けどこの後の展開が気になる俺がいる。

「それで......お前はこれからどうするつもりなんだ?」

 その質問をジェームズはナチュラルに無視し、俺の近くに来たと思ったら突然一回転。そしてこう喋った。

「まあ、この程度の呪いはすぐに解けるんだけどね。せっかくだし本来の姿に戻るよ~」
「戻れるのかよ!?」

 こっからどんな展開になっていくのかをワクワクしながら待っていた数秒前の俺をぶん殴りたい。

 ていうかさっきの時間返してくれ。明日大事な神様の謁見とかあるんだけど、こんな運命の日の前日の時に限ってまともに熟睡出来ないってふざけてるだろ!

「チチンプイプイ! プイの助!」

 少しの間何かをブツブツ言っていたジェームズが、いきなり謎の言葉を叫んだ。すると、アイツ全体が神々しく光り出す。

 てか、さっきの詠唱なのか? 他にもかっこいい詠唱あっただろうに、なぜチチンプイプイ?

「グッ!? なんだ!? 光に混じって衝撃波が......黒煙が視界を妨げているけど、煙が無くなったらどんな姿になっているんだ!?」

 そんなこんなで俺は煙が晴れるのを待っていたのだが、突然俺の脳内に声が聞こえてきた。

(マイブラザー! 君の脳内に直接話かけているぜ。これが本当の姿だよ~。しかとみたまえ~)

 またか。そもそもこの空間には2人しか居ないんだし、そんな能力使わなくてよくない?

(え? あの時俺を庇って銀行強盗の刃物を受けたのはお前なのか!?)
(バカな人......私に指摘されるまで気づかないなんて......)

 さっきの人達、どういう話の展開になってんだよ!? 脳内能力って便利だけど不便だな!

 話は脱線したので、さっさと戻す。煙は大分引いてジェームズの本当の姿が部分的に見えてきてる。

「私はアビリスク•ジェームズ2世......天界の神様の1人だよ~!」

 童顔で白銀の長髪。優しそうな顔に純白の服を着ている。

 さっきまであのおっさんの姿だったとは信じられない。さっきまでのギャップの違いが凄まじすぎるぞ。ついでに星歌と同じくらい胸が無い! なんて表現しようか......ロリッ子神様だな!?

「度々君の夢に介入してごめんね~」

 開口一番ジェームズは不気味に微笑みながらこう言った。

「けど面白い夢を見てる君も悪いんだよ~。だから私が遊びに来ちゃった。それで今の天界がなんとなく分かってきたのもあるし、結果オーライだね~」
「は、はぁ......?」

 俺の夢を覗きに来ただけで、天界の何がわかるのだろうか? てかそもそも人の夢勝手に弄るのって人としてどうなんだろう? いや俺もやっていいのかな? このとうり神様もやってるわけだし。

「この話の続きは明日にでもしようか。どうせ明日話すつもりだったし。私はここでドロンするよ~。君との会話はとても楽しかったよ~」

 この神様の言葉を最後に俺の意識は暗闇に消えていった......

◇◇◇◇◇◇◇
時間に続く
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