星の子星夜と異世界チート能力者

まちゃかり

文字の大きさ
上 下
3 / 29
序章

3話 お家が爆破された

しおりを挟む
  そんなこんなであっという間に朝になってしまった。めちゃクソ寝むい......昨日はあの件のことで頭の中がいっぱいになってしまい、まともに眠れなかったからなぁ。

 はあ......今更ながら昨日の件を振り返ってみたけど、面倒事押し付けられてる感半端ないんだが。世界の平和を守るためとはいえ......ウーーン。

「先輩? 起きてますかーー? 起きているなら返事をください。おっと、名乗っとかないと......くるとですよ!」

 くるとくんか.......まだ寝ていたいのになんで今日に限ってパーティー会議をするんだ。もういいや二度寝しよ! どうせ俺を起こしにきたんだろう。

「ピーピー。あの星の子はまだ寝てやがる」
「おいピー助、ピー雲来! 今すぐ離れろーー! なんかあの女が何かを準備している!」
「ピーー!?」
「......破壊神の力を持っている悪魔さん。お願いします」

「分かった。任しといて!」

 ん? さっきから鳥達が騒がしいがなんだ? なんか凄い地響きが家全体を揺らし尽くしているんだが? 何、地震? いやここは天界、地震は発生する事は絶対にないはず......

[ドン! ドガッ! バギッ!]

 ウゲェーー!? ドアが吹っ飛んできた!? 俺はベットからなんとか飛び起きて謎の光の直撃は避けれたけど、ベットが木っ端微塵に......

 くるとくんの仕業か!? いや、くるとくんは双剣を巧みに操って戦う近接ファイター。あんな光の衝撃波は出せないはず。くるとくんがやられたとも思えないし......

 いや待て、そういえばパーティーの中にさっきのような光線をぶっ放す奴が居たわ。最近だと泡を吹いてぶっ倒れて介抱を受けていたアイツ。そいつの名前は......

「星夜! 起きたーー? あれ? 返事が無いわね? まさか星夜諸共吹っ飛ばしちゃった?」

「まなかさん。手加減を知らないんですか? ほら、先輩の家に風穴が開いちゃってるし......すみません。僕先に集合場所に行ってきまーーす」

 ああ......確信。くるとくん、なんでよりにもよってそこら辺の兵器よりも強いまなかさんを連れて来きたんだーー! ていうか待てやくると! もういいや......

 さっきの謎の光は多分、いや確実にまなかが放ったやつだ。コイツには『ギガインパクト』という何故かまなかにしか扱えない武器がある。俺や諸星がその武器を持つとなんか爆発するんだ。なんでだろう?

 その武器の恐ろしい所。なんか『エネルギーフルパワービーム』だと山を砕く程の威力になるらしい。ネーミングセンスは壊滅的だが中々恐ろしい。

 そんな破壊兵器をさ、なんでいきなり俺の家にぶっ放している? いや二度寝した俺も悪いけどさ......

「何すんだ! 一歩間違えたら俺諸共消し炭になってたんだが!? てかそもそも、人様の家に風穴開けるとかなにしてくれとんじゃ!」

 流石に怒っていい案件だろ。これは......。まなかは風穴が開いちゃってる俺の家を見て『これは派手にやっちゃったわーー』と呑気に呟いている。ふざけんな。

 その後、まなかが一応謝ってきた。これで一件落着......んなわけないだろ!? これからどうしよう。今冬だよ!? 家無しでどう凌ぐってんだ......? 貴重品だけは全て無事だった事は不幸中の幸いだけど。

 そんな悲しい気持ちになってる俺の心中を全くもって察しない、このクソビッチ女まなかがこう言った。

「貴方の住んでいた家なんて今はどうでもいいから、朝のパーティー会議に行きましょうよ。みんな待っているから」

 はぁ......コイツがある意味一番の敵かもしれん。そんな事を考えながら、俺の武器である大剣を懐に入れて、この木っ端微塵になった家を後にしたのでした。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇
次回に続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

追い出された万能職に新しい人生が始まりました

東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」 その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。 『万能職』は冒険者の最底辺職だ。 冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。 『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。 口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。 要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。 その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...