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序章
0-1 勇者パーティー
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俺の中でこの日がターニングポイントだと悟るにはそれほど時間がかからなかった。
◇
「また目玉食ってるのかよ。僕の女性陣に不評だからやめろ」
「いやいや食わず嫌いは良くないよ? 一回食ってみなよ」
目玉を勧めるもあっさりと拒否され、とにかく本題に入ると勇者は言った。
「攻撃もろくにできん奴はこのパーティーには要らないから。そもそも僕達守ってもらうほど弱くないし、お前って何かと中途半端じゃん」
ウチのリーダーであり勇者が大事な話があると言ったので、なんだろうと話を聞いていたわけだが……
「つまるところ戦力外ってわけ。あと勇者の仲間になる条件は可愛い女の子だけなんだよね。だからお前を追放する。さっさと引退して僕達の視界から消えな」
「ハァァァァァ!?」
パレンラトス王国に生まれ、そこで育ち、とある方に憧れて冒険者として旅に出るため盾使いの称号を手に入れた後、今のパーティーに入って早2ヶ月。
俺は突然このパーティーのリーダーにいらない子宣言されて、パーティーから追放されてしまった。仲間達の反応も冷たくさっさと消えてほしいと言ってるようだった。
「おっと、抜ける前にこれまでお前に分配した装備は置いてってくれよ?」
「え?」
「安心しろ。僕達に強力な仲間が手に入ったからな。そいつに装備をあげるつもりだ。いいだろ? 僕達はいずれ魔王を倒すんだ。協力は義務ってもんだぜ。今日から一般市民さんよ」
こうして俺はノーマル盾を持ってるだけの無一文のまま、旅路を1人で引き返すことになった。どうしてこうなった......
いや、今までも仲間達に助けられてばっかりだったし、なにより俺は役に立ってなかった。なんでこうなってしまったかの理由はなんとなく分かる。
「俺は攻撃力が無いからな。モンスターを倒せない。そのかわりに盾使いとして防御面はそこそこ硬い方だけど絶対的な強さは無い。そんな俺をみんなは必要としてなかったからなぁ......」
やっぱり俺、根本的に冒険者向いてないわ。魔王討伐とか夢のまた夢。潔く故郷に帰ろう。そう思い俺は始まりの町に戻るのだった。
「ていうか始まりの町から旅立って少しの場所じゃん。はあ......」
まだ俺の旅なんて始まってすらなかった事実にまたため息をついてしまう。なんだかんだ目的地である首都のほうが距離的に近かったのがまた辛い。
思えば俺はパーティー内で浮いていた。勇者様の仲間達も強者揃いでいつも空気はギスギスしていた。俺は戦力というか裏方ポジションみたいだったよな。
追放された理由は多分、盾使いとしてまともにやれなかったとか、そこらじゅうにいるモンスターですらまともに倒せない事や、みんなのお荷物的存在になっていたのが主な理由か。まあ妥当なのかな......
◇
こうして1日かけ故郷に帰ってきたわけだけど、はあ......これからどうしよう。実家に帰ろうにもなぁ......
「お前に重要な任務を任せてるんだ。ヘマかますなよ?」
「僕の演技力を舐めるんじゃないンゴ! さあ出発するンゴ!」
あの男2人組は活気に満ち溢れてるなぁ。特に独特な口調をしているこの坊主は人生楽しそうだ。
それに比べて俺は何やってる? 自然と後悔ばかりが渦巻いている。
「帰ったら家の家業を継ぐか、野垂れ死ぬまで一人旅しよっかな……」
そんなわけで俺の冒険者としての人生は儚くも寂しく幕を閉じようとしていた……していた。
「あれ? あれれ? あれあれあれれーー?」
なんだろう。すごく聞き覚えのある声だけど、『今ここにいるはずがない奴』の声だ。この口調って確か......
「なるほどね。わかっちゃいました。天才であるよつば様にかかればこの難問はへっちゃらですわよ! ズバリ! 貴方はあの社畜パーティーから懲戒解雇されてしまったのね! オホホホホ......あれ? もしかして図星ですの......?」
突然笑い声がしたなと思いつつ振り返ってみると、変な帽子をかぶっていて、王国第二王女に幼馴染でもあるよつばがいた。
このとき俺はあまりのショックで幻覚でもみてるんじゃないかと思い、軽く無視していたら俺の前に回り込んできてこの王女が煽ってきたので、俺が見たのは幻覚じゃなく現物だったようだ。
「なんでお前がここにいる?」
最悪だ……1ヶ月前勇者ユウキ様と共に魔王兼四天王討伐の旅に出かけてくると宣言したのに……
てかこのご身分で護衛なしとは妙だな。もしかして家出か?
なんでよつばはこんな辺境の地にいるのかと尋ねたらこう答えている。
「実は勇者一行を追っていた所ですの。私も一緒に旅に連れてってほしかったのですが。どうやら無駄足に終わったようですの」
そういえばこいつ、一応王女なんだけど、末っ子だし王位継承権4位だしで比較的自由にできるんだったわ。にしてもヤバいけど。
「今なら勇者様に追いつけるぞ。よかったなそれじゃ」
もう貴方とは会うことはないだろう。俺は盾と短剣を持っているただの一般人。貴方は王族。幼馴染と言っても身分が違いすぎる。しかもついさっき勇者パーティーからも追放されてしまった敗北者だからな。無視して帰ろう。
「貴方はこれからどうしますの? 貴方が町に帰った所で肩身が狭くなる未来しか想像できませんが......」
「グッ......」
この言葉は今の俺にすごく刺さった。そう......図星である!
そうだ、今更帰った所でなんになるのだろうか。俺の故郷で盛大に決起式やらお別れ会とかやったのに、ノコノコと帰っちゃったら俺の面目が立たんじゃないか。友人との約束もその時にしているわけだし!
それに、今のご時世職無しに人権は無い。いや冒険者も職かと言われれば怪しいけれど、最悪ギルドに行って依頼を受ければ金になるわけで。ならば俺に残された道は一つしか無い。
「1人でこの世界を生きるしかない!」
よし決めた! 今日から俺ことハルトは気ままに生きる! 1人でスローライフを送る! 正直仲間と信頼関係を築けるようなコミニケーション能力とかも持ってないし、1匹オオカミが1番性にあってたんだ。そうに違いない。
「いやどうしてそうなりますの? 1人だけで世界を生き抜くってむちゃくちゃな。多分勇者様との間に何かあって疑心暗鬼になってしまってるようですが、さてはてどうしましょう......いや少し考えればわかること。なら仕方ないですわね」
あら? よつばまだそこに居たんだ。さっきから何独り言言ってるのか。
「貴方はこれから私の旅に同行しなさい! 拒否権はありません!」
......は? なんだこの展開。せっかくこれからの方針を決めたというのに、ていうかお前と旅に出る!? 腐ってもこの国の第二王女だよね?
「よし! そうと決まれば行きますわよ!」
「おい待て! お前が何を言っているのか分かってるのか? お前王族! バレンラトス王国の第二王女!」
「それが......どうしたのかしら?」
いや心強さが段違いとか、1人だけの冒険が寂しいとか関係なく、王女が冒険者やるって前代未聞だからな! 最悪俺が不敬罪で処刑されるわ!
そうだ、そもそも旅の目的はなんだ? 魔王を倒すことが勇者様の目的だったけど、お前は何がしたくて俺を誘っているんだろう。いや俺も仲間がいた方がいいと思ってる。アイツが王族の身分じゃ無かったら快く同行するんだがな。
とりあえずよつばに悪く言わんからやめとけ。絶対王様に勘当されるから、という具合に説得してみる。するとこんな返答が返ってきた。
「勘当もいやですが旅に出ない選択肢はありませんの。実のところ、この宮廷権力争いの生活も飽き飽きしていまして、ついでに私の魔法がどれくらい通用するのかも確かめたいのです」
わがままにもほどがある。なんなら王様が旅の許可をしてくれたら考えるけど、と譲歩してみることに......すると意外な答えが返ってきた。
「いいでしょう。私にとっても都合の良い案ですしね。そうなったらさっさと宮殿に行きますわよ!」
そんな言葉を残し、よつばは宮殿に向かって歩きだす。何か嫌な予感がするのは俺だけだろうか......
◇◇◇◇◇◇
次回に続く
◇
「また目玉食ってるのかよ。僕の女性陣に不評だからやめろ」
「いやいや食わず嫌いは良くないよ? 一回食ってみなよ」
目玉を勧めるもあっさりと拒否され、とにかく本題に入ると勇者は言った。
「攻撃もろくにできん奴はこのパーティーには要らないから。そもそも僕達守ってもらうほど弱くないし、お前って何かと中途半端じゃん」
ウチのリーダーであり勇者が大事な話があると言ったので、なんだろうと話を聞いていたわけだが……
「つまるところ戦力外ってわけ。あと勇者の仲間になる条件は可愛い女の子だけなんだよね。だからお前を追放する。さっさと引退して僕達の視界から消えな」
「ハァァァァァ!?」
パレンラトス王国に生まれ、そこで育ち、とある方に憧れて冒険者として旅に出るため盾使いの称号を手に入れた後、今のパーティーに入って早2ヶ月。
俺は突然このパーティーのリーダーにいらない子宣言されて、パーティーから追放されてしまった。仲間達の反応も冷たくさっさと消えてほしいと言ってるようだった。
「おっと、抜ける前にこれまでお前に分配した装備は置いてってくれよ?」
「え?」
「安心しろ。僕達に強力な仲間が手に入ったからな。そいつに装備をあげるつもりだ。いいだろ? 僕達はいずれ魔王を倒すんだ。協力は義務ってもんだぜ。今日から一般市民さんよ」
こうして俺はノーマル盾を持ってるだけの無一文のまま、旅路を1人で引き返すことになった。どうしてこうなった......
いや、今までも仲間達に助けられてばっかりだったし、なにより俺は役に立ってなかった。なんでこうなってしまったかの理由はなんとなく分かる。
「俺は攻撃力が無いからな。モンスターを倒せない。そのかわりに盾使いとして防御面はそこそこ硬い方だけど絶対的な強さは無い。そんな俺をみんなは必要としてなかったからなぁ......」
やっぱり俺、根本的に冒険者向いてないわ。魔王討伐とか夢のまた夢。潔く故郷に帰ろう。そう思い俺は始まりの町に戻るのだった。
「ていうか始まりの町から旅立って少しの場所じゃん。はあ......」
まだ俺の旅なんて始まってすらなかった事実にまたため息をついてしまう。なんだかんだ目的地である首都のほうが距離的に近かったのがまた辛い。
思えば俺はパーティー内で浮いていた。勇者様の仲間達も強者揃いでいつも空気はギスギスしていた。俺は戦力というか裏方ポジションみたいだったよな。
追放された理由は多分、盾使いとしてまともにやれなかったとか、そこらじゅうにいるモンスターですらまともに倒せない事や、みんなのお荷物的存在になっていたのが主な理由か。まあ妥当なのかな......
◇
こうして1日かけ故郷に帰ってきたわけだけど、はあ......これからどうしよう。実家に帰ろうにもなぁ......
「お前に重要な任務を任せてるんだ。ヘマかますなよ?」
「僕の演技力を舐めるんじゃないンゴ! さあ出発するンゴ!」
あの男2人組は活気に満ち溢れてるなぁ。特に独特な口調をしているこの坊主は人生楽しそうだ。
それに比べて俺は何やってる? 自然と後悔ばかりが渦巻いている。
「帰ったら家の家業を継ぐか、野垂れ死ぬまで一人旅しよっかな……」
そんなわけで俺の冒険者としての人生は儚くも寂しく幕を閉じようとしていた……していた。
「あれ? あれれ? あれあれあれれーー?」
なんだろう。すごく聞き覚えのある声だけど、『今ここにいるはずがない奴』の声だ。この口調って確か......
「なるほどね。わかっちゃいました。天才であるよつば様にかかればこの難問はへっちゃらですわよ! ズバリ! 貴方はあの社畜パーティーから懲戒解雇されてしまったのね! オホホホホ......あれ? もしかして図星ですの......?」
突然笑い声がしたなと思いつつ振り返ってみると、変な帽子をかぶっていて、王国第二王女に幼馴染でもあるよつばがいた。
このとき俺はあまりのショックで幻覚でもみてるんじゃないかと思い、軽く無視していたら俺の前に回り込んできてこの王女が煽ってきたので、俺が見たのは幻覚じゃなく現物だったようだ。
「なんでお前がここにいる?」
最悪だ……1ヶ月前勇者ユウキ様と共に魔王兼四天王討伐の旅に出かけてくると宣言したのに……
てかこのご身分で護衛なしとは妙だな。もしかして家出か?
なんでよつばはこんな辺境の地にいるのかと尋ねたらこう答えている。
「実は勇者一行を追っていた所ですの。私も一緒に旅に連れてってほしかったのですが。どうやら無駄足に終わったようですの」
そういえばこいつ、一応王女なんだけど、末っ子だし王位継承権4位だしで比較的自由にできるんだったわ。にしてもヤバいけど。
「今なら勇者様に追いつけるぞ。よかったなそれじゃ」
もう貴方とは会うことはないだろう。俺は盾と短剣を持っているただの一般人。貴方は王族。幼馴染と言っても身分が違いすぎる。しかもついさっき勇者パーティーからも追放されてしまった敗北者だからな。無視して帰ろう。
「貴方はこれからどうしますの? 貴方が町に帰った所で肩身が狭くなる未来しか想像できませんが......」
「グッ......」
この言葉は今の俺にすごく刺さった。そう......図星である!
そうだ、今更帰った所でなんになるのだろうか。俺の故郷で盛大に決起式やらお別れ会とかやったのに、ノコノコと帰っちゃったら俺の面目が立たんじゃないか。友人との約束もその時にしているわけだし!
それに、今のご時世職無しに人権は無い。いや冒険者も職かと言われれば怪しいけれど、最悪ギルドに行って依頼を受ければ金になるわけで。ならば俺に残された道は一つしか無い。
「1人でこの世界を生きるしかない!」
よし決めた! 今日から俺ことハルトは気ままに生きる! 1人でスローライフを送る! 正直仲間と信頼関係を築けるようなコミニケーション能力とかも持ってないし、1匹オオカミが1番性にあってたんだ。そうに違いない。
「いやどうしてそうなりますの? 1人だけで世界を生き抜くってむちゃくちゃな。多分勇者様との間に何かあって疑心暗鬼になってしまってるようですが、さてはてどうしましょう......いや少し考えればわかること。なら仕方ないですわね」
あら? よつばまだそこに居たんだ。さっきから何独り言言ってるのか。
「貴方はこれから私の旅に同行しなさい! 拒否権はありません!」
......は? なんだこの展開。せっかくこれからの方針を決めたというのに、ていうかお前と旅に出る!? 腐ってもこの国の第二王女だよね?
「よし! そうと決まれば行きますわよ!」
「おい待て! お前が何を言っているのか分かってるのか? お前王族! バレンラトス王国の第二王女!」
「それが......どうしたのかしら?」
いや心強さが段違いとか、1人だけの冒険が寂しいとか関係なく、王女が冒険者やるって前代未聞だからな! 最悪俺が不敬罪で処刑されるわ!
そうだ、そもそも旅の目的はなんだ? 魔王を倒すことが勇者様の目的だったけど、お前は何がしたくて俺を誘っているんだろう。いや俺も仲間がいた方がいいと思ってる。アイツが王族の身分じゃ無かったら快く同行するんだがな。
とりあえずよつばに悪く言わんからやめとけ。絶対王様に勘当されるから、という具合に説得してみる。するとこんな返答が返ってきた。
「勘当もいやですが旅に出ない選択肢はありませんの。実のところ、この宮廷権力争いの生活も飽き飽きしていまして、ついでに私の魔法がどれくらい通用するのかも確かめたいのです」
わがままにもほどがある。なんなら王様が旅の許可をしてくれたら考えるけど、と譲歩してみることに......すると意外な答えが返ってきた。
「いいでしょう。私にとっても都合の良い案ですしね。そうなったらさっさと宮殿に行きますわよ!」
そんな言葉を残し、よつばは宮殿に向かって歩きだす。何か嫌な予感がするのは俺だけだろうか......
◇◇◇◇◇◇
次回に続く
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