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番外編
異世界で初めてのクリスマス☆
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【??視点】
ここでは女神と呼ばれている女性と、その隣で楽しそうに過ごすアイリを見守る、一人の少女がいた。
『いつもルークさんばっかりアイリちゃんにプレゼントして、ずるいぃ~。私だってアイリちゃんにプレゼントあげたいっ!可愛がりたいっ!』
『ふふっ、アナタは既に一番大きなプレゼントをあげてるじゃない。』
『でも、本人には伝わってないもん~。⋯あ、そうだ!!もうすぐ日本で言うクリスマスの時期だよね?それならやっぱりクリスマスプレゼントでしょう♪』
『でも、あの世界に「クリスマス」なんて概念ないわよ?どうするの?』
『そこは、良い子のアイリちゃんにサンタさんからの贈り物って事で、寝てる間に枕元に置いておくから。さて、何にしよっかな~♪』
◇◇◇◇◇
そうして迎えた、日本で言うところの12月25日の朝。
「んみゅ~⋯⋯ん~?」
目が覚めて腕を伸ばした所に、何やら手に当たるものがある。
枕元を見てみると、そこには可愛くラッピングされた袋が置いてあった。
アイリはごそごそと袋を開けると、中から出てきたのは⋯⋯
「ん⋯⋯アイリ?どうした?今日はやけに早起きだ⋯な⋯⋯?」
ごそごそと動く気配にルークも目を覚まし、アイリの方に視線をやって思わず固まってしまった。
「あ、ルークしゃんおはよーごじゃいましゅ。これ、ルークしゃんがおいててくれたの?とってもかわいーのー♪」
そこにはうさ耳の付いたピンクのニット帽を被り、同じくピンクの手袋をしたアイリがいた。手袋にはご丁寧にうさぎの尻尾をモチーフにしたのか、ポンポンが付いている。
⋯朝から可愛いが過ぎる。
ルークが置いた訳ではないが、調べてみても特段不審なところはない。
⋯と言うか、確実に贈り主はルークとアイリのポイントを押さえている。
袋を見ると、これまた可愛いカードが入っていた。
『メリークリスマス☆
良い子のアイリちゃんにはプレゼントを。
サンタさんより』
ルークが書いてあることをアイリに伝えると「しゃんたしゃん?」とアイリは不思議そうな顔をして首を傾げる。
その姿にルークは「ぐはっ⋯」と呻き、胸を押さて視線をそらした。
(うさ耳アイリの困り顔で頭をコテン⋯⋯目に毒すぎる⋯)
その日はうさ耳&うさ手袋をしたアイリがギルド内で皆に崇められ、あまりの可愛さにその場に倒れ込む者が多発した。
その為仕事にならず、もうこの際だからと緊急案件以外はシリウスの権限でお休みにしてしまった。
それでもアイリ見たさにギルドに人が詰めかけ、ついでに貢物を渡していく始末。
ならばと食堂を開放して、アイリからはお礼にクッキーを手渡していくことにした。
あまりのアイリの可愛さに触れようとする輩がいれば、見事な連携プレーで直ぐに強制退場された。
お触り厳禁だ!!
⋯最早何かのイベントと化していた。
後日、どこからか噂を聞いた陛下が王宮から専属絵師を送ってきた。
勿論うさ耳&うさ手袋姿のアイリを描いてもらう為に⋯⋯⋯
数日後、王宮ではたまに引き出しを開けてはニヤついている陛下が度々目撃され、周りに白い目で見られていた。
そんな変態の視線の先には、状態保存魔法と盗難防止魔法が厳重にかけられ額縁に納められた絵が一枚⋯
アリシア渾身のコーディネートでドレスアップした、うさ耳&うさ手袋姿のアイリが描き出されていた。
この世でたった二枚だけの、王族のみが保有する国宝だ⋯⋯
それから毎年この時期になると、アイリにプレゼントを贈り可愛いを崇める日=「クリスマス」なのだとギルド内では認識された。
しかし一部幼い子供のいる家庭では、良い子にしてたらサンタさんからプレゼントを貰える日、と正しく認識され広まっていったらしい。
後日談~
「ルークしゃん?何をかくしたのー?」
「あっ、アイリ!?⋯⋯いや、これは重要な書類なんだ。だから、見つからないように、きちんと隠して保管してなきゃいけないんだよ。」
「しょっかー!わかった。じゃぁアイリも見なかったことにしゅるね。」
「あ、あぁ。⋯アイリは本当に良い子だな。来年も一緒に『クリスマス』を過ごそう。美味しいもの食べて、勿論プレゼントも用意するからな。」
「アイリも、ルークしゃんにぷれじぇんとしゅるの!」
「⋯もう一生分のプレゼントは貰ってるよ。」
(アイリと出逢えた事が、俺にとって一番のプレゼントだ⋯)
※メリークリスマス☆
皆さんにも素敵なプレゼントが届きますように⋯♪
ここでは女神と呼ばれている女性と、その隣で楽しそうに過ごすアイリを見守る、一人の少女がいた。
『いつもルークさんばっかりアイリちゃんにプレゼントして、ずるいぃ~。私だってアイリちゃんにプレゼントあげたいっ!可愛がりたいっ!』
『ふふっ、アナタは既に一番大きなプレゼントをあげてるじゃない。』
『でも、本人には伝わってないもん~。⋯あ、そうだ!!もうすぐ日本で言うクリスマスの時期だよね?それならやっぱりクリスマスプレゼントでしょう♪』
『でも、あの世界に「クリスマス」なんて概念ないわよ?どうするの?』
『そこは、良い子のアイリちゃんにサンタさんからの贈り物って事で、寝てる間に枕元に置いておくから。さて、何にしよっかな~♪』
◇◇◇◇◇
そうして迎えた、日本で言うところの12月25日の朝。
「んみゅ~⋯⋯ん~?」
目が覚めて腕を伸ばした所に、何やら手に当たるものがある。
枕元を見てみると、そこには可愛くラッピングされた袋が置いてあった。
アイリはごそごそと袋を開けると、中から出てきたのは⋯⋯
「ん⋯⋯アイリ?どうした?今日はやけに早起きだ⋯な⋯⋯?」
ごそごそと動く気配にルークも目を覚まし、アイリの方に視線をやって思わず固まってしまった。
「あ、ルークしゃんおはよーごじゃいましゅ。これ、ルークしゃんがおいててくれたの?とってもかわいーのー♪」
そこにはうさ耳の付いたピンクのニット帽を被り、同じくピンクの手袋をしたアイリがいた。手袋にはご丁寧にうさぎの尻尾をモチーフにしたのか、ポンポンが付いている。
⋯朝から可愛いが過ぎる。
ルークが置いた訳ではないが、調べてみても特段不審なところはない。
⋯と言うか、確実に贈り主はルークとアイリのポイントを押さえている。
袋を見ると、これまた可愛いカードが入っていた。
『メリークリスマス☆
良い子のアイリちゃんにはプレゼントを。
サンタさんより』
ルークが書いてあることをアイリに伝えると「しゃんたしゃん?」とアイリは不思議そうな顔をして首を傾げる。
その姿にルークは「ぐはっ⋯」と呻き、胸を押さて視線をそらした。
(うさ耳アイリの困り顔で頭をコテン⋯⋯目に毒すぎる⋯)
その日はうさ耳&うさ手袋をしたアイリがギルド内で皆に崇められ、あまりの可愛さにその場に倒れ込む者が多発した。
その為仕事にならず、もうこの際だからと緊急案件以外はシリウスの権限でお休みにしてしまった。
それでもアイリ見たさにギルドに人が詰めかけ、ついでに貢物を渡していく始末。
ならばと食堂を開放して、アイリからはお礼にクッキーを手渡していくことにした。
あまりのアイリの可愛さに触れようとする輩がいれば、見事な連携プレーで直ぐに強制退場された。
お触り厳禁だ!!
⋯最早何かのイベントと化していた。
後日、どこからか噂を聞いた陛下が王宮から専属絵師を送ってきた。
勿論うさ耳&うさ手袋姿のアイリを描いてもらう為に⋯⋯⋯
数日後、王宮ではたまに引き出しを開けてはニヤついている陛下が度々目撃され、周りに白い目で見られていた。
そんな変態の視線の先には、状態保存魔法と盗難防止魔法が厳重にかけられ額縁に納められた絵が一枚⋯
アリシア渾身のコーディネートでドレスアップした、うさ耳&うさ手袋姿のアイリが描き出されていた。
この世でたった二枚だけの、王族のみが保有する国宝だ⋯⋯
それから毎年この時期になると、アイリにプレゼントを贈り可愛いを崇める日=「クリスマス」なのだとギルド内では認識された。
しかし一部幼い子供のいる家庭では、良い子にしてたらサンタさんからプレゼントを貰える日、と正しく認識され広まっていったらしい。
後日談~
「ルークしゃん?何をかくしたのー?」
「あっ、アイリ!?⋯⋯いや、これは重要な書類なんだ。だから、見つからないように、きちんと隠して保管してなきゃいけないんだよ。」
「しょっかー!わかった。じゃぁアイリも見なかったことにしゅるね。」
「あ、あぁ。⋯アイリは本当に良い子だな。来年も一緒に『クリスマス』を過ごそう。美味しいもの食べて、勿論プレゼントも用意するからな。」
「アイリも、ルークしゃんにぷれじぇんとしゅるの!」
「⋯もう一生分のプレゼントは貰ってるよ。」
(アイリと出逢えた事が、俺にとって一番のプレゼントだ⋯)
※メリークリスマス☆
皆さんにも素敵なプレゼントが届きますように⋯♪
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