魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

昏鐘の勇者編

15 願い……

「何が起こってますの……」

 ミデアは二人の戦いを見て次元の違いを知った、

「ワールドオーダー……」

 美希は悟がそう言っていたのを呟くと、

「その何ですのワールドオーダーというのは？」

 ミデアはそう聞き返した、

「魔王の因子の源、いまこの世界をこんな状態にした存在」

 美希は説明をした、

「そんなのがハルキの中に……」

 ミデアは愕然とした。

 一時ではあったが共に戦った友があのような状態に友が敵になったかもしれないという事実に。

「あっ、ミデアちゃん、！！」

 ミデアは走りだしていた春樹の元へ。

 『ハルキ、ハルキ、私が貴方を』

  馳せる思いに身を任せその足はどんどん速くなっていった。

「ハルキ！！」

 ミデアは二人の近くに来て春樹の名前を叫んだ。

「何してるこっちに近づいてくるな！」

 悟は彼女に気づきそう制したが、目の前に触手が通過しミデアの元にいった、

『しまった！？』

 悟は意思の方見ると嫌味な顔をしていた。

 その瞬間悟は高速で移動しミデアの前に来て触手を斬り落とした。

 無数にくる触手を後ろには非力な少女を庇いながら守りきった。

「さ、サトルさん……」

 ミデアの目の前にはボロボロになった悟が居た。

「うっ」

 悟は膝を落とし地に伏した。

「あっけないなぁ、まさか最後は仲間を守って終わりとはな」

 意思はそう言いながら、悟にトドメを刺すため近づいてきていた。

「終わりだ勇者よ」

 意思の手に大きな鎌状の武器を持ち悟の首に当てて大きく振りかぶった。



「やめて！！」

 その瞬間、悟の後ろミデアではない少女が声を張り上げた声がした瞬間、意思は途轍もない力に押されてしまい悟から離れた。

「くっ、私が押されただと、勇者ではないあの小娘に！！」

 意思はそれをニッと睨み付けた先に居たのは美希だった。

 美希は自分を中心から悟の倒れた所までの範囲をドーム状の膜を貼っていった。

「私は悟が傷つかないように努力してきた、けど、何もできず傷つく彼をこれ以上、これ以上見たくなんかな無い！」

 そう言うと、光は更に増した。

 ミデアは美希を見ていると後ろから「うっうぅ」という声が聞こえ悟の方を見た。

「さっき食らった傷が治っているのですは……」

 ミデアは悟の体がみるみると回復するのをじっと見つめていると、

 ガバッと悟は目を見開くと剣で支えながら立った。

「悟！！！」

 悟が治った瞬間、美希が張った光の膜は収縮し美希の目の前に粒子として集まると目の前に白く輝く剣が現れた。

「こ、これは……」

 美希は戸惑っていると。

「美希！！ その剣を取れ！！」

 悟はそう叫ぶと美希は剣を手に取り悟の方に向かって近づいた。

「美希、俺が牽制をするから、君がトドメを刺すんだ」

「う、うん」

 美希は目の前に居る敵、クラスメイトの体を乗っ取り暴れまわる敵を倒すために頷いた。

「悟、彼は元に……」

 そう呟くが悟は沈黙をした。

 美希も分かっていた、そんな都合の言い話は無い斬れば殺す。

「わかった、そうだよね、もう彼を苦しませるのはいけないよね」

「そうだな」

 悟は無情に同意し、二人は剣を構えた。