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昏鐘の勇者編

9 日本人の女

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「無惨な姿になりましたわね勇者様……」

 女はそう言うと静かに近づくと、

「死んだふりをしているということもがありますわね……」 

 女は呟き手にナイフを出現させて悟に向かって山なりに投げた。

ボスッ

 悟の腹部に刺さるが悟は何の反応もせずそこに横たわっているだけだった。

「んー、この程度魔力を集中的に集めれば防ぐことはできますわね……」

 今度は大きな槍を出現させもう一度同じように山なりに投げた、

グサッ

 という音が似つかわしい程に悟の胸に突き刺さった、

「動きませんはねやっぱり死んでますわねその死に顔を拝見させていただこうかしら」

 女はそう言うと一歩一歩と刻みよく靴の音を鳴らしながら近づいてきた、

「どんな死に顔かしら、ふふ」

 意気揚々と悟の顔を拝見した。

ガシッ! 

 死んだと思われた悟に腕を掴まれた。

「なっ、貴方まだ生きてましたの! でも、槍が!!」

 女は槍の方を見るとカタンと悟の胸から落ちた。

「当たったときに魔力で先端だけを消た後にくっつけたんだ磁石のようにね」

 悟は得意気に説明をしてると。

「あの量の刃物はどうやって防いだのよ……」

 するとニカッと笑みを溢すと服を捲し上げたら座椅子が入っていた。

「剣で斬って入れたんだよね後は剣で頭を守りながら防いだかな」

  女は平然と言う男に対して呆然とすると、そのまま苦虫を噛み潰したような顔をした。

「離しなさい! この手を!」

 悟は手を離さず女を固定したまま左手で剣を出し女の首を斬った。

ドンドドン

 女の首は斬られるとそのまま地面に落ちた。
 悟は女の首に近づいた。

「くそくそ! 私の復讐が復讐が! ふくしゅう?」

 復讐と連呼しながら泣きじゃくりながらそう言って。

「どうして君はそんなに泣いているんだ?」

 悟は女の感情が憎しみの他にも悲しみの感情を汲み取り聞いてみた。

「えっ、私、どうして……泣いてるかって……何でだろう……」

 最後にそう言い残すと女の体と頭は塵となり消えていった。

 悟は舞う塵を見ながら名前を知らない日本人の女の子の顔はどこかスッキリとした顔をしていたのが印象に残った。

『勇者……復讐……日本人顔の女の子……僕たちの学級にはあんな子はいなかった……』

 最後にそう思うとステージ上にある夥しい死体を見て一時手を合わせるた後は悟は劇場から出ていった。
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