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始まりの勇者編
16 惨状
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薄暗い雰囲気が漂う街、階段を降りると目の前に人だかりが出来はじめていた、
「なんでしょうか、トウカさん街の人たちが集まってますよ」
美希は不思議に思いトウカに聞こうとしたが、
「行こう、あんまりいいものではない」
と言うと、トウカはすたすたと歩いた、それを追うように二人は街の人たちを後ろ目にしながら同じように歩き始めた。
『ぶぉーーー』
突然、笛のようなものが鳴り響いた。
それに、驚いた二人は後ろを見るとそこには大きな積み荷を運んだ馬車が来た、
「何が始まるんだ?」
「人がさらに増えてる」
二人は不思議に思い足を止めた。
御者台から兵士らしき装備をした男が降りた、
「これより食糧の配給を始める」
男はそう言うと、一斉に住民達が『わっーー』と荷台に押し寄せると、先程の兵士とは違い今度は騎士らしき人物が現れた、
「並べ!」
騎士らしき男はそう一声すると、住民達は蛇行の列を作り並んだ。
「よし、では配る前のものから!」
配給が目の前で始まった。
「本当にやってるんですね配給」
美希がそう呟いた時、騎士の男が「一人100万だ」と言った、
「お金取るんですか!?」
「100万か街の人達はお金は持ってるからな」
トウカはそう応えた、
「来た時に言っただろ、金はあるが物はないって、100万だしても配給だけ食えれば一ヶ月は国から貰ってるからな彼らは」
「金持ち?」
「そうだな、金持ちではあるが物持ちではないな」
トウカは淡々と説明し終わると「そろそろ行こう」と言うと、
「貴様、金を持ってないとは何だ」
「申し訳ございません、先月夫が亡くなってしまい……」
女の人がそう言おうとすると、
「そんなことは俺たちが知ったことではない、金がないなら帰れ!」
と、言われた女性は顔を歪ませながら、「お願いします、お願いしますお恵みを」と言うが騎士の男はその女の人を蹴り飛ばし次の人間を呼んだ、
「もういいだろ、行こう二人とも」
「で、でも」
「私達にはどうしようも出来ない、私達にも戦えない者達もいる、そいつらで手一杯なんだ」
トウカは悲痛な顔をしながら、淡々と告げた。
「と、トウカさん」
一彩は、小声で呟き、それを聞いた美希は「わかりました」と言った。
「では、行こうか私達の家へ」
三人はトウカの家へ向けて歩き始めた。
「なんでしょうか、トウカさん街の人たちが集まってますよ」
美希は不思議に思いトウカに聞こうとしたが、
「行こう、あんまりいいものではない」
と言うと、トウカはすたすたと歩いた、それを追うように二人は街の人たちを後ろ目にしながら同じように歩き始めた。
『ぶぉーーー』
突然、笛のようなものが鳴り響いた。
それに、驚いた二人は後ろを見るとそこには大きな積み荷を運んだ馬車が来た、
「何が始まるんだ?」
「人がさらに増えてる」
二人は不思議に思い足を止めた。
御者台から兵士らしき装備をした男が降りた、
「これより食糧の配給を始める」
男はそう言うと、一斉に住民達が『わっーー』と荷台に押し寄せると、先程の兵士とは違い今度は騎士らしき人物が現れた、
「並べ!」
騎士らしき男はそう一声すると、住民達は蛇行の列を作り並んだ。
「よし、では配る前のものから!」
配給が目の前で始まった。
「本当にやってるんですね配給」
美希がそう呟いた時、騎士の男が「一人100万だ」と言った、
「お金取るんですか!?」
「100万か街の人達はお金は持ってるからな」
トウカはそう応えた、
「来た時に言っただろ、金はあるが物はないって、100万だしても配給だけ食えれば一ヶ月は国から貰ってるからな彼らは」
「金持ち?」
「そうだな、金持ちではあるが物持ちではないな」
トウカは淡々と説明し終わると「そろそろ行こう」と言うと、
「貴様、金を持ってないとは何だ」
「申し訳ございません、先月夫が亡くなってしまい……」
女の人がそう言おうとすると、
「そんなことは俺たちが知ったことではない、金がないなら帰れ!」
と、言われた女性は顔を歪ませながら、「お願いします、お願いしますお恵みを」と言うが騎士の男はその女の人を蹴り飛ばし次の人間を呼んだ、
「もういいだろ、行こう二人とも」
「で、でも」
「私達にはどうしようも出来ない、私達にも戦えない者達もいる、そいつらで手一杯なんだ」
トウカは悲痛な顔をしながら、淡々と告げた。
「と、トウカさん」
一彩は、小声で呟き、それを聞いた美希は「わかりました」と言った。
「では、行こうか私達の家へ」
三人はトウカの家へ向けて歩き始めた。
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