勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

三章 一部 雪国の防衛

6 防衛戦拡大作戦

「では、ハック殿お願いします」

　村長はそう言い頭を下げる。

　コンコン

　その時、村長宅の扉を叩かれる。

「村長居ますか？」

　扉越しだが男の声が発せられる。

「タクヤか……入ってくれ」

　村長は扉の向こうの男をタクヤと呼ぶと同時に扉は開かれその男は入ってきた扉の前に足を少し開き手を後ろに回した、

「騎士……」

　その騎士は灰色な鎧を着ていた。

「ハック殿この者はカムロタクヤ申します」

　村長は男の名前を言ってその時、

「カムロ……」

　と、隣で女神様が呟いた、

「女神様知っている人で？」

「えっ……いや何でもないのハック」

　何かを思うように顔を下げた女神様。

「珍しい名前だからの」

　村長がそう言うと。

「そうですね、私も長い名前だと思ってますからタクヤと呼んでくださいハック殿」

「わかりました、タクヤさんよろしくお願いします」

　軽く挨拶をした後、

「それで何故ここに騎士の風体をしたタクヤさんがここに？」

「それはの……」

　村長が言おうとした瞬間、タクヤが手を上げると、

「私からお話します村長」

「ではお願いしますかの」

　そして、村長はタクヤを一度見た後、椅子に深く座り直す。

「では、私から────」

　──────────

　翌日……

「この橋の上に幾つもの柵を作るんですねタクヤさん」

「そうですハック殿」

　僕達は村に入った方向の反対側……つまり、魔物達が大群で来ていた方向を突き進んだところにある橋の上に来ていた、

「それにしても昨日作戦聞いて今日作戦を決行するなんでまるで僕達を待ってたかのようですね」

　木材を運ぶためと柵を作るために一緒に来ていた他の村人達の手際の良さを見ながら呟くと、

「もともとこの作戦の準備自体は二ヶ月前に終わっていましたからねハック殿」

「これだけ準備万端なのにできなかった理由って何なの？」

　と、女神様が疑問を口にすると、

「もともと、私は魔物が活動する時間帯はこの橋にきて村に行く魔物の数を抑えています」

「それと何の関係が？」

「メイ様、それでも何十体もの魔物があの村に襲ってきているということです」

「そう……なの……？」

　女神様は歯切れが悪そうに疑問に思っていると。

「おぉ！！！！」

　と、村人達が多くいる方向から声が聞こえる、

「一つ柵ができたようですね」

　タクヤが村人達がいる方向見ると、そこに大きく柵が出来ていた、

「あれを幾つも作り橋を出口までする話でしたね」

　昨日聞いた作戦内容を思い出していると、

「そろそろ来ますよ」

　と、タクヤが言うと、橋の向こう側から百では足りないぐらいの数の魔物がそこに居た。