勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

二章 錆びれた都

15 不思議な塔の少女

　ケースの中からでてきた少女は僕をみながら誰と訪ねる、

「僕の名前はハックっていうんた」

「はっく……ハック」

　彼女はそう口ずさみ僕の腕の中で繰り返す、

「君の名前は何て言うんだい？」

　少女の名前を聞こうとするも、彼女は口を「あっ」とだけ出すと、

「わからない」

　と、返される、

「わからないって……」

　すると、少女は僕の服を強引に引っ張ってきた、

「な、何だいいきなり」

　そう抗議していると、

「これ何」

　と、服を指して言ってきた、

「ふ、服の事か……」

　僕はそういいかけると少女の姿が生まれたままの状態の事に気がつくと、

「これ欲しい……」

　と、少女は呟いた、

「欲しいんだね」

　そう言われ僕は直ぐに少女を降ろし自分のバックの中から着替えを一枚取り出して彼女の手に渡した、

「おぉ……」

　しかし、着替えの服を広げるだけで一向に着ようとしなかった、

「ど、どうしたの？」

　僕はたじたじになりがらもそう聞くと、

「どう使うのか分からない」

　彼女はそう言ってきた。


　────

　そんなひと悶着ありながらも少女に手を上げさせて上から被せるように服を着せて上げ終わると、

　ガンガンガン……ガギンっ！！ バシャン！！

「何だ！！」

　と、入り口の扉のを方を振り向くと一体の白い魔物がそこに居た、

「ヤバい」

　そう思うと急いで少女の手を握りケースの後ろの方に隠れる、

「どうして隠れるの？」

　少女はそんな事を言われたので、

「あいつらに殺されるから逃げてるんだ」

「殺される……」

　仰々しい言葉が分かったのか少女は静かになった、

　ドシドシ

　と、白い魔物はこちらに音が近づいてきた。

　ドシ

　と、音を一つなると同時に僕は少女の手を引っ張りケースの土台の後ろから出て入り口の方に走った、

「手を離すなよ！！」

　僕はそう声を掛けて自分の右手を見ると彼女の姿が無くなり同時に「居ない！！」と声を出した、

「一体どこに」

　と、キョロキョロと探していると少女は白い魔物の足下に居た、

「危ない！！」

　白い魔物は少女に目掛けて腕を挙げ振り下ろそうされる。

　しかし、その拳は振り下ろされる事はなくその瞬間少女と白い魔物が触れているとが激しく発光した、

「一体何が？」

　僕はその光が眩しすぎて腕で顔を覆う。

　腕と腕の隙間から少女の居たところを見ようとするも光は白く白く眩しすぎて何も見えなかった。

　そうすること数秒経ち光が収まり僕は腕を降ろすとすぐ目に入ったのは少女だけだった。

「あの魔物は何処に」

　白い魔物は居なくなり、その事を僕はも少女に近づいて何をしたのかを疑問に思い、

「今の光は一体」

「マスター」

　突然少女は僕をそう呼び始めた。