主人公達へ

マシュマロン

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ワールドパンデミック編

六章 影二と緑

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明留が科学者の男、石田と奮闘しているのと同時刻、明留の仲間達である影二と緑は東の錆びれた街に足を運んでいた。

「ねーねー、影二君」

「どうしたの緑?」

「ヒマナッツ」

「ボケモソかい?」

「そんな事どうでもいいの」 

「君から話を降ってきたんじゃないか?」

灰色の髪と鋭い目付きが特徴的なイケメン、シャドウ。パンデミックが起こる前までは、明留達の学校の生徒会長という属性を持っているにも関わらず、異常に持てることからハーレム王とも呼ばれていた。

緑色のショートヘアーのパッツン少女、緑。頭につけている四葉のクローバーのピン留めが特徴的である。コミュ力が高く、誰とでも打ち解けることが出来て、異性相手でも話しやすい。

「それにしても、何も見つからないね~?」

「そうかもね……ん?いや、そうでもないみたいだ」

「?」

影二が地面を指さす。そこにあるのは。

「これって、足跡?」

「うん。ここは砂漠のようになっているから、砂に靴の後が残っているみたいだ」

「追跡かな?これ」

「そうだね、警戒して近づこう」

影二が前、緑が後ろを警戒しながら足跡を辿って行く。数分歩いて通りを右に曲がった時、足跡が途切れている事に影二が気づいた。

「恐らく、この中っぽいね」

足跡は、錆でボロボロになっているタワーマンションの中に続いていた。恐らく、何者かがここにいるのだろう。

「頼めるかい?緑」

「おまかせあれ~緑ちゃんのスーパーパワーを見せてあげよう!ナチュラルクイーン!」
 
左手でタワーマンションの壁に触れる。するとその壁にうっすら緑色の線が入っていくのが見える。

「7階に生命反応あり。男。多分1人だね」

「了解。じゃあ僕が中に潜入するよ」

「わかったよ、うちはどうすればいい?」

「そうだな……まずはナチュラルクイーンでタワーマンションの中全体を攻撃して見てほしい。動きがなければそのまま僕が侵入する」

「おっけー」

影二は生徒会長という立場から、指揮能力が非常に高い。他の人間に指揮されるよりも、影二の指揮の方が確実性、成功確率、何においても勝る人はいないだろう。

「ナチュラルクイーン!」

その言葉と同時に、緑色の線が一瞬にして太くなる。時間が経つにつれて色が茶色に変化していく。

「……動いてこないか。緑、お願い」 

「まっかせて!」

壁にさらに力を込め、壁に溜まった力を無理やり暴走させる。すると、

壁や地面を貫いてタワーマンション全体を覆う根がはられる。

「……よし、行ってくるよ」

「うん頼んだよ!」

これだけの攻撃に対して行動してこないということは恐らく、死んでいるか能力によるガードだろう。

「僕も能力使わなくちゃね、シャドウスケート!」

影二の姿はタワーマンションの1階の影を踏むと同時に姿を消した。いや影に吸い込まれたと言うのが正しいのだろう。



名前 緑

能力 ナチュラルクイーン

能力レベル 9

世界の自然を操る能力。ただし、操るものが強ければ強いほど、射程距離が短くなる。
例としては空気などをいじる時は、自分の半径3m内しか射程距離がない。など。
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