主人公達へ

マシュマロン

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ワールドパンデミック編

五章 油断大敵

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「こ、これは……一体なんだ!?」

何かの作動音と共に高い壁に囲まれる。もちろん、いきなりそんな事がおきれば、誰もが焦る。

「油断大敵ってやつだよ……勝ち誇って油断すると足元救われるぜ?あ、もう救われてるか」

「き、貴様、何をした!」

「何をしたと言われてもな、さっき地面に手で触れた時、針を作ると同時に1つの回路を作っておいたんだ。重心感知回路をな」

「重心感知回路?」

「ああ。簡単に言えばスイッチのようなものを地面に作っておき、一定の重さを超えると、回路で繋げておいた地面に埋まる柱が生成される。理科の電気回路の応用編だな」

「く、貴様、出しやがれ!」

男の声は荒ぶっている。誰だって逃げられない場所に捕まったら平常心なんか保ってらんないよな。

「本当は情報を聞き出してやりたいところなんだが、廃墟の事がバレてしまった以上、始末するしかないな」

「や、やめろ……何をする気だ!」

男の声色から恐怖が感じ取れる。そんな事は気にせず、ゆっくりと柱へと歩みを進める。
背中を刺されたことにより足取りが上手く運べないが、ゆっくり、ゆっくりと近づいていく。
だが、そのせいで、余計に男の不安を煽っているようだ。

「やめろ、来るな……助けてくれ!」

「はあ?助ける訳ないだろ?お前ら科学者は生き残りの子供たちを沢山捕まえて人体実験してんだろうが!クリエイティブ!」

壁に赤い線が入り、中には水が流れ出る音が聞こえてくる。

「や、やめろ!悪かった。私が間違っていた!廃墟の事は誰にも言わない、信じてくれ!」

「はあ?信じるわけないだろ?お前らみたいなクズの言うことなんて。今まで殺してきたこの世界の人間たちに悔いて死ね!」

「ぐお!やめろ……やめ……」

中に吹き出ているのは水では無くコンクリート。もう話すことは何も無い。再び柱に手を触れ天井に蓋をする。
あとは、中でコンクリートが固まって終わりだ。


「はあ、疲れた……」

フラフラとした足取りで廃墟に足を運ぶ。さすがに刃物で刺されたので上手く歩けないで転んでしまう。

「いてぇ……はぁ。めんどいから寝よ。そのうち誰か来るだろ」

そう思って明留は仰向けになって瞼を閉じる。
その後発見されたのは、凍え死にそうになっている明留の姿だった。(約18時間後)



名前 明留

能力 クリエイティブ

能力レベル ?

創造の能力で無機物をなんでも作り出すことが出来る。ただし、作り出したい場所に触れていなければいけない。


名前 石田

能力 スピードストーン

能力レベル 4

投げた石のところに瞬間移動する能力。ただし、投げた石が地面に落下しないと能力が発動しない。




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