6 / 6
王都の様子
しおりを挟む
王都ではまつりが開催されていた。
勇者が選ばれたことを祝うための祭りだ。その祭りは勇者が選ばれた日から返事の手紙が届いた次の日まで続けられる。
勇者になることを断られることが無いので祭りが途中で終わったことは無い。
「今度の勇者様の返事の手紙はいつ届くかしら」
「きっともうすぐだよ。じゃないと国王の出した期限に間に合わなくなってしまう」
「勇者様ってどんな人なの?」
「きっと今度も素晴らしい人よ。魔王を倒してこの世界を救ってくれるような」
城下町の住民たちは祭りを楽しみながら口々に勇者についての話を絶え間なくしている。
かつての勇者はこんな人だった。あの時の勇者は素晴らしかった。
歴代の勇者の話も持ち出し、今度はどんな素晴らしいお人だろうと考えを巡らせる。
そんな時に王城から速報が入った。
「おい!勇者様から返事が届いたらしいぞ!」
いち早く速報の内容を目にした青年がそう叫んだ。
城下町はより一層騒がしくなった。
「返事は?返事はどうだったって?もちろんなるんだよな?」
「ええと…。なる!勇者になるって!」
その言葉を聞いてワアっと歓声が上がった。
勇者が決まったことは国中に瞬く間に広まり、各地で規模の大小に差はあるが祭りが開かれ、勇者誕生が祝われた。
「国王様、勇者が決まったことが国民に広まりました」
豪奢な部屋で国王にそう伝えた初老の執事に国王は机の上で手を組み「そうか」と一言呟いた。
そうして立ち上がり机の後ろ側にある大きな窓に近づいて城下でお祭り騒ぎをしている国民を見下ろした。
「此度の勇者は今までの勇者たちとは違うといいのだが」
勇者が選ばれたことを祝うための祭りだ。その祭りは勇者が選ばれた日から返事の手紙が届いた次の日まで続けられる。
勇者になることを断られることが無いので祭りが途中で終わったことは無い。
「今度の勇者様の返事の手紙はいつ届くかしら」
「きっともうすぐだよ。じゃないと国王の出した期限に間に合わなくなってしまう」
「勇者様ってどんな人なの?」
「きっと今度も素晴らしい人よ。魔王を倒してこの世界を救ってくれるような」
城下町の住民たちは祭りを楽しみながら口々に勇者についての話を絶え間なくしている。
かつての勇者はこんな人だった。あの時の勇者は素晴らしかった。
歴代の勇者の話も持ち出し、今度はどんな素晴らしいお人だろうと考えを巡らせる。
そんな時に王城から速報が入った。
「おい!勇者様から返事が届いたらしいぞ!」
いち早く速報の内容を目にした青年がそう叫んだ。
城下町はより一層騒がしくなった。
「返事は?返事はどうだったって?もちろんなるんだよな?」
「ええと…。なる!勇者になるって!」
その言葉を聞いてワアっと歓声が上がった。
勇者が決まったことは国中に瞬く間に広まり、各地で規模の大小に差はあるが祭りが開かれ、勇者誕生が祝われた。
「国王様、勇者が決まったことが国民に広まりました」
豪奢な部屋で国王にそう伝えた初老の執事に国王は机の上で手を組み「そうか」と一言呟いた。
そうして立ち上がり机の後ろ側にある大きな窓に近づいて城下でお祭り騒ぎをしている国民を見下ろした。
「此度の勇者は今までの勇者たちとは違うといいのだが」
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
半神の守護者
ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。
超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。
〜概要〜
臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。
実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。
そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。
■注記
本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。
他サイトにも投稿中
こどくなシード 異世界転移者の帰還道
藤原 司
ファンタジー
目つきが悪く、口も悪いため高校では周りから誤解を受けやすい優月 輪(ゆうづき りん)。
いつもの学校からの帰り、リンは突如出現した穴に吸い込まれてしまう。
訳もわからないまま、吸い込まれた先の異世界で自分と同じ顔の聖剣の英雄と間違えられてしまい──?
目的は聖剣に魔王討伐。
苦難や葛藤、そして様々な経験をしながら、リンは元の世界への帰還を目指す。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される
日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。
そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。
HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!
ゲームのキャラクターに転生しました!!さぁ!!未来を変えよう!!
如月花恋
ファンタジー
私ユウニャ・エルシェン・ギルバート
一応これでも王女なのよ?
…ちょっと他の子と違うだけよ
ドレスよりも庶民の着る服が好きだったり…お茶会よりも1人でいる方が好きだったり…
だって仕方ないじゃない!!
私には日本人としての記憶があるんだもの!!
こんな異世界の贅を尽くした王族生活なんて出来るわけがないわ!!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる