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異世界召喚?

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 春眠暁を覚えずとはよく言ったものだ。春の夜は短く眠り心地がいいから朝が来たことにも気付かずつい寝過ごしてしまう。……ちなみに遅刻はしていない。セーフだ、セーフ。
 すべての授業が終わり、ホームルームでの担任の話はまるで子守唄。
 入学式からまだ一週間、このぽかぽかとした陽気にうとうとしているのは俺、入谷いりや あきらだけではない。多分。
 きっとこの眠気は昨日ゲームをし過ぎたからでも無い。多分。
 春の夜が短いからだ。きっと。

 うとうとしていると聞き慣れない耳障りな、まるで何かが起動するような重低音が聞こえ、見なれないラインが地をうねりながら這うように教室の床全体に広がりだす。

(……やべ。寝不足で幻覚見えてきた)

 幻覚なのに身体に伝わる鳥肌ものの……どちらかと言えば禍々しい感覚。今流行りのVRMMO RPGでのボス戦にあるような肌を粟立たせる緊張感が辺りを覆う。
 クラスメイトはざわめき一部から悲鳴が聞こえ、教室から出ようとするものが遮る光の壁を叩く。

(……って、光が叩けるって壁?パントマイムじゃないよな)

 そんな事を悠長に考えていると、輝きを増した担任や俺を含む三十三名のクラスメイトが光の渦に一瞬にして飲み込まれた。










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