27 / 65
第三章 ブランジェさん家
004 二段ベッドの上と下
しおりを挟む
ヒスイは二段ベッドの下で寝ている。それはさっきと変わらないのだが、今は上のベッドにルーシャがいた。
「ヒスイ。こっちの部屋には、いないわよね。いないわよね!?」
「はい。今はいませんよ」
「今は、って何よ!? 火狼の時みたいに、お話しして追い払うことはできないの?」
「さぁ。会話したことはないので」
「そ、そうよね。アレと仲良く会話するヒスイを見たら、……ヒスイのこと、嫌いになっちゃうかも」
「えっ……」
「おやすみなさい。ああ、やっぱり眠れない」
「ルーシャ。壁や窓の隙間に魔法をかけました。奴等が通る道はありません。安心して眠ってください」
「本当に!? ありがとう。ヒスイ。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
言葉を返すと、すぐに上の段から寝息が聞こえた。
ルーシャは寝つきが良い。さっきまで黒い小さな虫一匹で騒いでいたとは思えないほどに静かになった。
ルーシャの悲鳴が聞こえて部屋に駆けつけると、窓枠の隙間へ消え行く昆虫が見えた。ルーシャはというと、ベッドの上で縮こまり半泣き状態だった。
ルーシャはその虫が大の苦手だそうだ。昔は平気で虫を捕まえていたような気がしたが、室内に出るアレだけはどうしても無理だと言う。
また出るかもしれないと怯えたルーシャは、この部屋では眠れないと言い、ベッドが二つあるヒスイの部屋で寝ることになったのだ。
今まで一人で過ごすことが多かったヒスイだが、当分ゆっくり一人の時間など来なさそうだ。
「こうしてずっと、そばで見守っていれば良かった……」
そうしていたら、ルーシャの色々な表情を間近で見てこれたのに。
でも、そうしなかったのは自分で、あの時あいつを疑ってしまった自分が全ていけなかったのだ。
ヒスイは重い頭を手で覆い、深く息を吐いた。
さっき魔法を使っただけで、疲労感が酷い。
守護竜の暴走を止めた反動で、ヒスイの身体は酷く衰弱していた。
しばらく大人しくしておけば回復するだろうが、本調子を取り戻すには数ヵ月かかるだろう。
本来ならそんな時間、ボーっとしていればすぐ過ぎてしまうのに、ルーシャと過ごすと一日が充実していて長く、そして短くも感じる。
一年など、きっとあっという間に過ぎてしまうだろう。
一年後には──。
「ルーシャは、守護竜の花嫁になるんだ。それまで僕が、守らないと……」
◇◇◇◇
ルーシャはパンの香ばしい薫りに誘われて目を覚ました。
まだ外は暗い。こんな朝早くから、ロイはパンを焼いているのだ。
ベッドから身を乗りだし、下段を覗き込むと、ヒスイがぐっすりと眠っていた。枕を抱きしめ気持ち良さそうだ。
「あらあら。ヒスイはやっぱりお寝坊さんなのね。私は着替えてロイさんのお手伝いをしましょう」
ルーシャはベッドから降り廊下へ出ると、部屋の前に折り畳まれた真新しい服が置かれていた。
「あら。これは……制服だわ! あ、私の分もある」
ルーシャの部屋の前にも制服が置かれていた。
白いブラウスに、茶色いチェックのフレアスカートだ。それに、えんじ色のエプロンもある。
ヒスイの制服も同じ色合いだ。
「可愛い。さっそく着替えて──」
ルーシャはドアノブを握ると、急に昨夜の事を思い出した。
アレは夜行性だと聞いたことがある。
今は早朝だが、外はまだ暗い。
アレの活動時間無いかもしれない。
「ここは危険だわ」
ルーシャは踵を返し、隣の部屋へと足を進めた。
◇◇◇◇
女の子の歌が聞こえる。多分ルーシャだ。
まだ部屋は薄暗いのに、歌声が響く度に目の前の世界が明るく彩られていくようだ。
こういう目覚めも良いものだと思いながら、ヒスイは体を起こそうとした。
「ルーシャ……」
「きゃっ。ちょっと待って。そのまま動かないでね」
ルーシャの悲鳴が聞こえると同時に、視界が白い布で覆われた。ヒスイは言われた通りそのまま待つことにした。
「ヒスイ。もういいわよ」
ルーシャの了承を得て布を下ろすと、すぐ目の前にルーシャの顔があった。朝からご機嫌なルーシャは、くるりと一回りしてスカートの裾をつまみ、ヒスイに笑顔を向ける。
「見てみて。部屋の前に制服が置いてあったの。ヒスイの分もあるのよ」
「似合ってますよ。もしかして、ここで着替えてましたか?」
「へっ!? えっと……。まだ暗いから、アレが部屋にいるかもしれないでしょ。隣の部屋には戻れなくて……」
「成る程。でも、僕が寝てるからって、ここで着替えは止めてください。僕だって一応、男なんですから……。って何見てるんですか?」
ルーシャは目を細めてヒスイをじっと疑り深く見つめている。しかし、何に疑問を抱いているのかヒスイには検討も付かなかった。
「ねえ。ヒスイって本当に男の子なの? ヒスイと一緒にいると安心するの。警戒しなくていいっていうか……。あ、水竜から人に変身しているのでしょう? 女の子になれたりしないの?」
「そ、そんなの無理に決まってるでしょう!?」
「そうなのかぁ。残念。ヒスイが女の子だったら、二人でこのお部屋で寝泊まりして、お揃いの制服を着てロイさん達のお手伝いが出来るのになぁ」
男物の制服を広げて、ルーシャは残念そうに自分の制服と見比べている。
「今から急に僕が女性になったら、ロイさん達だって驚きますよ。それに、そんなこと出来ませんから、夢みたいなこと言ってないで部屋から出ていってください。僕も着替えますから」
「そうね……」
頷いたものの動こうとしにいルーシャ。
外はもうすぐ太陽が顔を出しそうだが、アレは普通に昼間だって活動するはずだ。ルーシャは勘違いしていそうなので、絶対に言わないけれど。
「ルーシャの部屋にも、アレが出入りできそうな隙間を埋める魔法をかけますから。さっさと戻ってください」
「本当に!? ヒスイありがとう。着替えたら声をかけてね。一緒にお店に行きましょう」
「はい」
ルーシャは笑顔を振りまき部屋を飛び出していった。
「ヒスイ。こっちの部屋には、いないわよね。いないわよね!?」
「はい。今はいませんよ」
「今は、って何よ!? 火狼の時みたいに、お話しして追い払うことはできないの?」
「さぁ。会話したことはないので」
「そ、そうよね。アレと仲良く会話するヒスイを見たら、……ヒスイのこと、嫌いになっちゃうかも」
「えっ……」
「おやすみなさい。ああ、やっぱり眠れない」
「ルーシャ。壁や窓の隙間に魔法をかけました。奴等が通る道はありません。安心して眠ってください」
「本当に!? ありがとう。ヒスイ。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
言葉を返すと、すぐに上の段から寝息が聞こえた。
ルーシャは寝つきが良い。さっきまで黒い小さな虫一匹で騒いでいたとは思えないほどに静かになった。
ルーシャの悲鳴が聞こえて部屋に駆けつけると、窓枠の隙間へ消え行く昆虫が見えた。ルーシャはというと、ベッドの上で縮こまり半泣き状態だった。
ルーシャはその虫が大の苦手だそうだ。昔は平気で虫を捕まえていたような気がしたが、室内に出るアレだけはどうしても無理だと言う。
また出るかもしれないと怯えたルーシャは、この部屋では眠れないと言い、ベッドが二つあるヒスイの部屋で寝ることになったのだ。
今まで一人で過ごすことが多かったヒスイだが、当分ゆっくり一人の時間など来なさそうだ。
「こうしてずっと、そばで見守っていれば良かった……」
そうしていたら、ルーシャの色々な表情を間近で見てこれたのに。
でも、そうしなかったのは自分で、あの時あいつを疑ってしまった自分が全ていけなかったのだ。
ヒスイは重い頭を手で覆い、深く息を吐いた。
さっき魔法を使っただけで、疲労感が酷い。
守護竜の暴走を止めた反動で、ヒスイの身体は酷く衰弱していた。
しばらく大人しくしておけば回復するだろうが、本調子を取り戻すには数ヵ月かかるだろう。
本来ならそんな時間、ボーっとしていればすぐ過ぎてしまうのに、ルーシャと過ごすと一日が充実していて長く、そして短くも感じる。
一年など、きっとあっという間に過ぎてしまうだろう。
一年後には──。
「ルーシャは、守護竜の花嫁になるんだ。それまで僕が、守らないと……」
◇◇◇◇
ルーシャはパンの香ばしい薫りに誘われて目を覚ました。
まだ外は暗い。こんな朝早くから、ロイはパンを焼いているのだ。
ベッドから身を乗りだし、下段を覗き込むと、ヒスイがぐっすりと眠っていた。枕を抱きしめ気持ち良さそうだ。
「あらあら。ヒスイはやっぱりお寝坊さんなのね。私は着替えてロイさんのお手伝いをしましょう」
ルーシャはベッドから降り廊下へ出ると、部屋の前に折り畳まれた真新しい服が置かれていた。
「あら。これは……制服だわ! あ、私の分もある」
ルーシャの部屋の前にも制服が置かれていた。
白いブラウスに、茶色いチェックのフレアスカートだ。それに、えんじ色のエプロンもある。
ヒスイの制服も同じ色合いだ。
「可愛い。さっそく着替えて──」
ルーシャはドアノブを握ると、急に昨夜の事を思い出した。
アレは夜行性だと聞いたことがある。
今は早朝だが、外はまだ暗い。
アレの活動時間無いかもしれない。
「ここは危険だわ」
ルーシャは踵を返し、隣の部屋へと足を進めた。
◇◇◇◇
女の子の歌が聞こえる。多分ルーシャだ。
まだ部屋は薄暗いのに、歌声が響く度に目の前の世界が明るく彩られていくようだ。
こういう目覚めも良いものだと思いながら、ヒスイは体を起こそうとした。
「ルーシャ……」
「きゃっ。ちょっと待って。そのまま動かないでね」
ルーシャの悲鳴が聞こえると同時に、視界が白い布で覆われた。ヒスイは言われた通りそのまま待つことにした。
「ヒスイ。もういいわよ」
ルーシャの了承を得て布を下ろすと、すぐ目の前にルーシャの顔があった。朝からご機嫌なルーシャは、くるりと一回りしてスカートの裾をつまみ、ヒスイに笑顔を向ける。
「見てみて。部屋の前に制服が置いてあったの。ヒスイの分もあるのよ」
「似合ってますよ。もしかして、ここで着替えてましたか?」
「へっ!? えっと……。まだ暗いから、アレが部屋にいるかもしれないでしょ。隣の部屋には戻れなくて……」
「成る程。でも、僕が寝てるからって、ここで着替えは止めてください。僕だって一応、男なんですから……。って何見てるんですか?」
ルーシャは目を細めてヒスイをじっと疑り深く見つめている。しかし、何に疑問を抱いているのかヒスイには検討も付かなかった。
「ねえ。ヒスイって本当に男の子なの? ヒスイと一緒にいると安心するの。警戒しなくていいっていうか……。あ、水竜から人に変身しているのでしょう? 女の子になれたりしないの?」
「そ、そんなの無理に決まってるでしょう!?」
「そうなのかぁ。残念。ヒスイが女の子だったら、二人でこのお部屋で寝泊まりして、お揃いの制服を着てロイさん達のお手伝いが出来るのになぁ」
男物の制服を広げて、ルーシャは残念そうに自分の制服と見比べている。
「今から急に僕が女性になったら、ロイさん達だって驚きますよ。それに、そんなこと出来ませんから、夢みたいなこと言ってないで部屋から出ていってください。僕も着替えますから」
「そうね……」
頷いたものの動こうとしにいルーシャ。
外はもうすぐ太陽が顔を出しそうだが、アレは普通に昼間だって活動するはずだ。ルーシャは勘違いしていそうなので、絶対に言わないけれど。
「ルーシャの部屋にも、アレが出入りできそうな隙間を埋める魔法をかけますから。さっさと戻ってください」
「本当に!? ヒスイありがとう。着替えたら声をかけてね。一緒にお店に行きましょう」
「はい」
ルーシャは笑顔を振りまき部屋を飛び出していった。
0
お気に入りに追加
393
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる