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第八章 終焉と死に戻りの秘密
009 遺された人々
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クリスはリリアーヌの肩を抱き寄せ、エドワールに微笑みかける。
「エドワール様。僕をそいつ呼ばわりとは、失礼ではないですか?」
「ならば答えよ。その血は誰の血だ?」
「はははっ。これは……えっと、どっちかな?」
クリスに尋ねられ、リリアーヌは思考が止まった。
クリスの血ではない?
どっちとは誰と誰なのか?
「く、クリス様。どちらとは……何を?」
「それはもちろん。アルベリクか、セシルか、どちらの血かなって事だよ。――ああ。そうか。両方だなきっと! 仲良く草の上で寝てると思うよ。はははははっ」
リリアーヌは全身に寒気を感じ、放心状態のままその場に力無くしゃがみ込んだ。
リリアーヌに構う様子も見せずに嗤い続けるクリスを、エドワールは睨み付け、クリスまで一瞬で距離を詰めると、己の拳でクリスを殴り飛ばした。
「爺や。そいつを捕えておけっ!」
「いったぁ……。おい。僕は――」
「お前はただの罪人だ」
エドワールに睨まれ、爺やに身体を押さえつけられても、クリスは不適な笑みを浮かべていた。
「ははは。何言ってるの? この国は僕の物。この国の人間だって僕の物。いらないものを壊すのも捨てるのも僕の自由だろ?」
「とても残念なお人だ。いや。お前は人などではない。この国の英雄と、奇跡の力を宿した聖女を害した罪。必ず貴様に償ってもらう」
エドワールの鋭い目付きから逃れるように、クリスはリリアーヌに視線を伸ばした。
「そんなこと出来ると思ってるの? ねえ。リリアーヌ。君は僕の全てを受け入れてくれるんだよね。君なら分かってくれるよね。僕にその罪を求めるなら、君との結婚も無くなってしまうよ。死んだ奴らのことより、これからの事に目を向けようよ」
「し、死んだ? ……様。――ません」
「え?」
「弟を傷付けた男と、結婚なんて出来ません!!」
リリアーヌは涙ながらにクリスを拒絶した。
アルベリクの生死は定かではない。
きっと生きている。でも、もし本当に――。
だとしたら、人殺しの妻になんかなりたくない。
クリスは目を丸くして驚いていた。
まさかこの女も、自分を裏切るのか、と。
「何それ? 今さらいい子ぶってももう遅いよ。アルベリクほどの剣の使い手を、なんで簡単に殺せたと思うの? リリアーヌがアルベリクに毒を盛ったからでしょ?」
「リリア……」
エドワールの視線がリリアーヌに突き刺さる。
アルベリクが死んだのは自分のせい。
そんな事信じられなかった。
「いや。私はそんな事……いやっ。いやぁぁぁぁっ――」
リリアーヌの叫び声はエドワールの手によって止められた。
リリアーヌは赤く腫れた頬を震える手で押さえた。
「爺や。そいつを監禁しておけ。ミリア、リリアーヌも同じく鍵をかけて閉じ込めておけ。処遇は後で出す」
クリスが何か叫んでいたが、エドワールはそれを全て無視して、西館へと足を向けた。ことの顛末を己の目で確認するために。
◇◇
西館の庭でメアリとレクトが肩を寄せ合って泣いていた。
エドワールはその背中を見て理解した。
クリスの妄言ではなかったことを。
「婆や。アルは?」
「え、エドワール様っ」
エドワールは地面に倒れたアルベリクへ歩み寄る。
そして、互いを求め合うかの様に手を繋いで地面に倒れたアルベリクとセシルを見下ろした。
古い木箱、青い薔薇……いつの間に揃えたのだろう。
「アルは最期に何か言ってた?」
エドワールの問いに、レクトが泣きながら答えた。
「アル様を殺したのは……クリストファ王子だって。エドワール様に頼んで断罪してくれって……」
「全く。……アルには、父の様になって欲しくなかったのに。婆や。アルは蘇生術を使ったのか?」
「詳しいことは分かりませんが……。アル様はご自身がどうなるのか、分かっていらしたのだと思います」
エドワールは父の残した本とセシルを見た。
「そうか。奇跡の力。癒しの聖女。きっと彼女の魔法は時を操る魔法なのだろう。その聖女に蘇生術を行い、アルは……また戻ったのだろうか」
「え、エドワール様も、何をおっしゃっているのですか?」
泣きながら困惑するレクトとは対照的に、エドワールとメアリは落ち着いていた。
「レクトは気づかなかったのか? この娘を連れてきた日から、アルは急に変わったじゃないか」
「え……でも。だから何なのでしょうか?」
メアリはレクトの肩にそっと手を置き、言葉を綴る。
「アル様は、何らかの魔術で時間を巻き戻したのではないでしょうか」
「婆やと同意見だ。アルはいつも少し先の世を見ていた。北の争乱がいつ起きるかも分かっていたようだった。それに、なんというか……気配が変わった」
「私もそう思います」
「でも、じゃあ、セシルはどうなったんですか? 蘇生術で生き返りもせず、セシルは!?」
「きっと、セシルの所にはアル様が迎えに行ったのでしょう。こんな終わりを迎えさせないために」
「そんな。やっぱり、俺、分からないです。これで良かったのか……」
泣き続けるレクトに、エドワールは励ますように声をかけた。
「きっとアルなら、今度こそ上手くやるよ。信じよう。私たちが出来ることは、アルがどこかでこの娘とまた巡り合えることを祈るだけ……。それから、アルの願い通り、クリストファ王子に罪を償わさせることだ」
「エドワール様。ディルク様と、オリヴィア様もお力を貸してくださると思います」
「そうだな……」
エドワールはそう言って庭を見渡した。
花壇には緑が溢れ、温室へ続く小さなアーチには青い薔薇の花が咲き誇っていた。
「ここの庭は、こんなに美しい庭だったか?」
「はい。セシルが手入れをしてくれたのです。エドワール様がご覧になったら、嫌がるのではないかと、アル様は漏らしていらっしゃいましたよ」
「私をそんな冷たい人間だと思っていたのか? 心外だな……アル」
エドワールはアルベリクの横にしゃがみ、髪を撫でた。
動かなくなった弟に触れたら、急に胸が苦しくなった。
「婆や。こういう時は泣いてもいいのか?」
「はい。よいと思います」
「そうか、そうだな……」
エドワールは顔を伏せ、弟の死に涙を流した。
「エドワール様。僕をそいつ呼ばわりとは、失礼ではないですか?」
「ならば答えよ。その血は誰の血だ?」
「はははっ。これは……えっと、どっちかな?」
クリスに尋ねられ、リリアーヌは思考が止まった。
クリスの血ではない?
どっちとは誰と誰なのか?
「く、クリス様。どちらとは……何を?」
「それはもちろん。アルベリクか、セシルか、どちらの血かなって事だよ。――ああ。そうか。両方だなきっと! 仲良く草の上で寝てると思うよ。はははははっ」
リリアーヌは全身に寒気を感じ、放心状態のままその場に力無くしゃがみ込んだ。
リリアーヌに構う様子も見せずに嗤い続けるクリスを、エドワールは睨み付け、クリスまで一瞬で距離を詰めると、己の拳でクリスを殴り飛ばした。
「爺や。そいつを捕えておけっ!」
「いったぁ……。おい。僕は――」
「お前はただの罪人だ」
エドワールに睨まれ、爺やに身体を押さえつけられても、クリスは不適な笑みを浮かべていた。
「ははは。何言ってるの? この国は僕の物。この国の人間だって僕の物。いらないものを壊すのも捨てるのも僕の自由だろ?」
「とても残念なお人だ。いや。お前は人などではない。この国の英雄と、奇跡の力を宿した聖女を害した罪。必ず貴様に償ってもらう」
エドワールの鋭い目付きから逃れるように、クリスはリリアーヌに視線を伸ばした。
「そんなこと出来ると思ってるの? ねえ。リリアーヌ。君は僕の全てを受け入れてくれるんだよね。君なら分かってくれるよね。僕にその罪を求めるなら、君との結婚も無くなってしまうよ。死んだ奴らのことより、これからの事に目を向けようよ」
「し、死んだ? ……様。――ません」
「え?」
「弟を傷付けた男と、結婚なんて出来ません!!」
リリアーヌは涙ながらにクリスを拒絶した。
アルベリクの生死は定かではない。
きっと生きている。でも、もし本当に――。
だとしたら、人殺しの妻になんかなりたくない。
クリスは目を丸くして驚いていた。
まさかこの女も、自分を裏切るのか、と。
「何それ? 今さらいい子ぶってももう遅いよ。アルベリクほどの剣の使い手を、なんで簡単に殺せたと思うの? リリアーヌがアルベリクに毒を盛ったからでしょ?」
「リリア……」
エドワールの視線がリリアーヌに突き刺さる。
アルベリクが死んだのは自分のせい。
そんな事信じられなかった。
「いや。私はそんな事……いやっ。いやぁぁぁぁっ――」
リリアーヌの叫び声はエドワールの手によって止められた。
リリアーヌは赤く腫れた頬を震える手で押さえた。
「爺や。そいつを監禁しておけ。ミリア、リリアーヌも同じく鍵をかけて閉じ込めておけ。処遇は後で出す」
クリスが何か叫んでいたが、エドワールはそれを全て無視して、西館へと足を向けた。ことの顛末を己の目で確認するために。
◇◇
西館の庭でメアリとレクトが肩を寄せ合って泣いていた。
エドワールはその背中を見て理解した。
クリスの妄言ではなかったことを。
「婆や。アルは?」
「え、エドワール様っ」
エドワールは地面に倒れたアルベリクへ歩み寄る。
そして、互いを求め合うかの様に手を繋いで地面に倒れたアルベリクとセシルを見下ろした。
古い木箱、青い薔薇……いつの間に揃えたのだろう。
「アルは最期に何か言ってた?」
エドワールの問いに、レクトが泣きながら答えた。
「アル様を殺したのは……クリストファ王子だって。エドワール様に頼んで断罪してくれって……」
「全く。……アルには、父の様になって欲しくなかったのに。婆や。アルは蘇生術を使ったのか?」
「詳しいことは分かりませんが……。アル様はご自身がどうなるのか、分かっていらしたのだと思います」
エドワールは父の残した本とセシルを見た。
「そうか。奇跡の力。癒しの聖女。きっと彼女の魔法は時を操る魔法なのだろう。その聖女に蘇生術を行い、アルは……また戻ったのだろうか」
「え、エドワール様も、何をおっしゃっているのですか?」
泣きながら困惑するレクトとは対照的に、エドワールとメアリは落ち着いていた。
「レクトは気づかなかったのか? この娘を連れてきた日から、アルは急に変わったじゃないか」
「え……でも。だから何なのでしょうか?」
メアリはレクトの肩にそっと手を置き、言葉を綴る。
「アル様は、何らかの魔術で時間を巻き戻したのではないでしょうか」
「婆やと同意見だ。アルはいつも少し先の世を見ていた。北の争乱がいつ起きるかも分かっていたようだった。それに、なんというか……気配が変わった」
「私もそう思います」
「でも、じゃあ、セシルはどうなったんですか? 蘇生術で生き返りもせず、セシルは!?」
「きっと、セシルの所にはアル様が迎えに行ったのでしょう。こんな終わりを迎えさせないために」
「そんな。やっぱり、俺、分からないです。これで良かったのか……」
泣き続けるレクトに、エドワールは励ますように声をかけた。
「きっとアルなら、今度こそ上手くやるよ。信じよう。私たちが出来ることは、アルがどこかでこの娘とまた巡り合えることを祈るだけ……。それから、アルの願い通り、クリストファ王子に罪を償わさせることだ」
「エドワール様。ディルク様と、オリヴィア様もお力を貸してくださると思います」
「そうだな……」
エドワールはそう言って庭を見渡した。
花壇には緑が溢れ、温室へ続く小さなアーチには青い薔薇の花が咲き誇っていた。
「ここの庭は、こんなに美しい庭だったか?」
「はい。セシルが手入れをしてくれたのです。エドワール様がご覧になったら、嫌がるのではないかと、アル様は漏らしていらっしゃいましたよ」
「私をそんな冷たい人間だと思っていたのか? 心外だな……アル」
エドワールはアルベリクの横にしゃがみ、髪を撫でた。
動かなくなった弟に触れたら、急に胸が苦しくなった。
「婆や。こういう時は泣いてもいいのか?」
「はい。よいと思います」
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