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第1部
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舞踏会の顛末をクラブ活動中にケイトに話していると、「やあ」と見知らぬ男性がやってきた。
「ウイリアム様よ」
とこそっとケイトが囁く。
ああ、この方が。
ウイリアム様は薄い赤髪で琥珀色の目をした、優しそうな男性だった。
「アイシャ、私、ウイリアム様とおつきあいする事になったのよ」
ニコニコとケイトがウイリアム様と腕を組む。
えっ!もう?というのが私の率直な感想。
展開が早いわね……。
「よろしく。アイシャ。
皆が噂してる通り、近くで見ると本当に美しいね。
僕の赤毛と違くて、濃い赤い髪が凄く良いね、羨ましいよ」
何だか凄く褒められて照れてしまう。
ケイトが
「ウイリアム、私の前で他の女性を褒めないでちょうだい」
と拗ねるのが可愛くて、そしてウイリアム様がケイトを宥めるのが微笑ましくて、恋愛しているケイトが少し羨ましくなってしまった。
クラブの後帰途に着いて制服から着替えると間もなく夕食の時間だ。
今日のメインはクリーミーチキンのタルト、我が家の定番メニューだ。
家族五人でテーブルにつき家族で神に感謝をし、お父様の「さあ、食べよう」を合図に食事を始める。
舞の世界のように「いただきます」「ご馳走様」があるといいと思って提案したのだけど採用されなかった。
やはり違和感があるらしい。
私は食べながら、早速ウォシュレットの魔鉱石での作成についてお父様に進言してみた。
やっぱりお父様も興味津々、完成したらまず我が家で試用してみようとなった。
私は完成したら本当にトイレライフが快適になるわ、とワクワクしたが、モナハンが
「ちょっと、姉様、食事中にする話じゃないでしょ」と琥珀色の目を細めて睨んでくる。
それもそうだった、と思い私は急いで謝ったのだった。
食事を終え自室に戻ると、通信機が振動している。
誰かから通信が来たようだ。
見るとイーサン様の名前が出ていた。
「…アイシャ殿、イーサンだ。今良いだろうか」イーサン様、本当に連絡してくれたのね。
「大丈夫です。イーサン様、こんばんは」
「あぁ、……もう食事は済んだかな?」
「はい」
「…そうか、アイシャ殿、なかなか連絡出来なくてすまなかった」
「いえ、こちらこそ…、イーサン様、私の事は良かったら呼び捨てで呼んでください。
もっと砕けていただいても嬉しいです」
「いや、友人の妹とはいえ、侯爵家のアイシャ殿に、子爵の私が呼び捨てにするわけにはいかない。
本当はもっと敬語を使うべきなのに…」
「侯爵の肩書は、お父様のものですから娘の私は別に考えて欲しいです。
どうぞ、アイシャと呼んでください」
「…分かった。では…アイシャ?」
「はい!」私はお兄様が増えたようで嬉しかった。
その後世間話をポツポツと話して、今度は、遠乗りに行こう、お兄様が忙しければ2人で、と言われ、是非!とお願いした。
楽しみだわ。
「ウイリアム様よ」
とこそっとケイトが囁く。
ああ、この方が。
ウイリアム様は薄い赤髪で琥珀色の目をした、優しそうな男性だった。
「アイシャ、私、ウイリアム様とおつきあいする事になったのよ」
ニコニコとケイトがウイリアム様と腕を組む。
えっ!もう?というのが私の率直な感想。
展開が早いわね……。
「よろしく。アイシャ。
皆が噂してる通り、近くで見ると本当に美しいね。
僕の赤毛と違くて、濃い赤い髪が凄く良いね、羨ましいよ」
何だか凄く褒められて照れてしまう。
ケイトが
「ウイリアム、私の前で他の女性を褒めないでちょうだい」
と拗ねるのが可愛くて、そしてウイリアム様がケイトを宥めるのが微笑ましくて、恋愛しているケイトが少し羨ましくなってしまった。
クラブの後帰途に着いて制服から着替えると間もなく夕食の時間だ。
今日のメインはクリーミーチキンのタルト、我が家の定番メニューだ。
家族五人でテーブルにつき家族で神に感謝をし、お父様の「さあ、食べよう」を合図に食事を始める。
舞の世界のように「いただきます」「ご馳走様」があるといいと思って提案したのだけど採用されなかった。
やはり違和感があるらしい。
私は食べながら、早速ウォシュレットの魔鉱石での作成についてお父様に進言してみた。
やっぱりお父様も興味津々、完成したらまず我が家で試用してみようとなった。
私は完成したら本当にトイレライフが快適になるわ、とワクワクしたが、モナハンが
「ちょっと、姉様、食事中にする話じゃないでしょ」と琥珀色の目を細めて睨んでくる。
それもそうだった、と思い私は急いで謝ったのだった。
食事を終え自室に戻ると、通信機が振動している。
誰かから通信が来たようだ。
見るとイーサン様の名前が出ていた。
「…アイシャ殿、イーサンだ。今良いだろうか」イーサン様、本当に連絡してくれたのね。
「大丈夫です。イーサン様、こんばんは」
「あぁ、……もう食事は済んだかな?」
「はい」
「…そうか、アイシャ殿、なかなか連絡出来なくてすまなかった」
「いえ、こちらこそ…、イーサン様、私の事は良かったら呼び捨てで呼んでください。
もっと砕けていただいても嬉しいです」
「いや、友人の妹とはいえ、侯爵家のアイシャ殿に、子爵の私が呼び捨てにするわけにはいかない。
本当はもっと敬語を使うべきなのに…」
「侯爵の肩書は、お父様のものですから娘の私は別に考えて欲しいです。
どうぞ、アイシャと呼んでください」
「…分かった。では…アイシャ?」
「はい!」私はお兄様が増えたようで嬉しかった。
その後世間話をポツポツと話して、今度は、遠乗りに行こう、お兄様が忙しければ2人で、と言われ、是非!とお願いした。
楽しみだわ。
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