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第1部
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初めての舞踏会も終わり2月になった。
クラブ活動も本格的に始まり、私は吹奏楽クラブもケイトと一緒で、担当楽器は私はサックス、ケイトはチューバになった。
2人とも初心者だから先輩方のおすすめにしてみたけど、ちゃんと吹けるか心配。
週末は、キースに誘われて、カフェの期間限定のタルトタタンが美味しいと評判だったのでへ行ってみることにした。
ケイトも誘ったけど用事があるらしい。
りんごがたっぷりで美味しい!
家族へのお土産にしよう、レシピも聞いてみたいわ。
「この世界のスイーツも美味しいけど、マイの世界のダイフクとか食べてみたいな」
「ダイフク?聞いたことないなあ」
「多分、米をつぶして柔らかくしたもの、オモチっていう中にアンコっていう甘いものが入っててすごく美味しいらしくて、マイが食べたがっていたわ!」
「へぇ!想像ができない」
その後お洒落な髪を束ねるものが欲しくて雑貨屋へ。
シンプルだがレースを贅沢にあしらったシュシュを見つけて買うことにした。
今度乗馬につけていこうっと。
キースが、是非シュシュをプレゼントしたいと言うけど何故かしら。
いつもそんな事言わないのに。
今日の記念なんて、そんなのいいのに。
私はお返しにキースへハンカチをプレゼント。
キースは顔を赤くして喜んでいる。
ふふ、プレゼント交換が嬉しかったのかな?
そして週が明けて、クラブのない日の放課後、ケイトの家に遊びに行くことになった。
キースも誘ってケイトの部屋で三人でお茶を飲む。
ヤーン様のその後を聞いてみると、ケイトの父親から苦情を受けたヤーンの父は、その他にもいろいろあったのかもしれないけど、ヤーンを転校させることにしたらしい。
平民の学園へと。
三男のヤーンは子爵の事業はさせず、その下請けの業務を担当させるため手に職をつけさせるという。
相手の女の子も同じ学園らしいし、それはそれで幸せなんじゃないかな、と思った。
帰途に着くと、お兄様がやってきて今度の休みに狩猟に行かないかと誘われた。
最近アグネス様とお泊まりに行ったりして私は余り一緒に遊んだりできなかったから嬉しい。
もちろんOK、楽しみだわ。
そして休みになり、私は乗馬用の白のパンツに黒のブーツ、白のタートルネックに赤のジャケットに着替えた。
そこへ赤い狩猟服を着たお兄様と、イーサン様がやってくる。あら?
「イーサン様、おはようございます」
「…ああ、おはよう」
「今日はイーサンも一緒だ。
良いだろう、アイシャ?」
「もちろん!よろしくお願いします、イーサン様」
「っ…こちらこそ、よろしく」
そこからそれぞれの愛馬で狩猟場へと向かう。
私の愛馬のイクラ、これは舞の記憶で、きれいで美味しそうだなぁと思って覚えててつけた食べ物の名前。
「イクラ!出発よ~」
休憩をはさみ、1時間ほど気持ちよく走り狩猟場に着いた。
予約制で入場し、狩れる数も上限が決められている。
狩りは20歳からなので、私は2人の狩を見学させてもらう。
片方がキジの隠れている場所で手を叩くと、キジが外へと出てくる。
そこをもう片方が弓で撃ち落としていく。
凄い!迫力ね。
狩りの合間に、メリーが用意してくれたランチボックスで休憩をとる。
食後、私はデザートを用意していた。
「イーサン様、タルトタタン好きですか?」
「…ああ」
「こないだ美味しいタルトタタンをお店で食べて、レシピを聞いて私も作ってみたんです。
よかったらどうぞ」
「アイシャ殿が作ったのか?」
イーサン様は驚いた様子でタルトタタンを見て、1ピースとったかと思うと全部口に入れてしまった。
一口で?!イーサン様は、
「…凄く美味しい。
アイシャ殿、こんな美味しいものを作れるとは、素晴らしいな」
そう言いながら次のピースもパクリ。
お兄様が「こいつは甘党なんだ」と呆れ顔。
先ほどまであれほど精悍な顔で弓を引いていたのに、今は目を丸くして、もぐもぐしている姿が可愛くて、私はお茶を用意しながら思わず微笑んでしまった。
そこでお兄様が、
「アイシャ、俺はその…アグネスとこれから過ごすことも多いしお父様の仕事も一緒にやっていくことも増えて、なかなかイーサンと出かけられなくてな。
もし遠乗りなど行くことがあれば、イーサンも連れて行ってくれ。
こいつは俺しか友かいないから」
「オリバー!!」
イーサン様がオリバーの口を隠そうと2人はもつれ転がる。
私はおかしくて笑いながら、
「アハっ、もちろん、イーサン様と一緒なら頼もしいわ。
こちらこそ、お願いします」と答えた。
クラブ活動も本格的に始まり、私は吹奏楽クラブもケイトと一緒で、担当楽器は私はサックス、ケイトはチューバになった。
2人とも初心者だから先輩方のおすすめにしてみたけど、ちゃんと吹けるか心配。
週末は、キースに誘われて、カフェの期間限定のタルトタタンが美味しいと評判だったのでへ行ってみることにした。
ケイトも誘ったけど用事があるらしい。
りんごがたっぷりで美味しい!
家族へのお土産にしよう、レシピも聞いてみたいわ。
「この世界のスイーツも美味しいけど、マイの世界のダイフクとか食べてみたいな」
「ダイフク?聞いたことないなあ」
「多分、米をつぶして柔らかくしたもの、オモチっていう中にアンコっていう甘いものが入っててすごく美味しいらしくて、マイが食べたがっていたわ!」
「へぇ!想像ができない」
その後お洒落な髪を束ねるものが欲しくて雑貨屋へ。
シンプルだがレースを贅沢にあしらったシュシュを見つけて買うことにした。
今度乗馬につけていこうっと。
キースが、是非シュシュをプレゼントしたいと言うけど何故かしら。
いつもそんな事言わないのに。
今日の記念なんて、そんなのいいのに。
私はお返しにキースへハンカチをプレゼント。
キースは顔を赤くして喜んでいる。
ふふ、プレゼント交換が嬉しかったのかな?
そして週が明けて、クラブのない日の放課後、ケイトの家に遊びに行くことになった。
キースも誘ってケイトの部屋で三人でお茶を飲む。
ヤーン様のその後を聞いてみると、ケイトの父親から苦情を受けたヤーンの父は、その他にもいろいろあったのかもしれないけど、ヤーンを転校させることにしたらしい。
平民の学園へと。
三男のヤーンは子爵の事業はさせず、その下請けの業務を担当させるため手に職をつけさせるという。
相手の女の子も同じ学園らしいし、それはそれで幸せなんじゃないかな、と思った。
帰途に着くと、お兄様がやってきて今度の休みに狩猟に行かないかと誘われた。
最近アグネス様とお泊まりに行ったりして私は余り一緒に遊んだりできなかったから嬉しい。
もちろんOK、楽しみだわ。
そして休みになり、私は乗馬用の白のパンツに黒のブーツ、白のタートルネックに赤のジャケットに着替えた。
そこへ赤い狩猟服を着たお兄様と、イーサン様がやってくる。あら?
「イーサン様、おはようございます」
「…ああ、おはよう」
「今日はイーサンも一緒だ。
良いだろう、アイシャ?」
「もちろん!よろしくお願いします、イーサン様」
「っ…こちらこそ、よろしく」
そこからそれぞれの愛馬で狩猟場へと向かう。
私の愛馬のイクラ、これは舞の記憶で、きれいで美味しそうだなぁと思って覚えててつけた食べ物の名前。
「イクラ!出発よ~」
休憩をはさみ、1時間ほど気持ちよく走り狩猟場に着いた。
予約制で入場し、狩れる数も上限が決められている。
狩りは20歳からなので、私は2人の狩を見学させてもらう。
片方がキジの隠れている場所で手を叩くと、キジが外へと出てくる。
そこをもう片方が弓で撃ち落としていく。
凄い!迫力ね。
狩りの合間に、メリーが用意してくれたランチボックスで休憩をとる。
食後、私はデザートを用意していた。
「イーサン様、タルトタタン好きですか?」
「…ああ」
「こないだ美味しいタルトタタンをお店で食べて、レシピを聞いて私も作ってみたんです。
よかったらどうぞ」
「アイシャ殿が作ったのか?」
イーサン様は驚いた様子でタルトタタンを見て、1ピースとったかと思うと全部口に入れてしまった。
一口で?!イーサン様は、
「…凄く美味しい。
アイシャ殿、こんな美味しいものを作れるとは、素晴らしいな」
そう言いながら次のピースもパクリ。
お兄様が「こいつは甘党なんだ」と呆れ顔。
先ほどまであれほど精悍な顔で弓を引いていたのに、今は目を丸くして、もぐもぐしている姿が可愛くて、私はお茶を用意しながら思わず微笑んでしまった。
そこでお兄様が、
「アイシャ、俺はその…アグネスとこれから過ごすことも多いしお父様の仕事も一緒にやっていくことも増えて、なかなかイーサンと出かけられなくてな。
もし遠乗りなど行くことがあれば、イーサンも連れて行ってくれ。
こいつは俺しか友かいないから」
「オリバー!!」
イーサン様がオリバーの口を隠そうと2人はもつれ転がる。
私はおかしくて笑いながら、
「アハっ、もちろん、イーサン様と一緒なら頼もしいわ。
こちらこそ、お願いします」と答えた。
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