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救出作戦
場外乱闘4 新たな刺客
しおりを挟む武丸・ハク・雪丸3人が入り乱れた混戦というに相応しい戦いの
中、雪丸の進撃を止める事は出来なかった、彼が通れば敵が苦悶の
表情で倒れる姿が見れるだけだった、人畑の様な、いやモーゼの
十戒を思わせる光景は圧巻であった、その脅威の闘い方は人の力を
利用する様な戦いから激しい打撃、絡んだ敵を瞬時に絡め取り、骨
をまるで細枝を折る様に最も簡単に壊して行く、彼の歩は一向に一
定のスピードを決して崩す事すら無く顔の表情も変わらないのであ
る、その姿は数の多さで勝るレイダーの心を壊していった。
レイダー「……見たとやったのじゃ偉い違いだ、人がここまで強く
なれるものなのか?」
ハク「例えば一日100回拳を突き続けたとする、365日として365
00回、1000回なら36500回、彼の性格なら1000回なんて事はな
いんじゃないかなぁ……とするとその拳の鍛錬のついた回数分君達
との差があって当然、何なら今から彼を超えるために突いてみる?
あ、ただ単に突いただけじゃ意味ないかぁ、一つ一つを丹念に、そ
して試行錯誤して、それにやったとして腕が持つかな?回復する暇
もないし腕壊してはい終わり、あ、それに昇華した分実戦経験も同
時にこなして考え、後悔しさらに昇華させて、腕だけじゃないか、
足、胴、技、感覚、経験、あげたらキリないねぇ……」
レイダー「……く」
ハク「あなた達が強さを求めてるにも関わらず、日々遊び、元々つ
いた強くなった気がした体型の恵まれた優位性にあぐら掻いて学ぶ
事も無く自分より強い者に立ち向かう事もなく自分より弱い者を選
んで虚勢張って過ごした時間で勝てると思う?そう思ってんなら僕
は尊敬しちゃうなぁ」
笑いながら拍手を向けるハクに対し図星を当てられ、納得する答
えに逆ギレする表情で睨みつけようとしたが、彼らの前に立つ雪丸
の威圧感に目を背けるのだった。
武丸「そうだ!彼の拳は壮絶な訓練の賜物だ!お前、わかってん
じゃねぇか、見直したぜ」
雪丸「油断するな……」
ハク「うん、そうだね……」
武丸「?」
ハク「状況を判断する危険察知も重要て事かな、あいつらの余裕の
無さ、それに焦りも見える、ざわついたさっきから様子がおかしい
という事は奴らにも不備があった証拠」
雪丸「それが増援か、コチラにとって味方の出現か……または」
環境や状況、また人の心理など戦いの中にでも刻々と変化する環
境への危険察知は全ても事柄において長けた者達の特技と言えるだ
ろう、ただ単に先を読むだけでなく常に最悪の状況を想定し準備は
必要だという事であった、雑談にはなるかもしれないが、株もそう
会社だけを見るのかその奥まで見れるかで大きく収支に違いが出る
それは何処と取引しているのか、その物は何で出来ているか、その
原料は何なのか、その全てに関わる株に影響は及び変動があり連
なって上昇する、時代を先読みする中でまた一歩広い視野で見る事
こそが重要なのである。
そう呟く彼らの前に30名ほどの集団が現れたのだった、出立は
レイダーと変わらぬ風体の中に一際存在感が漂う不気味な集団が
ゾロゾロと姿を現した。
「おうおう派手にやってんな、おらどけ!お前らが勝てる相手じゃ
ねぇのが分からないのがお前達が雑魚たる所以なのが分からないか
ねぇ、つまりお前らが子供相手にする戦えば同じ事ができるだろう
よ、その華麗な動きやあり得ない映画の様な事がな、つまりお前ら
と奴じゃその位実力の差があるって事だ」
まだ齢、30程の目の一際鋭い男が1人レイダー集団の中に割って
入ってきた。
「ほれ、挨拶だ」
差し出された血まみれの複数の腕が地面へと放り出された。
雪丸「お前は……」
ハク「うげ、先輩知り合いですか?なんかエグいことしてますけ
ど」
武丸「……知ってる、こいつ俺のコミュニティー襲った最低の奴等
だ、名前は加藤道明」
道明「ほほぉ俺を知ってるって事はアレか……俺への恨みがあるっ
て事だな?」
傍にいた一際デカい仲間が声をかける。
「はは、確かにガキの言う通りだ、お前の事恨まねぇで生きてる奴
がいるとは思えねぇからな」
道明「こりゃ失礼、まっ許せとは言わねぇ、文句があるなら遠慮な
く殺しに来い、手厚くお出迎えするからさ、来るときは名前と動機
をしっかり伝えりゃ仲間には一切手出しはさせねぇ、念願のタイマ
ンで勝負してやるぜ?ここにいる様な無駄に生きる奴等よりは結構
好きだぜ、芯のある感情で動くタイプはな」
自信に満ちた目とそれを裏付ける無駄のない肉体、淡麗な顔に見
え隠れする得体の知れない何かを持った男だった。
レイダー「何しにきやがった、お前らが来る場所でも無いはずだ」
道明は表情も変えず指を鳴らすと周りを取り巻いていた仲間が一
斉に彼等に襲いかかった、その俊敏な動きと連携の速さにものの数
秒で大半のレイダーが地面へと落ちた……。
武丸「仲間割れか」
道明「仲間?こいつらが?俺の?ハハッ!お前……ククク、はは」
本気で腹を抱え笑う道明に武丸は動揺するのだった。
道明「いやいや坊ちゃん気に入った、いやぁ笑った笑った、まぁ
仲間と思われても仕方ねぇか、だが俺達はこのコミュニティのボス
である笠田の商売相手、取引先とでも言おうか、と言っても裏でコ
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よ、まっ以後お見知り置きをって感じだ」
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