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救出作戦
理解
しおりを挟む様々な人間が映画でよく見る機械でできた試験管の
中に浮いていた、白人、黒人、アジア等、種族は様々
だったが数がアジア人の数の多さが目に付いた。
相葉「これは……」
ポルキ「我ら種族の目的はあらゆる生命体が環境に適
して進化を止めない様に一種族でそれをなそうとして
いる、多種族もそれぞれの進化を元に未だ連合と言っ
ても関係性は確固たるものではない、それは地球人も
同じだろう……同じ文明の進化等、猿並みのお前達人
間……いやすまぬ、他意はない、だが我らの進化から
すればその表現も間違いではないのだ、話がずれたな、
そしてこの地球の生態ピラミッドである頂点捕食者、
つまり人間の遺伝子を我らに取り込む為に中国から始
まり我らは今、日本にいる、白人はその体躯を大きく
し黒人は黒く、アジア人はその真ん中に存在する、あ
らゆる変化を経て起きた進化の中で特化することなく
どちらにも適応できるサンプルとしては申し分ない、
そう言うことだ」
巨大なタンクの様な浴槽の中に人の血が絶えず注ぎ
込まれている異臭がする筈が臭いは全くしなかった。
ポルキ「この血は生きている、人の血液は栄養素を運
ぶ存在、上部に見える肉塊が見えるだろう、あれが人
の内臓の役目を果たしている、その原理と仕組み、そ
して培養し変化させるのに3ヶ月はかかったが、この
臓物を利用し血を濾過、そして右へ流れた臓物へ送り
込み余分な水分を抜いている、体と同じ仕組みだ」
相葉「まさかこれ血液型が同じなのか」
ポルキ「そうだ、人の血液型は多種多様だ、だが多く
はない、陰性陽性含め全てO型で作られている」
相葉「凝固しないのか?」
ポルキ「しない、元々O型は突起が無い分他と結合し
にくい性質、陰性と陽性、これは人でも一夜で変わる
事がある現象は珍しくもない、そうであれば血液が変
わる瞬間、全てが一斉に変わる必要がある、その凝固
しない原理を既に我らは見つけている、故に造作も
無い事」
モニターが変わり画面が映し出されると、そこに
映っていたものは凡ゆるものが多くベルトコンベア
の変わりなのか透明な配管の様な物の中に満たされ
た液体の中を等間隔で流れてゆく、1番には手2番に
は足から始まり、臓器、性器等凡ゆるものが流れて
いった、それに驚いたのは脳が異常に小さいグリマ
ンと思われる脳みそがまるで移植手術の様に体の大
きいグリマンと繋がっている、そしてその母体とな
る体には地球人の肉体が使われていた。
相葉「……適応するわけがない」
ポルキ「それは間違いだ、人といえど生命は皆エネル
ギーと鉱石から元は成り立っている、長い年月を経た
惑星の中で順番を経て様々な変化とともに生命体は凡
ゆる形へと変化しようともその原理は所詮一つだ、全
ての元からそれを作り出すことは神の所業というやつ
だろうが、人でいうならば我らの技術はその途中の過
程を最短で利用することによって異星人だらけのこの
広い宇宙での生存権を手に入れたのだ、事実爆発的に
人口を増やし強化された肉体はその星の頂点捕食者と
なるには最短な道なのだ、いくら機械文明が栄えよう
とも、いやこれは星感により主観は変わるであろうが
適応した機械を送り込もうが支配した所で居住権は星
そのもののが支配下の生命の維持できる環境へと変化
させなければ意味はない、まぁ奴らの目的は環境が似
た惑星を見つけ出し、それ以外は物資を奪う事にある
が、そこで我らだ、我らの科学を持って原始との融合
つまり大きく変化させた生物を生み出すことではなく
そこに適応し剥奪する、やがて数が増えた我らは先、
言った通りその惑星を手間をかけず勝手に増殖し我ら
の支配する星へと変化するからな、我らの技術の高さ
はその科学力と言うよりは数で支配し、その細胞を、
簡単に言うと地球でいう差し技、そしてかけ合わせ、
大きい犬などを小さくしていった交配への数による統
計データの多さにある、そこに倫理などはない社会だ
からこそ成し得た我々の力と言っていい、故に惑星間
を彼らと移動し多くのサンプルを使い進化させてきた
それは地球が長い月日で細胞、魚類、恐竜、人間に進
化させた時間をたった数十年で完成させる事が出来る
人の寿命は200年、だが成人化するまでの時間があれ
ば良いからな、サンプルは軽く78億の地球人の内、
侵略時に半分失ったとて39億、そしてガスにより生命
体への変化による被害が19億その19億がお前達がゾン
ビと言っているもの達だ、そしてその被害は拡大し続
け、我らも侵略を続ける一年で捕らえた者達の中で実
験の数は膨大、そしてその生命体が10年の月日で新た
なサンプルを作り出す、そしてまた半分以上が実験失
敗により消えゆくがその個体が平均10体以上、子を産
む、その数はすぐさま今の減り続ける人口を数年で超
え、環境に適した我ら子孫や寿命が長い元の種族に
取って代わられることを防ぐのは無理な話なのだ」
相葉「話が膨大すぎて……だが思想なき生命体、そう
知恵の行き着く先はどの惑星も所詮原始的な考えなの
かそれなら知的生命体の存在意義は過去から何も変わ
らないのか」
ポルキ「……そうとも言える、そこを超えるまでどの
星も欲望から戦争を起こし」
相葉「戦争、だが平和な時代もあったはずだ!人間
だって何回も何回も同じ過ちを繰り返しそしてまた
立ち上がり真の平和に向け」
ポルキ「今ある現状が被害者意識だけか?」
相葉「……」
ポルキ「そうだ、人が起こした戦争は全てのものが賛
成などしない、その中で犠牲になったもの達の命の見
返りは欲だ、大抵の犠牲者は戦争の意味も発端も知ら
ず消えていくだろう、進軍が始まり、その組織に命を
自らの意思を封じそして人の命を奪う、それは我ら
も変わらないであろうがそう言うものなのだ、故にど
の生命体も生命体に侵略されることは動物、植物、人
間宇宙人など関係がないのだよ……今の地球もまた同
じ事だ」
ポルキ「だが……その輪廻から出る道を諦めては結局
は全てが無と化す以外に道は無い」
相葉「お前……」
ふと寂しそうな表情の中に言葉にしたポルキ自身の
断ち切れぬ輪廻の壁に苦しみ、その中に虚像と思わ
れた平和という幻にしがみつく影と決意が徐々に強
くなっていくのを感じた相葉だった。
相葉「現実と虚像か……」
ポルキ「……」
相葉「そういえば過去の政治家が言っていた事があっ
たな……戦争を知った世代がトップにいる限り情勢が
悪化しようが大きい戦争は起こり得ない、怖いのは
その世代が変わり知らぬ世代が上に立った時だと」
静かにポルキは手で紋章を描き始めた、そして映し出
されたモニターに目を疑った……
これが世界の現状だ、そう呟く。
相葉は口を開けたまま言葉を出した。
相葉「まさか、そんな……」
次々と紋章を描く、そして世界各国の映像が流れた。
生命体は本拠地から動かず指令のままに動く機械達、
空から海から地上まで獣型、昆虫型、想像物のような、
そうまるで映画の様な形をしたもの、変わった物では
球体で覆われたものが多く固い殻に覆われた物体は地
面を転げ回っていた、時折映る巨大な馬の様な機械多
くは人型が多かった、蜘蛛ににたものは高いビルをそ
の鋭い爪でコンクリートを刺し素早く移動する機械も
いた。
相葉「霧の様に見えるあれもまさか機械なのか……」
ポルキ「そうだ、ナノ機械の開発はお前達も希望する
ものだろう、機械に特化した星の文化はお前達のテク
ノロジーを実現化していても不思議では無いだろう?」
相葉「……そ、そうだな」
ポルキ「こいつらが最も厄介なものの一つだ、お前達
の文化、兵器戦力全てのスパイ活動の中心たる為に作
られた兵器だ、いかに頑丈に作られた施設であろうと
真空状態の場所は無い、空気に溶け込みあらゆる隙
間、ダクトから入り込む、戦闘能力も高い、呼吸器系
から入り込み全てを破壊する事もできる、核ボタンな
ど手間をかけず電流を通し発射することなど造作もな
い事だ、所詮機械はその素直な性質を複雑化しようが
電気は電気で動く仕組みだ、星を征服するのに我らは
お前達の住む地球などいくらでも破壊する方法はある
のだから……その方法をとるのにお前達が今まだ生き
ていられる恩恵は星そのものの資源、つまりお前達が
自ら傷つける星のお陰に相違ないのだよ、故に侵略の
全てが悪い事では無い、地球にとって私達侵略者は救
世主とも言えるのだ、そしてそういう星を優先的に選
んでいる」
相葉「前にもにた様なことを言ってたな」
ポルキ「わかってくれ、大事な事なのだ、仮にこの
危機を脱したとて幾千の時を越えようが人類が変わら
ねば常に狙われる率は高くなるのだ、それに対抗して
兵器開発を進め対抗するか、狙われる事自体の確率を
減らすか、だが後者の方が圧倒的に狙われにくいのは
確かだ、そして前に行ったもう一つの惑星の成功例、
その星の文化の進方はその意思に基づいた完成系と
言っていい、どうだ?この話を聞いてお前はどう思う」
相葉「確かに……常に恐怖、利権、欲望、あらゆる事
を考えても人類はまた同じ事を送り返すだろうな……」
ポルキ「力は力によって滅ぼされる、我らもその因果
応報の律から逃れる術はないのだがな」
「だが……彼なら彼の様なものなら、或いは」
相葉「ハクの事か?なぜ皆ハクにそんなに注目するのか
確かに惹かれる……がそこまでの男とは思えないが」
ポルキ「人が集まれば集合体になる、集合体がばらけ
れば人となる、その根本を本能で感じ、あらゆる物事を
自分で考え導く、その結果人は集まり考え彼らは自身の
考えで行動し彼の周りに集まる」
相葉「わからない……」
「全ての生命体の原理は個、巨大なものに立ち向かう
ことのできるのは大きな集合体ではなく個、なぜなら
集合体は個の集まりなのだとしか私にも言えん」
「お前が以前と変わった様に、その変わった意味を辿
れば答えは出るだろう、言葉ではなくその心に」
相葉「……」
その時通信機器から相葉へと連絡が入った。
勝木「おい!順調か?早くしろよ、こんなとこ、長く
いたら気が狂っちまう……それと上では試合が始まっ
たみたいだぞ、お前達もそれ聴きながら行動したほう
がいいんじゃねーか?時間との戦いなんだろ?試合が
終わったら外に出てるグリマンが一斉にこちらに戻っ
てきたら脱出出来なくなるんじゃねぇか?」
ギョとした表情をした相葉だった。
勝木「……お前考えてるようでどっか抜けてんな、忘
れてたろ」
相葉「そ、そ、そんな事はない!私に限って」
勝木「……こりゃほんとに忘れてやがったな」
ポルキ「急ごう、彼らの言う事は事実だ可能性は高い」
相葉「どれ位で終わるんだ?」
ポルキ「……早くて10時間」
相葉「は?早くて10時間だと!そんな人間が戦い続け
られる訳無いだろ!」
ポルキ「騒ぐな、騒いでも結果は同じだ、だから来るな
と言った」
相葉「……尽きてこなきゃ良かったかも」
ーー会場ーー
司会「おーー!とこれは意外な展開が続く!裕太選手
為す術が無いと言った感じだ!これ程までに人類最強
の哺乳類が彼らの前では敵では無いのか!」
腕は腫れ、所々に拳圧により裂けた皮膚から充血し
た何とも言えない傷だらけの裕太の息は荒い……逆に
グリマンは雄叫びを挙げ、緑の顔が黒く高揚し興奮す
る姿が目に入った。
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