世紀末ゾンビ世界でスローライフ【解説付】

しおじろう

文字の大きさ
上 下
38 / 225
静岡編

昔話 2

しおりを挟む


 名前はリコ、クラスでも人気者だったが恵子と言う女の子に女子
全員からシカトすると言う虐めが流行っていた、こういったいじめ
は誰かを特定とする事が多いがイジメは時を経て移り変わる、人も
代わりまたそれがループする、その時期がリコだったらしい、時が
くれば解決するのだろうがいじめられた当人の時の感じ方は違う、
1日が長く、またループしたとて自分以外の友人も信じられなくな
る最低のイジメだ、さぞ辛かっただろう

 ある授業の最中、廊下に置いてあるバケツをスクっと立ち上がり
何をするか皆わからずジッと見ていた、それをおもむろにリコにか
けたという、当然、服もずぶ濡れ、周りのクラスメートにも水が飛
び散り床一面びしょ濡れとなったそうだ。

ハクは一言「お前ウザい」と呟いたそうだ……
 その女子は泣きながら先生に連れられて行った、大野はどうやら
リコが好きだったようでそれから虐めが始まったらしい。

ーーハクは何故そんな事をしたのかーー
 大野達は大野達の正義感から始まった虐めなのだろう、しかし多
勢に無勢もある、だからと言って虐めが成立する事は俺は容認は出
来ない、しかし、その事件は俺も目の前で見る事となる。

 3時間目国語の授業中の出来事だった。俺も気にはなって居たが
クラスメイトの大柳の顔色が優れない様だ。
晴「おい大丈夫か、気持ち悪いなら保健室行った方が良いぞ」
大柳「……」
声を掛けるも返事がない……
俺は先生に言った。
「先生!大柳君が体調悪いみたいだから保健室連れて行っていいで
すか?」
先生「大柳君、そうなの?晴君に保健室連れて行って貰いなさい」
 晴は立ち上がり大柳の腕を掴み立ち上がらせようとするも大柳は
頑なに何故か立たない。
晴「大柳?どうした?」
大柳「うぅ……」何故か泣き出す大柳に俺は困惑した。
晴はオロオロとするばかり、するとハクが大野の机の前にやってき
た嫌な予感しかしない。
先生「ハク君!席戻りなさい!」
ハク「……」
ハクは無言で大野のカバンの中をまさぐり出したのだった。
大野「おいテメェ!何すんだ!やめろよ!」
 無視してカバンを物色する、と、中から学校で禁止されている
カッコつけの定番、香水を取り出した、先生も慌ててハクの行為を
止めようとするも先生の腕を振り払い、教室を出て行ったが、どう
やら、またあの事件の再来らしくバケツを持ってきた、そのバケツ
には水は香水入りらしく、かなり匂いがキツい、すると大柳の頭に
水をまたかけたのだった、そして大柳は泣き出した。

 クラスはパニックとなり、教室に強烈な匂いが教室中に立ち込め
る、まぁ香水なので水で薄まった事もあり、そこそこいい匂いが充
満したという表現の方が正しいだろう、先生もハクを止めようとす
るが、静止を振り切り、丁寧にバケツの水を汲みに行き二発目の発
射、よもや俺もハクの行動の逸脱に思わず手が出た、殴り飛ばすも
ハクは殴り返す事はなかった……辺りはもう水浸しだ。

 授業は一時止まり、ハクは親の呼び出しを喰らいこっぴどく叱ら
れた様だった、ハクは『危ないヤツ』として周りに認識を強める事
となる。

 ある日、下校途中にクラスの男子が6年生に絡まれているのを見
た俺はすぐ様駆けつけた、だが前にハクがソレを見ていた、俺は思
わず立ち止まってしまった、するとハクはおもむろに小石を6年生
に向かって投げつけた。

晴「アイツ何してんだ!」
 思わず声が出た、当然6年生は怒り、ハクを当然追いかけたが、
ハクの身軽さは半端ない、俺もその後を追った、門に手を掛けヒラ
リと飛び越える、もたつきながらも6年生も遅れ乗り越えハクを懸
命追う、まるで刑事物のドラマだ。
晴「あ、その道は行き止まりだ!」
そうハクが逃げた道は、袋小路である。
6年「てめぇ!前にも同じこと俺達にしただろ、今日こそは逃がさ
ねぇし許さねぇぞ!」
吠える6年生に対しハクは無表情……

 突然舌を出したハクに6年生が怒り襲いかかった、袋小路の壁は
家の塀だ高さは2メートルにもなるも、空手で言う三角跳びの様に
スルッと壁越えを見せるハク。
晴「お!やるなぁ!ジャッ○ー映画で見たヤツだ!」
 流石に6年生もその壁は越えられず、散々暴言を吐き散らしたが
諦めたようだ。
その時6年生の後ろに居た俺が彼等に見つかってしまう。
6年「おいお前、何見てんだ、お前アイツの仲間か、代わりにお前
が罰を受けろや」
 そう言い放ち近寄る6年生、当然ガタイが大きい上に虐める奴ら
だ腕っぷしには自信がありげだった。
晴(相手は3人か……)
 いくら晴が年齢よりは大柄で空手をやってるといえど多勢に無勢
殴られるのを覚悟した……が晴も負けん気は強い、虐めをしている奴
らなら尚更引く気はなかった。
「丁度良い、俺のクラスのヤツ虐めてたろ、俺がお前らをやっつけ
てやる」
睨み合う子供達
晴「……」
6年「……この人数に勝てるとでも思ってやがるか」
晴「……勝てなくても負けない!」
「負け……ん?」
何やら背後から強烈な匂いが漂って来る。
晴「くっさ!この匂いは……まさしく」
 六年生が後退りするのを見て晴は背後を振り返ると其処には逃げ
た筈のハクが立っていた。
匂いの元はこれかとーー
 その正体は使い捨て手袋を纏ったハクの手には、握り潰され異臭
を放ちまくるお犬様のウンコだった、両手にしっかり握り潰された
ウンコの匂いは怒りをすっ飛ばす、6年生もその匂いに堪らず後退
りする、一歩進めばハクは二歩進む、目の前まで来たウンコの塊に
「クソ!覚えてろよ!」
 まさに言葉も現実もクソまみれに耐えれず逃げる6年生だった、
冷静に手袋を脱ぎ、丁寧に袋に入れ近くのゴミ箱に捨てると晴に呟
く。
ハク「ゴメンね、巻き込んで……」
 俺は思った、逃げれた筈なのに戻って来たハクの行動、ソレに俺
に謝った事、俺はコイツが悪い、ましてや感情に任せてキレるなん
て事をするのだろうかと……

 そして翌朝、その6年生に待ち伏せされた俺達2人は仲良くボコ
ボコにされた。
晴「いてて……おい大丈夫か?」
ハク「ごめん巻き込んで」
晴「……昨日も言ってたなソレ、俺が自分で首突っ込んでるんだか
ら気にする事はないぞ!」
何故か照れてるハクがいた、2人はボロボロになった姿を互いに見
て笑いが何故かこみ上げて笑い合った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

魔族に育てられた聖女と呪われし召喚勇者【完結】

一色孝太郎
ファンタジー
 魔族の薬師グランに育てられた聖女の力を持つ人族の少女ホリーは育ての祖父の遺志を継ぎ、苦しむ人々を救う薬師として生きていくことを決意する。懸命に生きる彼女の周囲には、彼女を慕う人が次々と集まってくる。兄のような幼馴染、イケメンな魔族の王子様、さらには異世界から召喚された勇者まで。やがて世界の運命をも左右する陰謀に巻き込まれた彼女は彼らと力を合わせ、世界を守るべく立ち向かうこととなる。果たして彼女の運命やいかに! そして彼女の周囲で繰り広げられる恋の大騒動の行方は……? ※本作は全 181 話、【完結保証】となります ※カバー画像の著作権は DESIGNALIKIE 様にあります

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

処理中です...