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静岡編
稲森晴
しおりを挟むとある駅で先陣を切って出会うのはサバイバル部のリーダーであ
る稲森晴である、晴とハクは幼馴染であり親友の1人、ハクとは中
学の時3年生の時に引っ越しして連絡はし合う中ではあったものの
引っ越しが多いハクの家族の住んでる所はもう知らなかった。
晴「あ~!いい天気だ!ハクとの待ち合わせ場所迄は車で後3時間
てとこだな、予定より2日も早く着きそうだ……」
伸びをし、のんびりポカポカ陽気に休憩中
県道は殆どマトモに走る事が出来ない状況で迂回に次ぐ迂回では
あったが予測程では無く早目に出発した晴であったが早く着きすぎ
た様で。
見渡す限り一面の田畑の跡地、平和な時代ならば爽快な光景だっ
た筈の景色は一面が雑草の異様な景色が当たり前になってきた日本
である、平地の雑草畑である……
前にも話したが幹線道路は異星人も使用していたと思われヒビは
至る所にいっているものの、過度にひどいところは何やら乱暴に修
理されている、繭の様な補修剤が使われているようだ、近くで見な
ければ昔の日本の状況と然程、変わらない。
が人の手入れが無いもの、例えば田畑を放置したとする、雑草の
生えるスピードは凄まじい、ものの半年で地面が見えない程にもな
る、恐らく皆んなが思ってる程、文化で作られた景色なぞ一変する
事となる、田舎でも道があり人が通るからこその道であり、いった
ん人の動きが遮断されると道路から湧き出る雑草の様に自然は弱く
そして遥かに強い。
道路の脇やコンクリートで覆われた高架下の壁をよく見よう、雑
草が生えてる所も少なくは無いだろう、勿論、日光や土壌の強さに
は大きく左右されるではあろうが……
見える景色は一年経てば日本とは思えない姿と変貌を遂げるであ
ろう、道は断片的に道と判断出来るか否や、自動販売機が田んぼの
中にあるかのような光景、家には蔦が巻き人の住まなくなった家は
一瞬で埃や雲の巣に覆われる、部屋からは生活は消え、犠牲になっ
たソレは腐敗し、動かななくなった冷蔵庫から強烈な異臭が放つ。
電気の点かない夜道は漆黒の闇となり、野犬や野生動物は自由に
徘徊し破壊されたマンホールは、油断すると落ちてしまう、雑草に
覆われた都会ならではの本当のコンクリートと野生が融合したジャ
ングルだ、都会だからこその危険地帯と
なり果て、人は戦時中の様に、自己中心主義
と化す、暴徒は人の性なのか、争い、
生き残った人類という同種族同士が争い血を
流す、そこには憎悪がある分、ゾンビよりも
酷いかも知れない、法は無く、自由に生きる
事が出来るとすれば貴方ならどうするだろう
自由とは孤独、自由とは危険と隣り合わせ
なのである、自分が思う欲望は、また他人
も同じ欲望を持つ、力がそれを象徴する時代
である。
車を降り休憩をしに廃墟の町をブラブラ
散歩していた。
知らない町だがゾンビの数は少ない、人口も
元々小さな町だった様ではあったが、侵略時
の水害にあった町らしく、ゾンビ化した
ものも一緒に流された様だった。
消防車が倒れ、そこら辺に転がる車も使い物
にはなりそうに無い、壁が崩れ中が
剥き出し状態の家やマンション群
水の勢いが分かるかの様な堤防は
決壊していた。
そんな景色を見ながら歩いていると……
前方に何やら人が争っている。
男A「おい!よこせよ!俺のもんだ!」
男B「俺が先に見つけて、水だ!って叫んだ
んだろ!」
どうやらペットボトルの水の取り合いで
争っている様だ。
男A「黙って渡せば、いい物を……」
懐からナイフを出し相手を威嚇し始めたのを
見て、すかさず間に入る晴
晴「まぁまぁ落ち着けよ……水なんかで
争ってどうするよ」
男A「誰だ?お前、関係ないだろーが!
向こう行かないとお前も刺すぞ」
「それに、たかが水だと?その水がなかなか
手に入らないんだよ!」
男B「コイツ水、独り占めする気なんだ!
まだ仲間は3人いるんだ、分け合わなきゃ
全員ゾンビになっちまう」
晴「水があれば、いいんだろう?」
男A「あん?お前水持ってんのか」
リッュクからゴソゴソと新品のペットボトル
を差し出す。
晴「あぁ、一本新品がある、やるよ、それに
水は濾過すれば飲み水なんて、幾らでも確保
出来るから、もう喧嘩はやめろよ、なっ」
AとBは顔を見合わせ、晴の言葉に嘘は
無いのか表情で読み取っている様だ、
そして、うなずき喧嘩は止まった。
A「まぁそう言うんなら……」
この時代、知識の無いものは水の確保すら
出来ず、汚染された水を飲み、命を落とす
者も多かった。
汚染された水は下痢を引き起こし、吐き気等
体力を奪う、赤痢や寄生虫、細菌の宝庫
である。
仲間の元へ案内される晴は男3人、女2人の
グループに招かれ、水の濾過方法を教え、
実演し、このグループを救う事となった。
晴「この場所から、あまり移動しないなら、
山菜やキノコ、食べれる物を教えてやるよ」
そう言う晴に、生活への光明が出来た
その仲間達は喜んだ。
ーー稲森・晴ーー
サバイバルサークルクラブ、通称サバ部の
部長、身長も高く、精悍な顔立ちの爽やかで
人から好かれる性格の持つ好感度満点の熱い
青年である。
特技はサバイバル知識、よく1人で海外の山
をも登りに行く位の冒険家でもある。
晴は感じた、このメンバー逃げる途中で
出会ったらしいが全員が全員自分の事しか
考えて無い様にも見えた……
喧嘩を仕掛けていた男
時男 25歳
皆んなの分と言っていた喧嘩を売られた
側の男
正人 26歳
何やらこのメンバーではビクビク怯えている
様に見える
陸 16歳
チャラチャラした感がする
美香 21歳
気のキツそうな女
ユキ 28歳
正人「おい、この人が食料と水の心配を
無くしてくれそうだぞ!これで争い事も
しなくて済むぞ」
陸「……」
ユキ「マジで?ちゃんと飲める水なんで
しょうね、嫌よ私、泥水なんか、あ、
それならお風呂も入れるわよね?」
時男「まぁ俺は食いもんと水をくれるなら
何でもいいや」
美香「ありがと~」
一通り挨拶を済ませ、この日は夕暮れもあり
説明をする為に、焚き木を囲い共に
過ごすことにした。
時男が側にある小石を陸に投げつけ、小石は
陸の頭に当たった。
怪我をする程の大きさでも無い小石に身を
すくめ怯える仕草を見せる陸を見た晴は
晴「おい、やめろよ嫌がってるじゃないか」
時男「いーんんだよ、怪我する小石でも無い
だろーが、うるせーなテメエは」
時男「おい陸、お前、明日、この兄ーちゃん
と一緒に行動してキノコやら釣りやら覚えて
来いよ、晴ってたっけ、まぁコイツに任す
から教えといてよ」
晴「いや、みんな覚えておいた方がいい、
何かあって、陸君が居なくなったら困るのは
君達全員も同じだろう?」
ユキ「面倒臭いわ……大体食料調達なんか
男がやるもんでしょ、ねぇ美香」
美香「そうよ、私達スカートなのよ、着替え
も無いし、移動も自由に出来ないし
体力も無いし」
晴「……」
「スカートが動き難い訳では無いよ?
スカートって元々バイキングが発祥だからね
動きやすさを追求した衣服なんだぜ?それ」
美香「……ふーん」
(何いってんのかしらコイツ)
ユキ「だから?」
(面倒臭い男……)
晴「……」
陸「僕が行きます……」
正人「よく言った陸!俺と時男は物資取りに
町に行って来るからさ、ゾンビが現れても
陸はどうしようもないだろ?頼むな」
美香「適材適所ってヤツね」
晴「適材適所には賛成だが……基礎は覚えて
おかないと」
ユキ「あーも、うるさいなぁ……いいじゃん
私達はここで待ってるから後、宜しくね、
陸ちゃん」
晴「いいのか?陸……言いたい事があったら
言っといた方が良いぞ」
陸「……いやいいんだ」
晴はジッと陸の影のある横顔を見ていた……
しかし彼等の近くにも不穏な動きを見せる
男達がいたのだった……
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