世紀末ゾンビ世界でスローライフ【解説付】

しおじろう

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静岡編

八方塞がり

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 小屋から実を言うと2日が経っていた、窓の隙間から外の様子を
覗く……一日目の夜の大合唱が効いたのか20体は越すゾンビの大群
に囲まれてスヤスヤお休みになっていたハクであった。

ハク「……ありゃりゃ、まぁ大人しくしてればその内消えるでしょ」
何て甘い考えで更に一日を過ごす。

 日課になったお茶(劇不味い)に癖になった舌を潤わせ、おじい
ちゃんの様に窓から差込む日差しを堪能していたが、一日経つとゾ
ンビは更に3体ほど増えていた。

ハク「……増えてる」
「そろそろ出発しないと晴との待ち合わせ場所に間に合わないな」

 ハクは長野で晴と待ち合わせをしていた、衛星電話をすれば彼等
が助けに来てくれのは確かだったが、ハクはそれをしない。

 彼等は彼等で復興の準備等忙しい身だ、宇宙人の数は侵略撤退後、
数は激減したものの、油断できる相手では無い、更に海沿いの沿岸
部は侵略の際、第一攻撃として津波による大打撃を受けていた。

 地図からして急ぎ来るなら、沿岸部の可能性は高い、僕でもそう
するだろう、その事からも彼等に応援要請をする訳には行かなかっ
た、しかしハクは慌てる事なく脱出に向けて行動を開始する。

 先ずは木だ、バールで小屋の壁を破壊、無論穴が開かない程度に
それを熱湯、焚き木で沸騰させたお湯に漬け続ける、コトコト、コ
トコト、時を見て取り出し、片方をしっかり固定し、踏ん張って曲
げる、この作業を繰り返し行うーー

ハク「アイロンと電気があればなぁ……」
 なんて呟きながら作業を繰り返し、三本の板を曲げた、其れを繋
ぎ合わせ小型ソリを作ったのだ。

 更に穴を開けシッカリと持ち手を紐を通した。裏も何か滑りやす
い物を取り付けようとするも何も無い……まぁ100%良いものが作れ
る都合のいい状況何て中々無いものだ、プラスチックとかの板も無
い、化粧板も使えそうな物は防護壁に使用したから我慢。

 この作業に2日要した、食料の残りあと一食取り崩せば(まとまっ
たものから少しづつ取る)あと2日は行ける状態ではあったが、そ
れもしない、彼は体力をフルに発揮出来る状態の方を優先したのだ。

ハク「後は簡単」

 更に板を剥がす、なるべく大きい面積の板、つまり壁板、しかも
強度があり薄い化粧板を丁寧に剥ぎ取る、それを繋ぎ合わせ後ろが
丸開きだが三角形の形状にし、角を頑丈に接合、まぁ穴を開けて針
金で留めただけではあるが、後は視覚確保の為の穴をホジホジ……
チョットやそっとじゃ取れない頑丈な物に仕上げた、この作業は三
時間弱で終了。

【写真参照】
『素体が上手く動かないw板はもう少し大きめ、持ち手は穴を開け
紐を通す背中部分も、もう少しカバー範囲大き目、先端は板厚み結
合の為角は尖っている感じになるだろう』

ちなみにハクの何時も持ち歩いている物
○懐中電灯(夜はこれが無いと何も出来ない
為、また暗い家屋を探索する場合必須)
○ライター(無論火起こしの為だ)
○電池(懐中電灯をはじめ、拾った物を使用出来るように形状の違
う物を各種少し多目)
○衛星電話(滅多に使わないが渡された物)
○ネットには繋がらないがアプリが使える為、スマホ(意外と便利、
アプリによるが充電は発電が出来る家屋)
○ノコギリ(木材は家屋にしろ山にしろ川、海にしろ充実している、
燃える物を取る為もあり作る作業にも便利だ、サバイバルナイフ並
みに便利)
○サバイバルナイフ(調理や燃えやすい木屑を作る為、特に背面が
ギザギザなもの)
○紐(何かと便利、物を 燃やす火種としても使用度が高い、ほぐ
して使うのだ、縛ったりも出来る、荷物を纏めるにも便利アイテム
の一つ、主に百均の物を使用、更に頑丈なナイロンロープ20メート
ル分)
○釘、ネジ(製作の為の必須アイテム)
○バール(製作、及び破壊、材料調達の為)
○錐(キリ)(穴あけ、サバイバルで木と木を擦り合わせ火を焚く
のを見た事があると思うが最初にネジ同様穴を開け固定さすと群を
抜いて作業が楽だ、しかしライターがあるから使用頻度は低いが製
作には時間効率が良い、更に壁に穴を開けるのにも適している、円
に複数箇所穴を開けると壁も人が通れる位の穴など簡単に作る事も
出来る)
○トンカチ(釘打ちアイテム武器にもなるトンカチの打撃はゾンビ
に対して脳にダメージを与えるには最適だ、異星人が使う意味もわ
かる、使い方次第でその衝撃による打撃の強さは破壊のみならず、
ツカの部分に穴を開け、投擲(トウテキ)に使用すると高い位置に
移動可能なフックの代わりにもなる、またドアノブ破壊等にも使う)
○防刃手袋、使い捨て手袋、トイレ掃除手袋
○使い捨てマスク(箱)
○(石鹸アルカリ性)
○MP3小型5つ位(主にゾンビ対策用)
○自動販売機用小銭、
服装にも細工が沢山だが今は割愛
コレを基本にビリボ君を杖に、立ち寄った場所での現地調達分で作
る何かと他。

 こうしてハクは脱出に必要なアイテムを作りゾンビが蠢く小屋で
最後の食事を楽しむ。

英気を養う為か音楽をまた懲りずに流す、そして、ダラダラと疲れ
た身体を休めせ明日の脱出に備えたのであった。



【今日のポイント】

物は専用に使う以外、その力の目的を知り応用する事で無限の使用
方法の可能性がある、困った時は冷静に周りを見よう何が使えるか、
家の中にもハクが使用した壁自体も要は板である。

一見、何も感じない飾り一つとっても尖端が尖っている物は武器に
もなる、虫眼鏡だってそうだ、学校でならった本来の使用目的は物
を大きく見る、しかしそれを使って日光の熱を集め黒い紙を焦がす
事をしたのでは無いだろうか、黒い紙も本来とは目的が違う方向性
で使用するとこうなる。

黒い紙、いや黒い物は光を吸収する性質がある、これを利用した物
である。

 ちなみに視力の反射する光をも吸収してしまうベンタブラックと
いうものも現代では既に存在している、光を吸収し人の目で見る反
射を利用する視覚の光を反射させないほどの黒色、カメラなども光
を反射させ映すことから犯罪や軍事に使われると危険なもの、使用
目的が一つ間違えばとても危険な物となるが服に使用したりすると
不思議な新しい分野の服が完成するだろう。











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