上 下
25 / 220
静岡編

さてと

しおりを挟む



 民家攻防戦が終結し、ハク、純衣、晴、誠裕太、美優、鈴、真美、
明の9名は自身がハクの元へ集まる為に持ってきた乗り物に乗って
神奈川を目指した。

 ちなみに茨城の 民家攻防戦の後、その場を直ぐに離れなければ
ならない理由もある。これは覚えておいた方が良い。

 大量のゾンビの血が流れたあの現場はもう暫くは寄り付かない方
がいい、原因は衛生上の問題だ、元々血液は動物に於いても栄養価
は高いそれは細菌等に於いても言える事だからだ。

 ハエが飛び、不衛生極まりない惨状の後は拠点がその場にあった
としても移動する位の覚悟で退治せねばならない。倒すの苦労、倒
した後も苦労、それがゾンビである、かつてノストラダムスの予言
でもあった様にネズミが多く徘徊する場では不衛生上からペストな
ど伝染する病気が流行り易い、不衛生な川べりなどはもっての他だ。
水の流れの悪い場所は特に注意、水は動きが止まると腐ると思った
方がいい。

誠、純衣はバイク、裕太と晴は車を乗ってきた事もあり、そこに美
優、鈴、真美明、先生(お医者さん)を乗せた、しかしながら都心
はグリマン(宇宙人)がいる事から、道は田舎から大きく遠回りし
ての旅となった、攻防戦のあった茨城から群馬、長野、山梨静岡、
そして神奈川に到着した一行ーー

 食事等、サバイバル知識の高い晴が食材到着それはもう、キノコ
やら海鮮やら、お肉、そして得体のしれない物まで、それを裕太が
有名レストランで働いて居た事もあり、見事な腕前で調理する、シ
ンプルな腕を試される刺身、さらに調味料まで作ってしまう腕前に
は恐れ入った、食事も荒廃した時代とも思えない豪華な毎日だった。

 偵察は行動が早く武力に特化した純衣と誠が担当し、安全且つ、
迅速に美優、鈴、真美明、先生を横浜にある基地へと避難させる事
になんなく成功したのである。

 横浜も戦果が激しくゾンビも大量にはいたが純衣の持ち帰った情
報により、横浜基地は避難民を連れての静岡とほぼいってもいい距
離まで移動そして復興の為に新たな基地を民間人も参加し一つの小
さな町まで発展していた。

 美優、鈴に別れと次の出会いを約束した彼等も各地、復興の為に
此処で別れる事となった。

 美優には思い出と思いやり、真美との出会いにより、現実を知り
つつも、それを跳ね除け、今のまま強くなる決意を抱いたみたいだ
った、出会った頃の何かにつけてイライラした感じは薄れ、もうし
っかり、お姉さんだ。

心配された美優、鈴に両親は無事だった、鈴も元気を取り戻した、
ご両親に会えた事で彼女も、これからこんな時代にも負けず元気に
育ち、親の愛情を受けて育つだろう。

 明と真美さんは神奈川で医療活動に専念するとの事だった、美優、
鈴とも仲良くなったみたいだったので安心だ。真美さんのご両親の
行方はまだ解らないままであったが、彼女は人の集まる此処で、ご
両親を待つ事にした、うん、その方が闇雲に探すよりいいと僕も思
った。真美さんは、あの民家攻防戦の後、もう大丈夫、どんな結果
になろうとも私はもう大丈夫と、晴に言っていたらしい、何の事か
わからないが、聞かないでおいた彼女が何かを乗り越えたのだろう。


ーーそしてーー


ハク「サバイバルサークル略してサバ部のみんな、ありがとう、此
処まで無事で来れたのは他ならぬ仲間のお陰の他ないよ」
深く丁寧に全員に、お辞儀をするハク、

裕太「もう、みずくさいなぁ……」
晴「仲間だからな、何かあった時は何時でも駆けつける」
誠「言われなくてもな」
純衣「……離れるの嫌だな……」
裕太「だね、という訳で皆、集まって話したんだけど、ハクは京都
目指してるんだよね」
ハク「うん、持ち物に京都の住所が書いてあったヤツがあったから、
そこに行ってみる事にしたんだ」
裕太「うんうん、でね、みんなと相談したんだけど……手の空いた
モノから順にハクと合流して旅を楽しもうかと」
晴「そうなんだ、こんな時代だけど楽しまなきゃ、なっハク」
ハク「そうだね、苦しんで過ごす時間も、楽しんで過ごす時間も自
分次第だからね」

純衣はカバンから荷物を取り出す。
純衣「ハイこれ」
純衣が渡したのは衛星電話、そして回収したビリボ君だった。
「両方ともバッテリーは少ないけど、電話は衛星の中でも生きてる
ものがまだあったみたいで、これなら仲間と連絡はつける事が出来
るわ、でも異星人に逆探知される可能性もあるから、どうしてもっ
ていう時に使用する形にはなるけど……」

ハク「ありがとう、充分だよ」

純衣「……お話出来ない」
涙目になる純衣。
誠「泣くなよ、繋がれるって事は会えるって事じゃねーか、それに
俺らは離れても仲間て事には何もかわらねぇ」
純衣「そうね……あんたも、たまには、ほんとーに、たまには、いや
……相当たまにはいい事言うわね」
誠「……まぁ毒吐ける元気があるって事で」
純衣「毒……アンタちょっと後で裏来なさいよ」
晴「まぁまぁ」
こうして一旦離れる事になった仲間達であった。

ハク「先ずは1人旅!うーん!シリアスな日々だったなぁ……」
大きく背伸びをし、空を見上げアクビをし目を擦る。

 ビリボ君を片手に皆と別れ徒歩移動、久々の1人に少し寂しげな、
そして楽しげな不思議な感覚もまた自由を感んじる。

ハクはノートを取り出し、駅に向かう、そこにはゾンビが数体発見、
何やらノートを書きなぐりながら近づきカキカキ……小さな無人駅
だけあって元々人の数は少ないゾンビが大量にいる事が多い駅であ
っても見かける数は少ない観察にはもってこいである、彼は民家攻
防戦であったような事がいつ起こるかもしれない事態に於いて、マ
ニュアル本を作ろうとしていた。

先ずは観察ーー
先ずは脳の基本

○左脳
論理的、冷静分析能力、計算、几帳面、言語情報を整理し纏める。

○右脳
 感情、感性、空間認知、暗記、イメージ、閃き、五感に作用、視
覚、嗅覚、味覚、触覚聴覚、音や色の判別、つまりそれを纏め役を
果たす機能。

○前頭葉
 簡単に言えば大人になる程大きくなり子供のような行動を抑制、
思慮深くなる等あげられ言葉の言語野や運動野などの伝達、右、運
動野では左の手足、左運動野では右手足等の指令。

ゾンビは生きている、メカニズムは原因不明だが、伝達や運動機能
に於いて人から退化させるならば人工的に生み出す事が出来る可能
性はあるとハクは推測。

 左脳に何かしら働きかけるガス?等、皮膚から入る何か?まぁ薬
でも皮膚から吸収してしまう薬品は現代でもある、飲み薬にカバー
して触っても生活に必要の無い人へのリスクを避ける為だ、簡単に
言うと伝達機能を著しく損傷する神経ガスみたいなものかもしれな
い。

 左脳にダメージを与え右脳の働きのみ、もしくは活性化させる事
により、感情をコントロールする機能を失わせる、前頭葉にもダメ
ージを与え、まとめ上げる能力を著しく低下させる事により、動物い
近いモノを作り上げたものではなかろうかとーー

 コントロールを失った脳では何が起こるかわからない、前頭葉部
分から放出されるドーパミン等、が大量に出るために、食欲などの
意識が強く全面に押し出される可能性も高い。

 動きに関しても、あのギクシャクとした動きにも説明が出来る、
左右のバランスを脳のダメージを負う事によるモノと推定、

 更に簡単に言うと欲望のみ主に生きる為に必要で、且つ毎日、ほ
ぼ習慣になっている食欲が一番強く出た生き物、思考能力はほぼ無
く、漠然とした脳の整理機能により視覚も有りながらもそれを、食
べられるものかを判断するのは、動き、血色の良さ、誰もが落ちて
るプラスチックを見てヨダレを垂らすものはいないだろうがプラス
チックで出来たイミテーションのご飯に関しては美味しそうと感ん
じるだろう。

 それは肌色の壁紙で判断出来た。更に動くものは生きているとい
う認識は人は誰でも当たり前のように判断するだろう。

 ロボットの犬が人の癒しに繋がる事もあるがそれは生きいるとい
う事に繋げた脳が判断だろう、故に記憶と整理され不規則な動きを
するものに癒し等を感じる事もできるというわけだ、3dの媒体に
興奮する者もいれば人はそれでゲームをしたり、画面に現れた魚等
を見ても癒される事が証明している。

 テレビにしても本来は電子で出来た、そこに実際、存在しないた
だの電子による色を見て人間やご飯のテレビを認識しているものだ
からだ、実際は絵に関しても唯の線と色だからだ。

 ハクが言った病原体の塊の可能性を上げると免疫が活動し難い体
温で人間も風邪を引きやすくなるのと同じ、体がだるい、倦怠感や
危機感が無いゾンビは完全に病原体が体を蝕み機能出来ない位にま
で侵さないと動きにすら影響は出ないだろう。

 そこをあげると寿命は短い物の哺乳類と言える存在かは疑問だが
ある意味最強部とも言える。

 更に体は温度で活動範囲が大きく左右する、温度は高いと運動能
力は上がり、トカゲも運動時には体温は37度前後と人と変わらな
い、しかし外敵もいず、普段生活出来ているトカゲにかんしては
32度と低い。

 カモノハシ等地球上で生きているものは哺乳類であっても場合に
よれば20度前後になったりする者もいるし、冬眠ともなればもっ
と温度が下がるものもいる、体温は恒温動物という分類に分けられ
るが、もっと詳しく知りたい人はゾンビに注意して本屋で物色する
といいだろう。

 まとめ、ゾンビは五感もある、しかしバイ菌等、人間は活動が著
しく低下するのは脳指令による復活するための急速、動かない事に
より、抵抗力に動くエネルギーを当てる事をさせる為の防衛本能。

 それを失ったゾンビはもうインフルエンザやらノロウイルスやら、
破傷風の菌やら、狂犬病やらシラミやらエイズやらなんでもありだ、
なんせ生きてても抗体が活動しにくい環境や温度で動き回るのだか
らたまったもんじゃ無い、そういう意味でいうならゾンビになると
いう表現も唾液感染など、菌やウイルスにより逝ってしまって成る
という事なら映画もドラマもまぁありだろうと。

現時点では此処までだ。

 ハクは次に嗅覚を調べた、彼らが動くもの、つまり今の主食はネ
ズミや弱った肉体持つものである、本来動きの速いネズミは捉え難
いものではあるが動きの散漫なゾンビにネズミも危険を感じず、周
りをウロチョロするものが多い、肉の餌として見ているのかも知れ
ない、まぁ何方も食われたり食ったりしているのを何度か見た。

 美味しそうなお肉の匂いを漂わせ観察するまぁ僕はネズミを食う
習慣もないし勘弁だがそれも固定観念であるだろう、世界にはネズ
ミを貴重なタンパク源にする民族も多いだろうし……

 焚き木に音や温度に反応をおそれ、屋根の上で家事を恐れず肉を
焼くハク、こんがりと焼けた肉に串を刺し、下へ降りたハクは大き
めのバケツに穴を無数に開け、中に木を入れそのバケツの上で風車
を熱の上昇する力を利用し、辺りに匂いを分散させ屋根にまた上が
り辺りを見回す。

時折、匂いに誘われて犬や他の動物達も集まるが、屋根の上から石
を投げ追い払う。

ハク「うーん気長な作業だ……」
缶詰のサバ缶を食べらがらボーとしばし眺める。

 ゾンビが近寄ってきた、やはりゾンビに嗅覚判断はある、とメモ
を残した、しかし本能でもありそうな火に関しては無造作に近づき
バケツもよく倒す、これは現代に於いても火を怖がらなくなった人
間ならではの事かも知れない、人は火を操る事により進化したとい
っても過言ではない、消す技術、点火する技術を覚えた人間にたい
し火は恐怖の対象では無くなったと感じた。

 まぁ脳の中なでは多少危険は感じているだろうが動物のなかで毎
日ガスコンロを見ている人間に於いては、火は美味しいものが出来
るものという右脳的解釈、そして記憶がすでに勝っているのだろう
な……これでまぁ劣化した人間という解釈でゾンビに対する行動マ
ニュアルは出来そうだ、

○恐怖に対するモノ

食欲(満腹中枢が働いてない)
恐怖心が無い
集団行動になりやすい(獲物に対し遠慮がない)
バイ菌、ウイルス、ばっちい

逝って間も無いゾンビは体温も高い事からゾンビも少し速い、トカ
ゲと同じ、人間のゾンビの場合ノロノロが早歩き程度、冬にはゾン
ビは激減する可能性は高い血液の凝固のスピードが早いからだろう。
大きく移動するのは冬がもってこいという事だ。

 血が通わない、逝ってから時間がすでに経ち過ぎている者はゾン
ビにならない理由、体の中の機能、脳、心臓、血がもう活動できな
いからだ。

 夜目は人間と同じく聞かない、が恐怖心がないので犬同様、犬は
武器は牙しかないものの、人間にとっては恐怖なのは固定観念と一
つしかない武器にたいして恐怖心が無く襲える事だ、ゾンビもそれ
に当てはまる。

○利点

動きが遅い、大体固まった血で体が動く訳はない、これは絶対だ。

 まばらにいる時は、落ち着けば早歩きでも対処できる、走れない、
恐らく走る者がいたとしても、バランス感覚が著しく低下したゾン
ビは走る程に体温は人間と同じく上がるがバランスが取れず、真っ
直ぐ走る事も不可能だろう、大抵コケる左右の足のバランスを取る
脳がダメージを受けている、更に同じ感覚で歩くという認識が無い。
獲物を見つけた時は、脳の活動がそれに支配されるからだろう。
それに転かせば良い、だが足元には注意が必要だが速度はもう殆ど
無い。

 攻撃範囲は前方180度位か、寄りかかってくる感じなのでソコを
注意、棒の先にTにしたトンボ状を作れば押し除ける事も出来るし、
掴まれる可能性を考えれば足元を狙うのが一番良い。

 冷静に、ただ来る進路にトンボの先を置いておけば向こうから来
て転けてくれるバケツ等、障害物を進路上に置くのもいい手だ。

 ビリボ君進化版はゾンビ社会に置いて最前の武器と言える、背後
から襲えた時はそりゃもう簡単にコケる、あとは刺すなりトンボの
先を利用してゾンビの頭を攻撃する事も安易だ。

 時間が経てばゾンビも倒れて動かななくなるから(餌不足による
エネルギー源のタンパク質の減少)安全に関わらないのも手だ。

恐怖心が無いーー
 人と同じく恐怖心がないのはメリットでもあり同時にデメリット
でもある、罠等簡単にかかるだろう。


操り易いーー
 誘導の仕方によれば他の外敵に関しての防御にも使える瞬間はあ
るだろう、常にデメリットとメリットは表裏一体である

今日はここまでにしておこう……

 明日は休日って事で、以前気になってた漫画にゲームをしよう、
その為にしっかり寝るのだ、そう、どんな環境に於いても人間には
休息と働くバランスは必要なのだ。

 ゾンビが怖くて寝れなーい!なんて問題は自分で苦労して疲れて
るだけだ、ちゃんと準備と策をこうじていれば、考える事自体が無
駄な時間になるからだ、同じゾンビが出ない無事な朝、寝不足でい
るか快適に起きるか、同じ時間の使い方という結論からしてもやは
り自分で勝手に苦労しているという事だからね、それだけでイザと
いう時の体力、発想は衰え自ら命を危険に晒す他ない。

 食料は一週間分はある、奇しくも異星人襲来により、人間が汚し
た環境は逆に良くなるという皮肉な現象が地球に起きていた。空は
青く、水自体も上流に行けば、相当綺麗さだ、人間に於いては住み
にくいこの環境は地球の人間以外のい生物に於いては優しいのかも
知れない。

 宇宙人襲来も、自然淘汰に一環なのかも知れないなんて考える時
もある、この自然を満喫するかしないかは人次第、僕は楽しむ事を
選んだ。シリアスから解放された僕は京都までご当地グルメ旅を決
行する事にした。

ーー先ずは此処、静岡からだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

200年後の日本は、ゾンビで溢れていました。

月見酒
ファンタジー
12年間働いていたブラック企業やめた俺こと烏羽弘毅(からすばこうき)は三日三晩「DEAD OF GUN」に没頭していた。 さすがに体力と睡眠不足が祟りそのまま寝てしまった。そして目か覚めるとそこはゾンビが平然と闊歩し、朽ち果てた200年後の日本だった。 そしてなぜかゲーム内のステータスが己の身体能力となり、武器、金が現実で使えた。 世界的にも有名なトッププレイヤーによるリアルガンアクションバトルが始動する! 「一人は寂しぃ!」

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシャリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

【完結】復讐は計画的に~不貞の子を身籠った彼女と殿下の子を身籠った私

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
公爵令嬢であるミリアは、スイッチ国王太子であるウィリアムズ殿下と婚約していた。 10年に及ぶ王太子妃教育も終え、学園卒業と同時に結婚予定であったが、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されてしまう。 婚約者の彼の隣にいたのは、同じ公爵令嬢であるマーガレット様。 その場で、マーガレット様との婚約と、マーガレット様が懐妊したことが公表される。 それだけでも驚くミリアだったが、追い討ちをかけるように不貞の疑いまでかけられてしまいーーーー? 【作者よりみなさまへ】 *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

処理中です...