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後日談

【後日談1】新婚生活1

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 王都は東西に広く、王城がある中央地区と、貴族の所有邸宅も多い閑静な西地区、商業街や娯楽通りの多い賑やかな東地区に分かれている。

 俺の旦那様が働いている王立騎士団駐屯施設は中央地区に程近い東地区の端にあり、繁華街が近くにあってとても賑やかなところらしい。そして、つい先月俺たち二人が引っ越した新居は、中央地区から離れた西地区のほぼ真ん中にある、白壁に橙色の屋根が可愛い一軒家だ。前までお世話になっていた公爵家のお屋敷と比べたらずっとずっと小さいけど、居間や台所とは別に居室が三つもあり、森の中のとても狭い家で育った俺としてはまだ広いくらいだ。しかも、厩の付いた立派な庭があって、最近そこに小さな畑と花壇を作らせてもらってかなり俺の好きにしてしまっている。

 新居をここに決めたのは旦那様のセブさんで、彼が言うには周辺の治安の良さと、家の広さ、俺がよく使う食料品店や配送屋などの店舗が近くにあることが決め手だったらしい。全部が全部俺のためで、彼の職場から遠いことや、家の購入費用や修繕費用も全額セブさん持ちだったことがすごく引っかかったけど、彼がこれでもかってくらい俺をあの手この手でなだめすかすのでつい頷いてしまった。
 暮らし始めてみれば、セブさんの言う通りとても治安も良いし、ご近所さんもみんないい人だし、交通の便もいいし、とても住みやすい。
 俺はここで暮らし始めてからは午前中は掃除や洗濯、庭の畑の手入れをして、午後から編み仕事をするのが日課になった。最近は凝ったドレス商材を手掛けることにも慣れた。よく手をかけて豪華にすればするほど、より良い値で買い取ってもらえるからやる気が尽きない。

 新居での暮らしは本当に充実してる。なにより、セブさんと二人っきりで暮らせることが嬉しくて嬉しくて、俺は正直浮かれきっている。それはきっと、セブさんもよくわかってることだろうけど。





 俺のものと全然違う、厚い筋肉の乗った彼の腹をまたぐ。両方の太ももの内側で、彼のたくましい体の張りを直に感じる。鍛えられた筋肉がこんなに柔らかく弾力あるものだなんて、彼の身体に触れるまで俺は知らなかった。そのはっきりと筋肉の隆起した雄々しい身体に、両手をついてさわりと撫でる。

「ハバト、無理はしなくていい」

 彼の声はとても柔らかくていつも通り冷静だったけど、その目は熱くてぎらぎらしてる。きっと、今俺の顔も同じくらい“欲しがってる”と思う。

「セブさんは動かないで。無理なんかじゃないから」

 俺の薄い腰を掴もうとした彼の手を、身をよじって避ける。浮かした腰の下、彼の性器に手を伸ばし、それがしっかり硬さを持って上向いていることを確かめる。

「セブさんこそ、嫌だったら言って。言ってくれなきゃ俺わかんないです」

「嫌なわけがあるか。君はいつだって魅力的で堪らない」

「んふふ。嬉しい」

 彼の性器に片手を添えて、その先端をもう片手で割り開いた自分の尻にあてがうと、そのままゆっくり腰を下ろしていく。毎日のように彼を受け入れているそこは、元々彼の性器を包むためにあるみたいにすんなり飲み込んでいく。腹の奥を彼の形にされていくこの瞬間が好きだ。気持ちがよくて、抑えきれずにだらしない声が長く漏れる。
 彼の性器はとても大きくて、そんなもの入れたら腹がいっぱいで苦しいはずなのに、俺は彼の全部が欲しくて頭がバカになる。もっと奥に欲しい、なんてことしか考えられない。震える足の力を抜いて、一気に彼の骨盤の上にべたりと座り込んだ。

「あっ!ううっ…っ、っ」

 一番奥に触れた瞬間、背骨が痺れて体が反ってしまう。どうしよう。気持ちよ過ぎて動けない。体が勝手に跳ねて、その振動で奥が捏ねられて更に気持ちよくなってしまう。
 そんな無様な俺をじっと見つめていたセブさんは、熱い息を吐いた後にくつくつと静かに笑った。

「本当に君は愛らしいな。もうおしまいか?」

「あっ、はあっ、だって、おっきくて、きもちい…」

「…こんなに愛らしく煽られて、手を出すななど酷い拷問だな。なあ、ハバト。もう私の好きに動いていいだろう?君の好きなこの肚の奥をいくらでも突いてやる」

 ここだと示すように、下からゆらゆら腹の奥を捏ねられて、俺の口からは「あっ」が止まらなくなる。無意識に首が縦に振れて、次の瞬間には俺の背中はベッドに押し付けられていた。押し倒された衝撃で、彼の性器が一際強く中に押し込まれて、俺の意思とは関係なく甲高い声があがる。

「はあ、堪らない。私を癒してくれ」

 彼の浅い息遣いを感じながら、上から押しつぶされそうな強さで繰り返し激しく穿たれて、俺は身も世もなく泣き叫ぶ。苦しくて、気持ちよくて、恥ずかしいけど、彼が俺を求めてくれることが幸せだ。

「アっ!あうっ、ああっ、はあ、アンっ、セブ、さ、アアっ」

「ハバト、腕はこちらに」

 縋るものがないのがつらくて、シーツを手繰り寄せていた俺の手を、セブさんが掴んで自身の首に回させる。彼の肩や背中には、堪え性のない俺のせいでいくつも引っかき傷があって、俺が秘薬で治したいと言っても彼が全く聞き入れてくれない。いつまでも傷だらけのままのその肩に、今もまた、俺のこわばった指が食い込んで新しい傷を作っていく。

「奥が緩んできたな…挿れるぞ」

 大きく硬い手が強く俺の腰を掴み、やっと彼の言う“奥”が、俺の思っていたものよりずっといけない場所のことだと理解した。

「あうう…待って、アッ…ンンン、ッン、アアアアッ!!!!」

 腹の奥からぐぷり、と不穏な感触と共に思考全部を焼き切るような快感が体を走り抜ける。ガクガクと全身が震えて、息を吸うことすら難しい。達したのだと思うけど、強すぎる感覚に何に感じているのか自分でもよくわからない。

「くっ……はあ、ハバト。私のハバト、愛している」

 意識が遠のきかけたが、セブさんの低く心地よい声で名前を呼ばれてゆっくりと目を開けた。きっと、俺の顔は今涙とよだれでベタベタだろうに、彼はとても幸せそうに微笑んで俺の顔中に優しくキスをしてくれる。

「ふあ、俺も、愛してぅ、あ…」

「いい子だ。今日は君の声が長くよく聞けるように時間をかけてしようか」

「え…うそっ、アアッ!」

 まさかと思ったが、くぷくぷと奥の奥をゆったり弄られて、視界がちかちかと明滅する。気持ちよ過ぎて頭の中がぐちゃぐちゃだ。なのに、彼は俺を追い詰めるだけの緩慢さで、自分の快楽本位に激しくする気はないらしい。終わりが見えない行為に絶望しそうになる。

「肚の奥まで君は健気だな。懸命に締め付けて本当に愛らしい…ずっと中にいたいくらいだ」

「だ、ダメッ、んっ、死んじゃうっ、ひぐっ、お願っ、激しくしてっ、中に出してっ」

「はあ…本当に君は…」

 俺が必死にねだると彼の目の色が変わり、その途端腹の中を強くえぐられた。声にならない声を上げて、俺は強制的に絶頂させられる。俺が気を失いそうになると腰を引かれて、そっと心地よい低音で呼び起こされ、また最奥を穿たれる。それが繰り返されて、いつまでも終わらない。

 彼の熱い吐息を感じながら、俺は何度も何度も彼の肩に爪を立てた。
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