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治療3
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「ここに赴き、君に会えたことは俺にとって何よりの僥倖だ」
包帯で覆われた腕を袖中にしまいつつ、彼はぽつりとこぼした。
「わたしの力が及ぶもので本当によかったです」
彼の覚悟が痛ましくて改めて口にしたりはしないが、「あなたが命のために腕を切り落とす前に俺を頼ってくれてよかった」と思っている。
そんなことを考えていたら、セブさんが小さく笑った。
「正直言ってしまえば、君を丸め込んで私の専属治療士にして連れ帰ってしまう気でいた。身近において、それから口説き落とせばいいと思ったんだが、憎らしいことにハバトがあまりにも有能でその手も難しそうだ。今のまま君を王都に呼べば、王族や高位貴族に奪われかねない」
柔和で真面目そうなセブさんが、“丸め込む”とか“口説き落とす”とか荒っぽい表現をするのがなんだがかっこよくてドキドキする。
「そんなにわたしを評価してくれるのはセブさんだけです。本物の魔女からすればわたしは劣等品です」
薬缶に水を入れ火にかけてから、使ったカップを回収して洗いすすぎ、その上に茶葉を入れた茶漉しを乗せる。
「だからこそだ。権力者の意のままにならない狡猾な魔女より、魔女に近い力を持ちながらも善良で従順な君は貴重だ」
「あー、なるほど。魔女は気難しい人も多いんでしょうね。ばあばも結構気分屋なところがありましたし、人の下で働くようなことは嫌ったと思います」
使ったナイフの刃をよく拭ってから鞘に戻し、戸棚に仕舞う。テーブルの上の布類と木桶は、後で捨てるなり仕舞うなりするので、一緒くたにして台所の隅に仮置いた。
「だから一度王都に戻り、誰にも奪われない為の下準備をすることにした」
含みのある楽しそうな声色に作業の手を止め振り向けば、長い脚を優雅に組んだ彼が、重ねた手を膝上に乗せて俺を真っ直ぐ見つめて微笑んでいた。
セブさんが何をしようとしてるのか俺には見当もつかないが、俺の能力を買って雇い入れたいとすら思ってくれることは素直に嬉しい。
「んふふ。わたしがここを離れたくないって言ったらどうするんですか?」
今は軽口の体だが、もし実際に馴染んだこの家を離れることになれば俺が相当に躊躇うのは事実だ。
「この場所より私を選んでくれるようにゆっくり口説くつもりだが、どうしても君がそう思うのであれば私が王都を下りてもいい」
「それじゃ本末転倒じゃないですか」
治療士を雇うために、主人が住居や働き方まで変えるなんて聞いたことがない。セブさんくらいの人はきっとどこに行っても、仕事に困ることはない自信があるのだろう。やっぱりかっこいいなあ。頬がゆるゆるに緩んで温かくなる。
ニヤける俺に「それだけ君のことには必死なんだ」と彼は余裕そうに笑いかけた。
「騎士として使いものにならないと判断されている今は王都を長く離れることができたが、利き腕が完全に戻ったと上に知れればまた繁多を振られ、しばらくはこちらに来れなくなるかもしれない。私から手紙を書くから、ハバトも返してくれるか?」
願ってもないセブさんからの申し出に、俺は嬉しくて思わず「わあ!もちろんです!」とやたらと大きな声が出た。ハービル村から王都はとても遠い。俺の経済力では、どんなに頑張っても年に一度行けるかどうかだろう。でも手紙なら、ちょっと頑張って納品すれば毎週出せるくらいの切手代を稼げると思う。
「誰かと文通するの、初めてです。セブさんと文通、すごく嬉しくて、うわあ、どうしよう。嬉しくてドキドキします。いっぱい書いてもいいですか?」
あまりに興奮してそわそわしている滑稽な俺を、セブさんは馬鹿にすることもなく「おいで」と静かに手招きした。素直に従ってセブさんの前に立つと引き寄せられ、彼の膝間に立ったまま抱き締められた。普段決して見ることの出来ないプラチラブロンドのつむじを見下ろす。セブさん程の人になると、つむじすら完璧な形をしていてキレイだ。彼の頭に顔を擦り付けると、サラサラと癖のない銀糸が流れて気持ちいい。
「君は可愛くて堪らないな」
「可愛く、ないですよ」
「手乗り栗鼠(リス)のように閉じ込めてしまいたい」
「わたし、リスっぽいですか?わたしはわざわざ閉じ込めなくてもほとんど家から出ませんよ」
「そうか。ではこれからもぜひそうして欲しい」
くすくす笑う彼の声が、音でなく振動で伝わるこの距離はとても心地よい。もっとくっついていたい、この気持ちは何て表現したらいいんだろう。
どちらともなく顔を寄せ合い、再び口付けた。唇を舌でなぞられ、促されるまま口を開けば、期待した通りにキスが深くなる。気持ちよくて、でも少し苦しい。背に流れるような白金色の髪に指を入れ、無遠慮に彼の服を握り締める。
彼の手が俺の頬を撫で、耳を撫で、首筋を撫でる。もう一つの包帯巻きの手は腰の位置に巻かれたままだが、時折指先に力が込められるのがくすぐったい。
唇を離し、俺の口の端からこぼれる唾液を舐め取った彼が、「ハバト」とやたら熱量の高い声で俺を呼んだ。
それに答えようと震えそうになる唇を開いた瞬間、玄関扉が強く叩かれて俺は無様に体を跳ね上げた。
「えっ、はい!何用でしょうか!」
反射的に上げた俺の声は外の相手にちゃんと聞こえたらしく、扉越しに「お迎えに来たよー」とスペンサーさんの声で返事が返ってきた。それに被せるようにセブさんがかなりはっきりと舌打ちをしたので、俺は内心ドキリとする。何をしたのか知らないが、スペンサーさんはセブさんをまた怒らせてるらしい。こんな温厚な人を頻繁に怒らせるって逆にすごい。
彼から離れようと足を後ろに下げようとすると、それを右手一つで腰を捕まれ阻まれた。
「待たせておいていい。ハバト、まだ離れるな」
腰に片腕を回したまま、セブさんは器用に自身のベルトに付けたポーチから、滅多にお目にかかれない程白く上質な紙を出して、そこに同じく上質だろう艶のある万年筆で何かを書き付けた。その紙を手渡される。
「手紙はここに送ってくれ。長い任務で月単位で離れることもあるが、ここに送ってくれれば必ず受け取れる」
書かれた文字を目で追う。几帳面さの表れように角張っているが、読みやすいキレイな字だ。
王都東第三区コーレイ通り、王立騎士団遠征部一課所属団員宿舎32室、と書かれている。
「うわあ…そんな気はしてましたが、やっぱりセブさんは王立騎士団の方だったんですね。わたしの手紙なんてもの送っていいんでしょうか。もしかして検閲とか入ります?くだらないこと書いたら怒られます?」
ぶつぶつ小物感丸出しなことを言う俺に、呆れるでもなくセブさんは微笑んだ。
「所属を名乗ってそこまで嫌そうな顔をされることも稀だな。一騎士の個人的な手紙になど検閲は入らないので安心して何でも書いて欲しい」
徐ろに立ち上がったセブさんは俺の腰を抱き寄せ、「君からの手紙を何より楽しみに待っている」と耳元に吹き込んでから、こめかみに軽く唇を押し付けた。
またまたかっこよ過ぎて胸がきゅっとしてしまう。
「いっぱい送ります!」
髪を梳くように、ゆったりとした柔らかい手付きで頭を撫でられる。
「これは腕の治療費と、私への書簡費用だ」
手首を捕まれ、上向けた手の平の上にずしりとした重さの革袋を乗せられた。恐る恐る中を覗き見ると、案の定見たことない量の金貨が入っていて、怖くなって手を引こうとするが、強い力で無理やり強く握り込まされる。
「ハバト」
とても優しい声だが、意味合いは叱責に似ている。観念して、「はい」と小さく頷いて受け取ると、セブさんはもう一度大きな手で頭を撫でてくれた。
「忙しいとは思いますが、左腕の様子、たまに見せに来てくださいね」
「ああ。時間が出来次第また来よう。ハバト、どうか息災でいてくれ」
玄関扉を開けると、少し離れたところで暇そうにしゃがみ込んでいるスペンサーさんが見えた。それを気にするでもなく、セブさんはゆったりした優雅な所作で腰を折り、例によって俺の手の甲に口付けキレイに笑った。陽の光にキラキラ輝くプラチナと、瞬くエメラルドが眩しい。
でも、俺が好きなのは彼のキラキラした容姿ではなくて、優しさがあふれた仕草と声だ。彼としばらく会えないのだと思うと、居た堪れないような気持ちで体がざわつく。離れがたい相手との別れってどんな顔で何て言えばいいのかがわからない。「行かないで欲しい」と、とんでもないワガママが口から出てしまいそうになるのをこらえて口ごもっていると、セブさんがもう一度俺の手を握り締めてから「では、また」と告げてゆっくりと離した。
「必ず、会いに来てください」
「もちろん」
遠ざかる長身が完全に見えなくなるまでじっと見送った後、気が済むでぼんやりと立ち尽くした。彼が来る前と俺は何も変わってないのに、まるで胸が空っぽになってしまったような気がした。
ひとりとぼとぼと部屋に戻ると、カタカタと沸騰を知らせる薬缶に気付いた。それを火から下ろし、少し迷ったが茶漉しに湯を注ぐ。青く香ばしく香り立つ。飲んで欲しかった人がいなくなってしまったのに、ただ静かに湯気を立てるそれがなんだか不憫に見えた。
包帯で覆われた腕を袖中にしまいつつ、彼はぽつりとこぼした。
「わたしの力が及ぶもので本当によかったです」
彼の覚悟が痛ましくて改めて口にしたりはしないが、「あなたが命のために腕を切り落とす前に俺を頼ってくれてよかった」と思っている。
そんなことを考えていたら、セブさんが小さく笑った。
「正直言ってしまえば、君を丸め込んで私の専属治療士にして連れ帰ってしまう気でいた。身近において、それから口説き落とせばいいと思ったんだが、憎らしいことにハバトがあまりにも有能でその手も難しそうだ。今のまま君を王都に呼べば、王族や高位貴族に奪われかねない」
柔和で真面目そうなセブさんが、“丸め込む”とか“口説き落とす”とか荒っぽい表現をするのがなんだがかっこよくてドキドキする。
「そんなにわたしを評価してくれるのはセブさんだけです。本物の魔女からすればわたしは劣等品です」
薬缶に水を入れ火にかけてから、使ったカップを回収して洗いすすぎ、その上に茶葉を入れた茶漉しを乗せる。
「だからこそだ。権力者の意のままにならない狡猾な魔女より、魔女に近い力を持ちながらも善良で従順な君は貴重だ」
「あー、なるほど。魔女は気難しい人も多いんでしょうね。ばあばも結構気分屋なところがありましたし、人の下で働くようなことは嫌ったと思います」
使ったナイフの刃をよく拭ってから鞘に戻し、戸棚に仕舞う。テーブルの上の布類と木桶は、後で捨てるなり仕舞うなりするので、一緒くたにして台所の隅に仮置いた。
「だから一度王都に戻り、誰にも奪われない為の下準備をすることにした」
含みのある楽しそうな声色に作業の手を止め振り向けば、長い脚を優雅に組んだ彼が、重ねた手を膝上に乗せて俺を真っ直ぐ見つめて微笑んでいた。
セブさんが何をしようとしてるのか俺には見当もつかないが、俺の能力を買って雇い入れたいとすら思ってくれることは素直に嬉しい。
「んふふ。わたしがここを離れたくないって言ったらどうするんですか?」
今は軽口の体だが、もし実際に馴染んだこの家を離れることになれば俺が相当に躊躇うのは事実だ。
「この場所より私を選んでくれるようにゆっくり口説くつもりだが、どうしても君がそう思うのであれば私が王都を下りてもいい」
「それじゃ本末転倒じゃないですか」
治療士を雇うために、主人が住居や働き方まで変えるなんて聞いたことがない。セブさんくらいの人はきっとどこに行っても、仕事に困ることはない自信があるのだろう。やっぱりかっこいいなあ。頬がゆるゆるに緩んで温かくなる。
ニヤける俺に「それだけ君のことには必死なんだ」と彼は余裕そうに笑いかけた。
「騎士として使いものにならないと判断されている今は王都を長く離れることができたが、利き腕が完全に戻ったと上に知れればまた繁多を振られ、しばらくはこちらに来れなくなるかもしれない。私から手紙を書くから、ハバトも返してくれるか?」
願ってもないセブさんからの申し出に、俺は嬉しくて思わず「わあ!もちろんです!」とやたらと大きな声が出た。ハービル村から王都はとても遠い。俺の経済力では、どんなに頑張っても年に一度行けるかどうかだろう。でも手紙なら、ちょっと頑張って納品すれば毎週出せるくらいの切手代を稼げると思う。
「誰かと文通するの、初めてです。セブさんと文通、すごく嬉しくて、うわあ、どうしよう。嬉しくてドキドキします。いっぱい書いてもいいですか?」
あまりに興奮してそわそわしている滑稽な俺を、セブさんは馬鹿にすることもなく「おいで」と静かに手招きした。素直に従ってセブさんの前に立つと引き寄せられ、彼の膝間に立ったまま抱き締められた。普段決して見ることの出来ないプラチラブロンドのつむじを見下ろす。セブさん程の人になると、つむじすら完璧な形をしていてキレイだ。彼の頭に顔を擦り付けると、サラサラと癖のない銀糸が流れて気持ちいい。
「君は可愛くて堪らないな」
「可愛く、ないですよ」
「手乗り栗鼠(リス)のように閉じ込めてしまいたい」
「わたし、リスっぽいですか?わたしはわざわざ閉じ込めなくてもほとんど家から出ませんよ」
「そうか。ではこれからもぜひそうして欲しい」
くすくす笑う彼の声が、音でなく振動で伝わるこの距離はとても心地よい。もっとくっついていたい、この気持ちは何て表現したらいいんだろう。
どちらともなく顔を寄せ合い、再び口付けた。唇を舌でなぞられ、促されるまま口を開けば、期待した通りにキスが深くなる。気持ちよくて、でも少し苦しい。背に流れるような白金色の髪に指を入れ、無遠慮に彼の服を握り締める。
彼の手が俺の頬を撫で、耳を撫で、首筋を撫でる。もう一つの包帯巻きの手は腰の位置に巻かれたままだが、時折指先に力が込められるのがくすぐったい。
唇を離し、俺の口の端からこぼれる唾液を舐め取った彼が、「ハバト」とやたら熱量の高い声で俺を呼んだ。
それに答えようと震えそうになる唇を開いた瞬間、玄関扉が強く叩かれて俺は無様に体を跳ね上げた。
「えっ、はい!何用でしょうか!」
反射的に上げた俺の声は外の相手にちゃんと聞こえたらしく、扉越しに「お迎えに来たよー」とスペンサーさんの声で返事が返ってきた。それに被せるようにセブさんがかなりはっきりと舌打ちをしたので、俺は内心ドキリとする。何をしたのか知らないが、スペンサーさんはセブさんをまた怒らせてるらしい。こんな温厚な人を頻繁に怒らせるって逆にすごい。
彼から離れようと足を後ろに下げようとすると、それを右手一つで腰を捕まれ阻まれた。
「待たせておいていい。ハバト、まだ離れるな」
腰に片腕を回したまま、セブさんは器用に自身のベルトに付けたポーチから、滅多にお目にかかれない程白く上質な紙を出して、そこに同じく上質だろう艶のある万年筆で何かを書き付けた。その紙を手渡される。
「手紙はここに送ってくれ。長い任務で月単位で離れることもあるが、ここに送ってくれれば必ず受け取れる」
書かれた文字を目で追う。几帳面さの表れように角張っているが、読みやすいキレイな字だ。
王都東第三区コーレイ通り、王立騎士団遠征部一課所属団員宿舎32室、と書かれている。
「うわあ…そんな気はしてましたが、やっぱりセブさんは王立騎士団の方だったんですね。わたしの手紙なんてもの送っていいんでしょうか。もしかして検閲とか入ります?くだらないこと書いたら怒られます?」
ぶつぶつ小物感丸出しなことを言う俺に、呆れるでもなくセブさんは微笑んだ。
「所属を名乗ってそこまで嫌そうな顔をされることも稀だな。一騎士の個人的な手紙になど検閲は入らないので安心して何でも書いて欲しい」
徐ろに立ち上がったセブさんは俺の腰を抱き寄せ、「君からの手紙を何より楽しみに待っている」と耳元に吹き込んでから、こめかみに軽く唇を押し付けた。
またまたかっこよ過ぎて胸がきゅっとしてしまう。
「いっぱい送ります!」
髪を梳くように、ゆったりとした柔らかい手付きで頭を撫でられる。
「これは腕の治療費と、私への書簡費用だ」
手首を捕まれ、上向けた手の平の上にずしりとした重さの革袋を乗せられた。恐る恐る中を覗き見ると、案の定見たことない量の金貨が入っていて、怖くなって手を引こうとするが、強い力で無理やり強く握り込まされる。
「ハバト」
とても優しい声だが、意味合いは叱責に似ている。観念して、「はい」と小さく頷いて受け取ると、セブさんはもう一度大きな手で頭を撫でてくれた。
「忙しいとは思いますが、左腕の様子、たまに見せに来てくださいね」
「ああ。時間が出来次第また来よう。ハバト、どうか息災でいてくれ」
玄関扉を開けると、少し離れたところで暇そうにしゃがみ込んでいるスペンサーさんが見えた。それを気にするでもなく、セブさんはゆったりした優雅な所作で腰を折り、例によって俺の手の甲に口付けキレイに笑った。陽の光にキラキラ輝くプラチナと、瞬くエメラルドが眩しい。
でも、俺が好きなのは彼のキラキラした容姿ではなくて、優しさがあふれた仕草と声だ。彼としばらく会えないのだと思うと、居た堪れないような気持ちで体がざわつく。離れがたい相手との別れってどんな顔で何て言えばいいのかがわからない。「行かないで欲しい」と、とんでもないワガママが口から出てしまいそうになるのをこらえて口ごもっていると、セブさんがもう一度俺の手を握り締めてから「では、また」と告げてゆっくりと離した。
「必ず、会いに来てください」
「もちろん」
遠ざかる長身が完全に見えなくなるまでじっと見送った後、気が済むでぼんやりと立ち尽くした。彼が来る前と俺は何も変わってないのに、まるで胸が空っぽになってしまったような気がした。
ひとりとぼとぼと部屋に戻ると、カタカタと沸騰を知らせる薬缶に気付いた。それを火から下ろし、少し迷ったが茶漉しに湯を注ぐ。青く香ばしく香り立つ。飲んで欲しかった人がいなくなってしまったのに、ただ静かに湯気を立てるそれがなんだか不憫に見えた。
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