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彼の行き先3
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魔獣が暴走したと思われたのだろう。慌てた様子の男たちの話し声と、駆けてくる数人分の足音が裏庭に近づいてくる。
間もなく娼館の裏口から出てきた数人の男たちがまっすぐ厩舎に向かうのを、俺とイアンはまるで申し合わせたように共に息を殺してやり過ごした。
厩舎の扉やその周りを確認する音や会話を遠くに聞きながら、俺もイアンも細く息を吐いた。うまくやり過ごせたと、そう思った矢先だった。
「ハバト」
よく知った低音が俺の名を呼んだ。驚きで心臓と言わず、全身がびくついた。
こんなところにまで来てしまうほど、俺が会いたくてやまなかった人。でもこの姿で彼の前に立つ勇気は俺にはない。
彼に見られないうちに顔を変えなければ。慣れた呪文を紡ごうとするが、一度生まれた焦りは容易くは消えてくれなくて、気が急くばかりで声が震える。
「ここにいたのか」
セブさんの声が明らかにこちらに向けられているのが、被ったままの外套越しにもわかった。
早く、早く、呪文を。
「どうした、ハバト。おいで」
優しく柔らかい声が近付いてくるのを、絶望と共に聞く。俺が無言で首を横に振ると「何があった」と、先程まで優しかったセブさんの声が、底冷えするような硬質で恐ろしいものに変わった。俺が生意気に抵抗したから気分を害してしまったんだろう。悪いのはここまで来た俺だ。どんな罵詈雑言も受け入れると決めたのに、怖くて悲しくて情けない。ああ、でもそれより早く変装魔法をかけなきゃ。気持ちがぐちゃぐちゃで頭が混乱する。
「騎士様、ちょっと待てよ。今こいつ体調悪いんだって」
「…貴様は誰だ」
「あーまあ、ハバトの付き添いしに来た知り合いだよ。そんな声出したらこいつ怯えるだろうが。わかれよ」
イアンが俺の横にしゃがみ込んだのが、声の近さでわかった。頭をぽんぽんと軽く叩かれ、柔い力でゆったりと撫でられる。
「ほら、大丈夫だから深呼吸しろ。落ち着くまでこのまま待っててやるから」
俺が頷くと、「いい子だ」と更に優しく撫でられた。荒っぽい仕草しか知らなかったが、イアンにもこんな優しさがあって、それを俺にも向けてくれることが嬉しい。
言われた通りに何度か深呼吸して、唇の震えが収まるのを待つ。
噛んでしまわないよう、一音一音ゆっくりと口の中で唱える。
くるくると跳ねる毛先が、重量に従い真っ直ぐに伸びているのを確認してから、ゆっくり外套を外す。
「迷惑かけてごめんね、イアン。もう大丈夫。ありがとう」
「元は俺が悪いしなあ。お前から礼を言われるのは違う気がするぞ」
「そんなことない。助かった」
流れるような動作で俺の肘を掴んで立たせてくれる。
覚悟を決めて向き直ろうとするが、その前に長い腕に絡め取られて俺はたたらを踏んだ。転げてしまわなかったのは、その長い腕の持ち主がしっかりと俺を抱き込んだからだ。後頭部を引き寄せられ、セブさんの胸元に柔く顔を埋める。
なんで、俺はセブさんに抱き締められてるんだ。
「ハバト、どこか痛むか?苦しくはないか?」
「あ。わたしは大丈夫です。それより、あの…邪魔をしてしまってごめんなさい」
「邪魔?」
「こちらに、ええと、セブさんは遊びに来てたのに邪魔をしてしまって本当にごめんなさい」
こういう時娼館で性行為をすることをなんと言ったらいいのかわからない。言葉にするのが恥ずかしい。ひと様のそういった行為に口を出してしまったことも恥ずかしい。
「そんなガキに全部言わせてやるなよ。あんたが娼館に女買いに来たのに邪魔してごめんねーって言ってるんだろ。あんた恋しさに世間知らずなこいつがここまで来たんだ。許してやれよ」
俺の言いたいことをイアンがほぼ全て言ってくれた。ありがたい。イアンがこんなに面倒見がいいだなんて、小一時間前には想像もつかなかった。
何故かセブさんはイアンではなく、俺だけをじっと見ている。
「私は女を買いに来たわけではないし、もうここでの用は済んだ。ハバトが気に病むことなど一つもない。君をひとり不安にさせてすまなかった」
性行為の邪魔をしてしまったわけじゃなかったのか。俺がホっと息を吐くと、セブさんは極小さく笑った。抱き締められたまま見上げたセブさんは、暗がりにいてもキレイだ。
「セブさんは何も悪くないです。わたしが勝手に、寂しくなってしまって、眠れなくて。本当はひとりでお酒を飲みに行っちゃおうかなとも思ったんですけど、店主のローレンスさんとイアンがここに連れてきてくれたんです」
今思えばひとり酒しなくてよかった。たぶん飲み過ぎて、明日の朝起きられなくなっていただろう。そしたらセブさんに置いて行かれてたかもしれない。それはとんでもなく寂しい。
嬉しくてへらへら笑う俺の頭を撫でながら、彼はスっとイアンに視線を向ける。
「…私のハバトを送り届けてくれたことは礼を言おう。だが、以降の付き添いは不要だ」
何故かセブさんから発せられたのは、先程聞いたものと同じ、硬質で冷たい声だった。自分に向けられたものじゃないのに背が震える。
「そんな怖い顔にすんなよ。ローレンスと合流したらすぐ帰るっつーの。娼館で遊ぶ気分でもないしなあ。あいつどこにいんだよ」
冷ややかな声を浴びても悪びれる様子のないイアンは、面倒くさそうに腰に手を当て欠伸をした。
「セブさん、ローレンスさんと会いましたか?わたしの代わりにセブさんを探しに行ってくれたんです」
「ああ。ちょうど店主の話を聞いていたところに魔獣の咆哮が聞こえたのでこちらに来た。あの魔獣が、君に今朝話した同僚の所有する魔獣だ。暴走したのであれば殺処分しようと思い、店主には飼い主を引き留めてもらっている」
魔法吸いの特性持ちの魔獣だからもしや、と思っていたが、案の定セブさんの同僚の方の所有魔獣だったか。魔法が効かない魔獣なんてやたらめったらいたら、討伐の際相当苦労するだろうから幾分安心した。
「あの、ごめんなさい。わたしが不用意に厩舎に近付いたから興奮しちゃっただけで、あのカマキリは何も悪くないんです」
セブさんの完璧でキレイな形をした眉が、わずかに寄せられた。
「君は本当に無防備で困るな。魔獣も今は落ち着いているようだから処分は様子見だ。わかっているだろうが、君はもう魔獣に近付かないようにしなさい」
「…はい。ごめんなさい」
俺が自分の軽率さに眉尻を下げると、セブさんが俺の背に右腕を回して「君が無事でよかった」と、ぎゅうと抱き寄せてくれる。恥ずかしいけど嬉しくて胸が詰まったようにきゅっと甘く痛む。
「ハバト、共に帰ろう」
「はい」
いろんな人に迷惑をかけてしまったけど、セブさんにこんなに優しく抱き締めてもらえるなら、ここに来てよかったのかもしれない。
俺がそんな酷く自分勝手なことを考えていると、また娼館の裏口が慌ただしく開いた。
「静か過ぎないか!?あの鋼鉄野郎、本気で僕のジョスリーンに手出したのか!?」
「スペンサー様、落ち着いてくださいませ。厩の扉すら開いてないでしょう」
知らない声の後に、少し慌てたようなローレンスさんの声が聞こえた。
ローレンスさんを呼び止めようと、目の前のたくましい長駆を両手で押して離れようとするが、セブさんの片腕で制されてしまった。イアンがこちらを見てクツクツ笑いながらも、「ローレンス、その金持ちはほっといていいからこっち来いよー。ハバトも騎士様も帰るってー」とローレンスさんを呼びに行ってくれた。
でも、呼ばれて来たのはローレンスさんだけではなかった。
「あっれ。バルダッローダこっちにいたのか。うちの子全然いい子だったろ?あんな可愛くて素直な子を暴力で制圧しようとするなんて本当に君は鬼畜生だよなあ」
笑顔の爽やかな好青年風の男が、ローレンスさんを押しのけるようにしてこちらにやってくる。この男がセブさんの同僚の人なのだろう。カマキリ、相当愛されてるなあ。
「魔獣の殺処分は保留だ。民に被害が出れば私が即処分にあたろう。ちゃんと管理しろ」
「口頭注意だけなんて、鋼鉄君にしてはお優しい判断だね。その腕の中の子がいるから?ここの店の子じゃないよね?君がそんなに女性と親しげにしてるの初めて見るよ」
「お前には関係ない。知る必要もない。遊び歩くのは構わないが、あまり家を空け過ぎれば子供に顔を忘れられるぞ」
「辛辣だなあ。こんな最果てまで送ってやった恩を忘れないでくれよ。まあそのおかげでいい娼館を見つけたんだけどさ」
「お前への恩は奥方に返すくらいでちょうどいいだろう」
「今度はうちの奥さんと恋仲の噂立てられるぜ。ちょっと特定の女と会うだけで囃し立てられるんだから、あんまり顔が良過ぎるのも困りもんだよなあ」
「どうでもいい」
これ以上話す気はないと言わんばかりに、俺の背に回していた手を腰に滑らせて、表通りの方へ歩き出す。「あれ、ローレンスさんとイアンは?」と俺が慌てると、後ろから「俺らは適当に後から歩いて帰るからいーよ」とイアンののんきな声が答えてくれた。
間もなく娼館の裏口から出てきた数人の男たちがまっすぐ厩舎に向かうのを、俺とイアンはまるで申し合わせたように共に息を殺してやり過ごした。
厩舎の扉やその周りを確認する音や会話を遠くに聞きながら、俺もイアンも細く息を吐いた。うまくやり過ごせたと、そう思った矢先だった。
「ハバト」
よく知った低音が俺の名を呼んだ。驚きで心臓と言わず、全身がびくついた。
こんなところにまで来てしまうほど、俺が会いたくてやまなかった人。でもこの姿で彼の前に立つ勇気は俺にはない。
彼に見られないうちに顔を変えなければ。慣れた呪文を紡ごうとするが、一度生まれた焦りは容易くは消えてくれなくて、気が急くばかりで声が震える。
「ここにいたのか」
セブさんの声が明らかにこちらに向けられているのが、被ったままの外套越しにもわかった。
早く、早く、呪文を。
「どうした、ハバト。おいで」
優しく柔らかい声が近付いてくるのを、絶望と共に聞く。俺が無言で首を横に振ると「何があった」と、先程まで優しかったセブさんの声が、底冷えするような硬質で恐ろしいものに変わった。俺が生意気に抵抗したから気分を害してしまったんだろう。悪いのはここまで来た俺だ。どんな罵詈雑言も受け入れると決めたのに、怖くて悲しくて情けない。ああ、でもそれより早く変装魔法をかけなきゃ。気持ちがぐちゃぐちゃで頭が混乱する。
「騎士様、ちょっと待てよ。今こいつ体調悪いんだって」
「…貴様は誰だ」
「あーまあ、ハバトの付き添いしに来た知り合いだよ。そんな声出したらこいつ怯えるだろうが。わかれよ」
イアンが俺の横にしゃがみ込んだのが、声の近さでわかった。頭をぽんぽんと軽く叩かれ、柔い力でゆったりと撫でられる。
「ほら、大丈夫だから深呼吸しろ。落ち着くまでこのまま待っててやるから」
俺が頷くと、「いい子だ」と更に優しく撫でられた。荒っぽい仕草しか知らなかったが、イアンにもこんな優しさがあって、それを俺にも向けてくれることが嬉しい。
言われた通りに何度か深呼吸して、唇の震えが収まるのを待つ。
噛んでしまわないよう、一音一音ゆっくりと口の中で唱える。
くるくると跳ねる毛先が、重量に従い真っ直ぐに伸びているのを確認してから、ゆっくり外套を外す。
「迷惑かけてごめんね、イアン。もう大丈夫。ありがとう」
「元は俺が悪いしなあ。お前から礼を言われるのは違う気がするぞ」
「そんなことない。助かった」
流れるような動作で俺の肘を掴んで立たせてくれる。
覚悟を決めて向き直ろうとするが、その前に長い腕に絡め取られて俺はたたらを踏んだ。転げてしまわなかったのは、その長い腕の持ち主がしっかりと俺を抱き込んだからだ。後頭部を引き寄せられ、セブさんの胸元に柔く顔を埋める。
なんで、俺はセブさんに抱き締められてるんだ。
「ハバト、どこか痛むか?苦しくはないか?」
「あ。わたしは大丈夫です。それより、あの…邪魔をしてしまってごめんなさい」
「邪魔?」
「こちらに、ええと、セブさんは遊びに来てたのに邪魔をしてしまって本当にごめんなさい」
こういう時娼館で性行為をすることをなんと言ったらいいのかわからない。言葉にするのが恥ずかしい。ひと様のそういった行為に口を出してしまったことも恥ずかしい。
「そんなガキに全部言わせてやるなよ。あんたが娼館に女買いに来たのに邪魔してごめんねーって言ってるんだろ。あんた恋しさに世間知らずなこいつがここまで来たんだ。許してやれよ」
俺の言いたいことをイアンがほぼ全て言ってくれた。ありがたい。イアンがこんなに面倒見がいいだなんて、小一時間前には想像もつかなかった。
何故かセブさんはイアンではなく、俺だけをじっと見ている。
「私は女を買いに来たわけではないし、もうここでの用は済んだ。ハバトが気に病むことなど一つもない。君をひとり不安にさせてすまなかった」
性行為の邪魔をしてしまったわけじゃなかったのか。俺がホっと息を吐くと、セブさんは極小さく笑った。抱き締められたまま見上げたセブさんは、暗がりにいてもキレイだ。
「セブさんは何も悪くないです。わたしが勝手に、寂しくなってしまって、眠れなくて。本当はひとりでお酒を飲みに行っちゃおうかなとも思ったんですけど、店主のローレンスさんとイアンがここに連れてきてくれたんです」
今思えばひとり酒しなくてよかった。たぶん飲み過ぎて、明日の朝起きられなくなっていただろう。そしたらセブさんに置いて行かれてたかもしれない。それはとんでもなく寂しい。
嬉しくてへらへら笑う俺の頭を撫でながら、彼はスっとイアンに視線を向ける。
「…私のハバトを送り届けてくれたことは礼を言おう。だが、以降の付き添いは不要だ」
何故かセブさんから発せられたのは、先程聞いたものと同じ、硬質で冷たい声だった。自分に向けられたものじゃないのに背が震える。
「そんな怖い顔にすんなよ。ローレンスと合流したらすぐ帰るっつーの。娼館で遊ぶ気分でもないしなあ。あいつどこにいんだよ」
冷ややかな声を浴びても悪びれる様子のないイアンは、面倒くさそうに腰に手を当て欠伸をした。
「セブさん、ローレンスさんと会いましたか?わたしの代わりにセブさんを探しに行ってくれたんです」
「ああ。ちょうど店主の話を聞いていたところに魔獣の咆哮が聞こえたのでこちらに来た。あの魔獣が、君に今朝話した同僚の所有する魔獣だ。暴走したのであれば殺処分しようと思い、店主には飼い主を引き留めてもらっている」
魔法吸いの特性持ちの魔獣だからもしや、と思っていたが、案の定セブさんの同僚の方の所有魔獣だったか。魔法が効かない魔獣なんてやたらめったらいたら、討伐の際相当苦労するだろうから幾分安心した。
「あの、ごめんなさい。わたしが不用意に厩舎に近付いたから興奮しちゃっただけで、あのカマキリは何も悪くないんです」
セブさんの完璧でキレイな形をした眉が、わずかに寄せられた。
「君は本当に無防備で困るな。魔獣も今は落ち着いているようだから処分は様子見だ。わかっているだろうが、君はもう魔獣に近付かないようにしなさい」
「…はい。ごめんなさい」
俺が自分の軽率さに眉尻を下げると、セブさんが俺の背に右腕を回して「君が無事でよかった」と、ぎゅうと抱き寄せてくれる。恥ずかしいけど嬉しくて胸が詰まったようにきゅっと甘く痛む。
「ハバト、共に帰ろう」
「はい」
いろんな人に迷惑をかけてしまったけど、セブさんにこんなに優しく抱き締めてもらえるなら、ここに来てよかったのかもしれない。
俺がそんな酷く自分勝手なことを考えていると、また娼館の裏口が慌ただしく開いた。
「静か過ぎないか!?あの鋼鉄野郎、本気で僕のジョスリーンに手出したのか!?」
「スペンサー様、落ち着いてくださいませ。厩の扉すら開いてないでしょう」
知らない声の後に、少し慌てたようなローレンスさんの声が聞こえた。
ローレンスさんを呼び止めようと、目の前のたくましい長駆を両手で押して離れようとするが、セブさんの片腕で制されてしまった。イアンがこちらを見てクツクツ笑いながらも、「ローレンス、その金持ちはほっといていいからこっち来いよー。ハバトも騎士様も帰るってー」とローレンスさんを呼びに行ってくれた。
でも、呼ばれて来たのはローレンスさんだけではなかった。
「あっれ。バルダッローダこっちにいたのか。うちの子全然いい子だったろ?あんな可愛くて素直な子を暴力で制圧しようとするなんて本当に君は鬼畜生だよなあ」
笑顔の爽やかな好青年風の男が、ローレンスさんを押しのけるようにしてこちらにやってくる。この男がセブさんの同僚の人なのだろう。カマキリ、相当愛されてるなあ。
「魔獣の殺処分は保留だ。民に被害が出れば私が即処分にあたろう。ちゃんと管理しろ」
「口頭注意だけなんて、鋼鉄君にしてはお優しい判断だね。その腕の中の子がいるから?ここの店の子じゃないよね?君がそんなに女性と親しげにしてるの初めて見るよ」
「お前には関係ない。知る必要もない。遊び歩くのは構わないが、あまり家を空け過ぎれば子供に顔を忘れられるぞ」
「辛辣だなあ。こんな最果てまで送ってやった恩を忘れないでくれよ。まあそのおかげでいい娼館を見つけたんだけどさ」
「お前への恩は奥方に返すくらいでちょうどいいだろう」
「今度はうちの奥さんと恋仲の噂立てられるぜ。ちょっと特定の女と会うだけで囃し立てられるんだから、あんまり顔が良過ぎるのも困りもんだよなあ」
「どうでもいい」
これ以上話す気はないと言わんばかりに、俺の背に回していた手を腰に滑らせて、表通りの方へ歩き出す。「あれ、ローレンスさんとイアンは?」と俺が慌てると、後ろから「俺らは適当に後から歩いて帰るからいーよ」とイアンののんきな声が答えてくれた。
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