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言えない言葉
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「ハバト、私はこれから所用で外に出てくる。万が一何かあれば宿の店主に必ず声をかけなさい。君への対応を最優先にするように伝えておく」
俺の肩を抱いて宿の部屋まで送ってくれたセブさんが、徐ろに体を離してそう言った。
「こんな時間にでかけるんですか…?」
食事後に飲んだミルク酒の酔いがまわって、ほこほこふわふわしていた思考が、急に現実に引き戻された。
寂しい。本当はセブさんにもっと頭を撫でて欲しいし、くっついていたい。でもそれはたぶん迷惑になるから、我慢してここまで来たのに。
「大した用じゃないから君は先に寝ていなさい。シャワーは部屋についてるものを使ってくれ。今君は酔っているから、明日の朝に浴びた方がいいな」
「置いてかないでください…」
耐え切れずに、セブさんのマントを掴んでしまう。思考だけじゃなく、体もぽかぽかふわふわしていて、力がうまく入っているのかよくわからない。
「…君は本当に可愛らしくて困るな。このまま眺めていたいところだが、君は少し休むべきだ」
可愛いと言われる度に罪悪感が積もる。
苦笑いを浮かべたセブさんが、マントを掴む俺の手にふわりと手を重ねて室内に先導する。どうやらベッドで休ませたいらしい。このまま身を任せていれば、彼手ずから靴まで脱がせてくれそうだ。でも俺は、彼にそんなことしてもらえるような人間じゃない。
俺の手を引く大きな手を、やんわりと振り払う。
「…大丈夫です。わがまま言ってごめんなさい」
「ハバト?」
「ちゃんと寝ます。だから、いってらっしゃい、セブさん」
悲しくなって俯いてしまった俺の顔を、セブさんは気遣わしげに覗き込む。
「ハバト、どうした?気分が悪いか?」
「いえ。何も……少し、眠くなったかも」
俺の嘘に気付いているのかどうか。セブさんは少しばかりの沈黙の後、「気分が悪くなればすぐに店主に薬をもらいなさい」と保護者の顔で体を引いた。
「私が出たらすぐに扉を施錠してくれ。明日の朝は、八時に迎えに来る」
フードを被り直しながら部屋を出ていくセブさんの背を見送り、言いつけ通りに扉の鍵をかける。
鍵をかけるカタリ、という小さな音の後、扉の向こう側で重み有る足音が遠ざかって行った。
静かな部屋の中、さっきまであんなに幸せな気分だったのが嘘のようにじわじわと冷めていく。アルコールのお陰で内臓だけはやたらと熱い。
浮ついた足取りでシャワー室に向かい、洗面台でのろのろと顔を洗ってからベッドに寝転がった。満月が近いらしく月が明るい。上体を起こして、ベッド横の小窓を開け放つと、ひんやり湿った夜のにおいのする風が吹いて、より孤独感だけが増した。
酒の力だけで楽しかったんじゃないのはわかっている。まるで彼と二人きりの世界にいるようで幸せだったのだ。彼がいないだけでこんなに寂しくて悲しいなんて、俺はどうしちゃったんだろう。壁にもたれてまぶたを閉じ、白金に煌めく翠玉のような彼の姿を思い浮かべると僅かに多幸感が蘇る。
彼はこんな俺にでもとてもとても優しい。心臓に直接届くような心地よい低音で俺の名を呼んでくれる。大きな手は男らしいけれど、指が長くて、短く切りそろえられた爪先まで優雅だ。俺より頭一つ分背が高くて、俺よりずっと体も厚い。でもひとつひとつの所作がとてもキレイで、学のない俺でも彼の育ちが良いことはわかる。
彼の笑う顔が好きだ。目尻に少しだけ寄る笑い皺が優しげで好きだ。
彼に触れてもらえるのも好きだ。どきどきするけどふわふわして気持ちいい。
彼と手をつなぐのも好きだ。ひと回り大きな手のひらも指も、まるで自分と全く違う生き物みたいなのに、同じ体温を返してくれて、指先の機微で心通うような心地がする。
許されるなら、彼にもっと触れてみたいし、触れられてみたい。例えば、彼の指先や頬に唇で触れてみたい。そうしたら、彼はどんな顔をするだろう。困らせてしまうか、気味悪がられてしまうか。でも、彼なら優しく微笑んでくれるんじゃないだろうか。何の根拠もなくそう思った。
いや、違う。これは推測でも何でもない。ただの俺の願望だ。身勝手で恥知らずな、願望。
俺は、彼に触れることを許されたい。
びくりと両肩が撥ねた。いつの間にか寝てしまっていたらしい。見上げた月の位置は変わっていないから、寝ていたのはほんの短い時間だったんだと思う。まだ酒の抜けきらない思考が不明瞭なままだ。
夢の中でとんでもないことを考えていた気がする。
じわり、と背に変な汗をかく。
このまま寝て、その夢の続きを見てしまうのが怖くてベッドから起き上がった。サイドテーブルの上に置かれた水差しから、グラスに水を注いで飲み干した。贅沢にも冷却の魔法がかかっているらしく、とてもひんやりした果実水だった。抗菌効果の高いハーブの香りもする。客室にシャワー室がついているのも驚きだし、本当に良い宿屋だと実感する。
ばあばの仕事を代わりに請け負う時は、薬の材料費はもらうが調合費は求めないことにしてる。俺は魔女ではないから。でも、セブさんにこれだけお金をかけさせてしまっていては、報酬を前払いしてもらってるようなものだ。
金銭だけのことではない。彼は表情ひとつとっても、出し惜しんだりしない。いつでも笑顔をくれて、気遣いも行き届いている。
彼は俺にすら優しいんだから、きっとその潤沢な優しさをいろんな人に振りまいて生きているんだろう。あの優しさに触れて、彼を好きにならない人なんていないんじゃないかとすら思う。
今も彼は、俺の知らないところで知らない誰かを魅了しているのだろうか。
「なんかやだ…」
早く帰ってきてほしい。とんでもなく重ったるくて長ったらしい溜め息が出た。
セブさんが行き先すら教えてくれなかったことに、今更傷付く。俺が酔ってなければ連れてってくれたんだろうか。
「俺バカじゃん…」
慣れない酒なんて飲まなきゃよかった。でもセブさんと一緒に酒飲みたかったんだもん。二度目の溜め息。そんなものいくら吐いても陰鬱な気持ちは無くならない。
セブさんは、何かあれば店主に伝えるようにと言っていた。それは単純に、不便がないように計らってくれと店主に伝えているのだと思っていたが、もしかすると俺に何かあった時の連絡先として、店主はセブさんの行き先を知ってるんではないだろうか。気遣い深いセブさんならそこまで手を回していてもおかしくない。
店主に、聞いてみようかな。セブさんがどこにいるか聞けたら、もしかしたら少しはこのもやもやがマシになるかもしれない。
もしセブさんの行き先を教えてもらえなかったら、いっそ余計なこと考えなくていいくらい深酒してどろどろに酔って眠ってしまおうか。隣の居酒屋にあった蜂蜜酒、とてもキレイな色味で気になってたんだ。
楽しいことを考えたら少し気持ちが持ち直した。そうしよう、そうしよう。
いつものローブ、持ってくれば良かったなあ。なるべく顔を隠すように、見慣れたピンクベージュの前髪を引っ張る。首上でくくった髪紐を解けばもう少し顔を隠せるけど、彼からもらったこれはなるべく外したくない。
俺は、「よし!」と気合を入れてから、せかせかと財布と部屋の鍵を持って部屋を出た。
俺の肩を抱いて宿の部屋まで送ってくれたセブさんが、徐ろに体を離してそう言った。
「こんな時間にでかけるんですか…?」
食事後に飲んだミルク酒の酔いがまわって、ほこほこふわふわしていた思考が、急に現実に引き戻された。
寂しい。本当はセブさんにもっと頭を撫でて欲しいし、くっついていたい。でもそれはたぶん迷惑になるから、我慢してここまで来たのに。
「大した用じゃないから君は先に寝ていなさい。シャワーは部屋についてるものを使ってくれ。今君は酔っているから、明日の朝に浴びた方がいいな」
「置いてかないでください…」
耐え切れずに、セブさんのマントを掴んでしまう。思考だけじゃなく、体もぽかぽかふわふわしていて、力がうまく入っているのかよくわからない。
「…君は本当に可愛らしくて困るな。このまま眺めていたいところだが、君は少し休むべきだ」
可愛いと言われる度に罪悪感が積もる。
苦笑いを浮かべたセブさんが、マントを掴む俺の手にふわりと手を重ねて室内に先導する。どうやらベッドで休ませたいらしい。このまま身を任せていれば、彼手ずから靴まで脱がせてくれそうだ。でも俺は、彼にそんなことしてもらえるような人間じゃない。
俺の手を引く大きな手を、やんわりと振り払う。
「…大丈夫です。わがまま言ってごめんなさい」
「ハバト?」
「ちゃんと寝ます。だから、いってらっしゃい、セブさん」
悲しくなって俯いてしまった俺の顔を、セブさんは気遣わしげに覗き込む。
「ハバト、どうした?気分が悪いか?」
「いえ。何も……少し、眠くなったかも」
俺の嘘に気付いているのかどうか。セブさんは少しばかりの沈黙の後、「気分が悪くなればすぐに店主に薬をもらいなさい」と保護者の顔で体を引いた。
「私が出たらすぐに扉を施錠してくれ。明日の朝は、八時に迎えに来る」
フードを被り直しながら部屋を出ていくセブさんの背を見送り、言いつけ通りに扉の鍵をかける。
鍵をかけるカタリ、という小さな音の後、扉の向こう側で重み有る足音が遠ざかって行った。
静かな部屋の中、さっきまであんなに幸せな気分だったのが嘘のようにじわじわと冷めていく。アルコールのお陰で内臓だけはやたらと熱い。
浮ついた足取りでシャワー室に向かい、洗面台でのろのろと顔を洗ってからベッドに寝転がった。満月が近いらしく月が明るい。上体を起こして、ベッド横の小窓を開け放つと、ひんやり湿った夜のにおいのする風が吹いて、より孤独感だけが増した。
酒の力だけで楽しかったんじゃないのはわかっている。まるで彼と二人きりの世界にいるようで幸せだったのだ。彼がいないだけでこんなに寂しくて悲しいなんて、俺はどうしちゃったんだろう。壁にもたれてまぶたを閉じ、白金に煌めく翠玉のような彼の姿を思い浮かべると僅かに多幸感が蘇る。
彼はこんな俺にでもとてもとても優しい。心臓に直接届くような心地よい低音で俺の名を呼んでくれる。大きな手は男らしいけれど、指が長くて、短く切りそろえられた爪先まで優雅だ。俺より頭一つ分背が高くて、俺よりずっと体も厚い。でもひとつひとつの所作がとてもキレイで、学のない俺でも彼の育ちが良いことはわかる。
彼の笑う顔が好きだ。目尻に少しだけ寄る笑い皺が優しげで好きだ。
彼に触れてもらえるのも好きだ。どきどきするけどふわふわして気持ちいい。
彼と手をつなぐのも好きだ。ひと回り大きな手のひらも指も、まるで自分と全く違う生き物みたいなのに、同じ体温を返してくれて、指先の機微で心通うような心地がする。
許されるなら、彼にもっと触れてみたいし、触れられてみたい。例えば、彼の指先や頬に唇で触れてみたい。そうしたら、彼はどんな顔をするだろう。困らせてしまうか、気味悪がられてしまうか。でも、彼なら優しく微笑んでくれるんじゃないだろうか。何の根拠もなくそう思った。
いや、違う。これは推測でも何でもない。ただの俺の願望だ。身勝手で恥知らずな、願望。
俺は、彼に触れることを許されたい。
びくりと両肩が撥ねた。いつの間にか寝てしまっていたらしい。見上げた月の位置は変わっていないから、寝ていたのはほんの短い時間だったんだと思う。まだ酒の抜けきらない思考が不明瞭なままだ。
夢の中でとんでもないことを考えていた気がする。
じわり、と背に変な汗をかく。
このまま寝て、その夢の続きを見てしまうのが怖くてベッドから起き上がった。サイドテーブルの上に置かれた水差しから、グラスに水を注いで飲み干した。贅沢にも冷却の魔法がかかっているらしく、とてもひんやりした果実水だった。抗菌効果の高いハーブの香りもする。客室にシャワー室がついているのも驚きだし、本当に良い宿屋だと実感する。
ばあばの仕事を代わりに請け負う時は、薬の材料費はもらうが調合費は求めないことにしてる。俺は魔女ではないから。でも、セブさんにこれだけお金をかけさせてしまっていては、報酬を前払いしてもらってるようなものだ。
金銭だけのことではない。彼は表情ひとつとっても、出し惜しんだりしない。いつでも笑顔をくれて、気遣いも行き届いている。
彼は俺にすら優しいんだから、きっとその潤沢な優しさをいろんな人に振りまいて生きているんだろう。あの優しさに触れて、彼を好きにならない人なんていないんじゃないかとすら思う。
今も彼は、俺の知らないところで知らない誰かを魅了しているのだろうか。
「なんかやだ…」
早く帰ってきてほしい。とんでもなく重ったるくて長ったらしい溜め息が出た。
セブさんが行き先すら教えてくれなかったことに、今更傷付く。俺が酔ってなければ連れてってくれたんだろうか。
「俺バカじゃん…」
慣れない酒なんて飲まなきゃよかった。でもセブさんと一緒に酒飲みたかったんだもん。二度目の溜め息。そんなものいくら吐いても陰鬱な気持ちは無くならない。
セブさんは、何かあれば店主に伝えるようにと言っていた。それは単純に、不便がないように計らってくれと店主に伝えているのだと思っていたが、もしかすると俺に何かあった時の連絡先として、店主はセブさんの行き先を知ってるんではないだろうか。気遣い深いセブさんならそこまで手を回していてもおかしくない。
店主に、聞いてみようかな。セブさんがどこにいるか聞けたら、もしかしたら少しはこのもやもやがマシになるかもしれない。
もしセブさんの行き先を教えてもらえなかったら、いっそ余計なこと考えなくていいくらい深酒してどろどろに酔って眠ってしまおうか。隣の居酒屋にあった蜂蜜酒、とてもキレイな色味で気になってたんだ。
楽しいことを考えたら少し気持ちが持ち直した。そうしよう、そうしよう。
いつものローブ、持ってくれば良かったなあ。なるべく顔を隠すように、見慣れたピンクベージュの前髪を引っ張る。首上でくくった髪紐を解けばもう少し顔を隠せるけど、彼からもらったこれはなるべく外したくない。
俺は、「よし!」と気合を入れてから、せかせかと財布と部屋の鍵を持って部屋を出た。
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