30 / 30
第2部
嫌な予感しかして来ない
しおりを挟む
肉や魚介類、野菜も程よく焼けて来て、エミリアが紙皿に取って俺に渡してくれる。
庭に置かれているテーブルの一つに渡された皿を置く。
「ありがとう」
早速肉を口に入れてみると柔らかくて美味しい。
家ではまず食べられない肉だ。
「美味しい。」
俺が素直に言うと
「でしょう」
とエミリアは頷いて続ける。
「ジュース取ってくるね。烏龍茶で良い?」
「ありがとう。でも、烏龍茶が良いと良くわかったね?」
俺が疑問を口にするとエミリアはにっこりと微笑んで
「誠とどれだけの付き合いだと思っているの?こ、れぐらいなら解るよ。あ、これ少し持っていて」
エミリアは自分の紙皿を俺に渡して、飲み物を取りに行くため、離れていく。
「俺は流石に解らないんだけどな。」
流石に俺はエミリアが何を飲みたいと言うのは解らんぞ、付き合いの長さは同じぐらいなのに。
俺は視線を母ちゃんの方に移すと、ビール飲んでる。
「今日泊まりかな……」
一応、着替えや歯磨きセット等は持ってきてはいる。
俺は家に帰っても良いのだけど、いつもアイナおばさんやエミリアから泊まって行けばと言われるので、毎年甘えている。明日学校でも、エミリアの家からそのまま登校していた。
両親は有給入れているけどね。
ただ今年は明日バイトのため、朝早く帰らないと行けない。
「お待たせ。」
エミリアが横から声をかけてくる。
「何見ていたの?」
エミリアは持ってきた飲み物を持ちながら尋ねてきた。
「いや、うちの母ちゃんビール飲んでいるなと思って。」
「お母さんも泊めるつもりみたいだしね。と言うかおじ様がいないと言うだけで毎年泊まって行っているよね。誠も着替えとか持ってきているんでしょう?」
エミリアの言葉に俺は頷く。
「持ってきてはいるけど、何か悪いなと思って……」
「何言ってるの。お母さんも喜んでいるし……」
金髪の幼馴染は何故か俺の顔を下から見上げる姿勢になり、青い瞳で俺を見つめながら
「それに私も誠と一緒にいられて嬉しいな」
と少しゆっくりと口にした。
八神正美(誠の父親視点)
約束の時間五分前に武田会長が来られたので、俺は畳から立ち上がり、頭を下げる。
「やあ、わざわざ来てもらってすまなかったねえ。本来は私達が家に伺うのが筋なのだが、私も忙しくてね」
「いえいえ。会長がお忙しいのは重々……私達?」
会長の後ろに着物を着た美少女がいるのに俺は気づいた。
「紹介が遅れたな。これは君のご子息が救ってくれた私の娘だよ。」
紹介された少女は頭を下げる。
「武田薫と申します。以後お見知り置きを……」
見とれそうになる程の美少女だったが、嬉しさは全くなく嫌な予感しかしてこない。
(ああ、腹が痛い)
と俺は心の中で呟いた。
庭に置かれているテーブルの一つに渡された皿を置く。
「ありがとう」
早速肉を口に入れてみると柔らかくて美味しい。
家ではまず食べられない肉だ。
「美味しい。」
俺が素直に言うと
「でしょう」
とエミリアは頷いて続ける。
「ジュース取ってくるね。烏龍茶で良い?」
「ありがとう。でも、烏龍茶が良いと良くわかったね?」
俺が疑問を口にするとエミリアはにっこりと微笑んで
「誠とどれだけの付き合いだと思っているの?こ、れぐらいなら解るよ。あ、これ少し持っていて」
エミリアは自分の紙皿を俺に渡して、飲み物を取りに行くため、離れていく。
「俺は流石に解らないんだけどな。」
流石に俺はエミリアが何を飲みたいと言うのは解らんぞ、付き合いの長さは同じぐらいなのに。
俺は視線を母ちゃんの方に移すと、ビール飲んでる。
「今日泊まりかな……」
一応、着替えや歯磨きセット等は持ってきてはいる。
俺は家に帰っても良いのだけど、いつもアイナおばさんやエミリアから泊まって行けばと言われるので、毎年甘えている。明日学校でも、エミリアの家からそのまま登校していた。
両親は有給入れているけどね。
ただ今年は明日バイトのため、朝早く帰らないと行けない。
「お待たせ。」
エミリアが横から声をかけてくる。
「何見ていたの?」
エミリアは持ってきた飲み物を持ちながら尋ねてきた。
「いや、うちの母ちゃんビール飲んでいるなと思って。」
「お母さんも泊めるつもりみたいだしね。と言うかおじ様がいないと言うだけで毎年泊まって行っているよね。誠も着替えとか持ってきているんでしょう?」
エミリアの言葉に俺は頷く。
「持ってきてはいるけど、何か悪いなと思って……」
「何言ってるの。お母さんも喜んでいるし……」
金髪の幼馴染は何故か俺の顔を下から見上げる姿勢になり、青い瞳で俺を見つめながら
「それに私も誠と一緒にいられて嬉しいな」
と少しゆっくりと口にした。
八神正美(誠の父親視点)
約束の時間五分前に武田会長が来られたので、俺は畳から立ち上がり、頭を下げる。
「やあ、わざわざ来てもらってすまなかったねえ。本来は私達が家に伺うのが筋なのだが、私も忙しくてね」
「いえいえ。会長がお忙しいのは重々……私達?」
会長の後ろに着物を着た美少女がいるのに俺は気づいた。
「紹介が遅れたな。これは君のご子息が救ってくれた私の娘だよ。」
紹介された少女は頭を下げる。
「武田薫と申します。以後お見知り置きを……」
見とれそうになる程の美少女だったが、嬉しさは全くなく嫌な予感しかしてこない。
(ああ、腹が痛い)
と俺は心の中で呟いた。
9
お気に入りに追加
460
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる