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第1部
母ちゃんが酷い
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リビングに降りるとすでに母ちゃんと金髪の幼馴染みがテーブルの椅子に座っており、俺も席に近づこうとした所で
「誠、髪また寝癖ついているよ。」
とエミリアが言いながら立ち上がって俺に近づき、俺の髪を白い手で優しく髪を梳いてくれる。
何かめちゃくちゃ恥ずかしい。そして母ちゃんの目が何か生暖かい。
「良いよ。家の中だし……」
俺がそう言うと
「駄目~。急にお客さんとか来たらどうするの?家にいるにしても最低限の身だしなみは必要だよ。」
とエミリアはニッコリと笑みを浮かべながら言ってくる。
おとなしくエミリアにさせていると、
「はい、とれたよ。」
と言いながらエミリアは俺の頭から雪のような白い手を離した。
席につくとテーブルの上には炒飯が置かれている。
口をつけてみると母ちゃんの味でない事に気づいた。
若干塩味が強い、どちらかと言うと塩味が好きな俺に合わせてくれている。
「作ってくれたのエミリア?」
金髪の幼馴染みはニッコリと微笑んで頷いた。
「そうだよ。良くわかったね?」
「まあ、母ちゃんと味付けが違ったからね」
母ちゃんはどちらかと言うと薄味。まあ、そっちの方が健康には良いんだろうけどさ。
「味はどうだったかな?」
エミリアは表情は変わっていなかったが、若干心配そうな目をしながら尋ねてきた。
普通の人間ではまず気づかない、付き合いが深くて長い俺だから気づける僅かな差である。
「美味しかったよ。俺の好みな味付けだったし」
俺が正直に答えると金髪の幼馴染みはほっとしたようだ、雰囲気でそれが何となくわかった。
しかし、何か味付けに不安になるような事あったのだろうか?何か失敗していたのかな?全然解らなかったけど。
まあ、空気を読める俺はそんな事口には出さないけどね。
「でもさ、エミリアって家事も完璧だよね。将来エミリアと結婚できる人って羨ましいな。」
代わりに俺は半分本気、半分軽口の感想を口に出したら何故か彼女の白い頬が赤くなり、何故か黙ってしまう。
てっきり『当然よ』みたいなかんじで返してくるのかなと思っていたんだけど。
少し時間がたって返ってきた言葉も
「あたしはいつでも良いんだけどね?」
何故疑問系?まあ、冗談なんだろうけどさ。
しかし、エミリアの恥ずかしそうな表情、そして手をモジモジしている姿がとても可愛い。
こう言うの見ると実は俺に恋しているんじゃない?とかアホな勘違いしてしまいそうになる。
まあ、俺は付き合いが長いからそんな勘違いはしないけど、他の男にこんな態度をとったら勘違いして騙される男は多数だろう。
これ、仲の良い幼馴染として言っておいた方が良いよな。エミリアのためにも
「エミリア」
俺がエミリアの名を呼ぶと
「はいっ」
とエミリアは答えながらも彼女は顔をさらに赤くして固まってしまう。
実は熱でもあるんじゃないと金髪の幼馴染みが心配になってくる。だいぶ強くなってきたけど、体は昔から少し弱いし。
「エミリア、大丈夫?顔赤いけど熱あるんじゃない?」
俺が心配して尋ねると幼馴染みは全力で首を振って
「大丈夫。今日絶好調だから」
否定してくる。
そして、蒼い瞳をした目で続きを促してくる。
「それなら」
と俺は続きを話す。
「えっとさ、俺以外の男にさ、さっきみたいな態度をとると変な勘違いする奴が出てくるかも知れないから……」
何だろう、自分が何言っているか、解らなくなってきた。
だが、金髪の幼馴染みには通じたのか
「心配してくれるんだ。」
と言いながら嬉しそうに続けてくる。
「大丈夫だよ、誠以外にする事はあり得ないから。心配してくれてありがとう」
何故、俺以外なのかは解らないが、とりあえず答えておく。
「そりゃあ、大事な幼馴染みだしな。」
そう答えると何故か笑っている幼馴染みの雰囲気に怒りが混じり、母ちゃんは盛大なため息をつく。
「あんた、一辺人生やり直してきな。ここまで空気が読めないなんて……どこで教育間違ったんだろう」
と母親とは思えぬ酷い事を言ってきた。本当、酷いよね。この母親
しかし、何か俺が悪い雰囲気だ。何か女性陣にケンカを売るような事言ったかな?身に覚えがないんだけど。俺は疑問と理不尽さを感じながら食事を進めた。
☆☆☆☆
昼食後、皿洗いをしようとするエミリアを止め、自分でする。
流石に昼食作ってもらっているのに、そんな事までさせる訳にはいかない。
その後はエミリアと部屋でマリオ〇ードしたり、適当にしゃべったりして過ごしていた。
帰り間際に幼馴染みが
「明日用事ある?」
と尋ねてきたので首を横に振る。
「昼からバイト」
と答えるとエミリアは一瞬残念そうになるが、微笑を浮かべ
「そう。頑張ってね」
といってくれる。
「ありがとう。家まで送っていこうか?」
と俺が言うと
「まだ明るいから大丈夫だよ。それに寄る所もあるし。でもありがとう、心配してくれて」
ちょっと嬉しそうな笑みを浮かべて幼馴染みは答えた。
「誠、髪また寝癖ついているよ。」
とエミリアが言いながら立ち上がって俺に近づき、俺の髪を白い手で優しく髪を梳いてくれる。
何かめちゃくちゃ恥ずかしい。そして母ちゃんの目が何か生暖かい。
「良いよ。家の中だし……」
俺がそう言うと
「駄目~。急にお客さんとか来たらどうするの?家にいるにしても最低限の身だしなみは必要だよ。」
とエミリアはニッコリと笑みを浮かべながら言ってくる。
おとなしくエミリアにさせていると、
「はい、とれたよ。」
と言いながらエミリアは俺の頭から雪のような白い手を離した。
席につくとテーブルの上には炒飯が置かれている。
口をつけてみると母ちゃんの味でない事に気づいた。
若干塩味が強い、どちらかと言うと塩味が好きな俺に合わせてくれている。
「作ってくれたのエミリア?」
金髪の幼馴染みはニッコリと微笑んで頷いた。
「そうだよ。良くわかったね?」
「まあ、母ちゃんと味付けが違ったからね」
母ちゃんはどちらかと言うと薄味。まあ、そっちの方が健康には良いんだろうけどさ。
「味はどうだったかな?」
エミリアは表情は変わっていなかったが、若干心配そうな目をしながら尋ねてきた。
普通の人間ではまず気づかない、付き合いが深くて長い俺だから気づける僅かな差である。
「美味しかったよ。俺の好みな味付けだったし」
俺が正直に答えると金髪の幼馴染みはほっとしたようだ、雰囲気でそれが何となくわかった。
しかし、何か味付けに不安になるような事あったのだろうか?何か失敗していたのかな?全然解らなかったけど。
まあ、空気を読める俺はそんな事口には出さないけどね。
「でもさ、エミリアって家事も完璧だよね。将来エミリアと結婚できる人って羨ましいな。」
代わりに俺は半分本気、半分軽口の感想を口に出したら何故か彼女の白い頬が赤くなり、何故か黙ってしまう。
てっきり『当然よ』みたいなかんじで返してくるのかなと思っていたんだけど。
少し時間がたって返ってきた言葉も
「あたしはいつでも良いんだけどね?」
何故疑問系?まあ、冗談なんだろうけどさ。
しかし、エミリアの恥ずかしそうな表情、そして手をモジモジしている姿がとても可愛い。
こう言うの見ると実は俺に恋しているんじゃない?とかアホな勘違いしてしまいそうになる。
まあ、俺は付き合いが長いからそんな勘違いはしないけど、他の男にこんな態度をとったら勘違いして騙される男は多数だろう。
これ、仲の良い幼馴染として言っておいた方が良いよな。エミリアのためにも
「エミリア」
俺がエミリアの名を呼ぶと
「はいっ」
とエミリアは答えながらも彼女は顔をさらに赤くして固まってしまう。
実は熱でもあるんじゃないと金髪の幼馴染みが心配になってくる。だいぶ強くなってきたけど、体は昔から少し弱いし。
「エミリア、大丈夫?顔赤いけど熱あるんじゃない?」
俺が心配して尋ねると幼馴染みは全力で首を振って
「大丈夫。今日絶好調だから」
否定してくる。
そして、蒼い瞳をした目で続きを促してくる。
「それなら」
と俺は続きを話す。
「えっとさ、俺以外の男にさ、さっきみたいな態度をとると変な勘違いする奴が出てくるかも知れないから……」
何だろう、自分が何言っているか、解らなくなってきた。
だが、金髪の幼馴染みには通じたのか
「心配してくれるんだ。」
と言いながら嬉しそうに続けてくる。
「大丈夫だよ、誠以外にする事はあり得ないから。心配してくれてありがとう」
何故、俺以外なのかは解らないが、とりあえず答えておく。
「そりゃあ、大事な幼馴染みだしな。」
そう答えると何故か笑っている幼馴染みの雰囲気に怒りが混じり、母ちゃんは盛大なため息をつく。
「あんた、一辺人生やり直してきな。ここまで空気が読めないなんて……どこで教育間違ったんだろう」
と母親とは思えぬ酷い事を言ってきた。本当、酷いよね。この母親
しかし、何か俺が悪い雰囲気だ。何か女性陣にケンカを売るような事言ったかな?身に覚えがないんだけど。俺は疑問と理不尽さを感じながら食事を進めた。
☆☆☆☆
昼食後、皿洗いをしようとするエミリアを止め、自分でする。
流石に昼食作ってもらっているのに、そんな事までさせる訳にはいかない。
その後はエミリアと部屋でマリオ〇ードしたり、適当にしゃべったりして過ごしていた。
帰り間際に幼馴染みが
「明日用事ある?」
と尋ねてきたので首を横に振る。
「昼からバイト」
と答えるとエミリアは一瞬残念そうになるが、微笑を浮かべ
「そう。頑張ってね」
といってくれる。
「ありがとう。家まで送っていこうか?」
と俺が言うと
「まだ明るいから大丈夫だよ。それに寄る所もあるし。でもありがとう、心配してくれて」
ちょっと嬉しそうな笑みを浮かべて幼馴染みは答えた。
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