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第1部 最終章
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リューベック軍はオレオ平原に進撃する前に本営を置いていたオッサル高原に本営を移していた。
追撃部隊が敗走するフリーランス軍を追撃しているが、国境までは追わずにある程度したら帰陣するように命は出している。
現在、リューベック軍本営ではフリーランス王国に逆侵攻を行うかどうかの軍議が開かれていた。
「フリーランス軍が残した軍需物資も摂取した今、直ちにフリーランス領に侵攻をかけるべきだと愚考いたします」
本当、愚考だよとアルベルトは突っ込みたかった。逆侵攻かけて賠償金を多く取るぐらいならアルベルト達にとって許容範囲ではあるが、それ以上となるとフリーランス王国との対立は決定打となる。フリーランス王国の南にあるネーテル王国からは鉄等の鉱山資源を輸入しており、フリーランス王国はその交易ルートである。フリーランス王国からも毛織物を輸入しており、それらは北方諸国へ輸出している関係上、それは為政者としては避けたい。
そして、勝利に酔うリューベック軍をアルベルトは制御できるとは思っていなかった。
レッフラー将軍の提案にほとんどの将校は賛同の声を示した。
「その通りだ。今ならフリーランス領東部は切り取れよう」
いや、将校ばかりではなく領地を加増してもらう好機であると考えた諸侯も将軍に賛同している。
内務省や外務省の官僚がいたら反論してくれるだろうが、残念ながらここには軍部とそれに賛同している諸侯しかない。
(ああ、頭と腹が痛い。もう、誰かに押し付けられるなら押し付けたい。)
アルベルトは内心ため息をついていると
「しかし、そう簡単に行くでしょうか?侵攻するとなると大きな準備が必要となります。糧食等はフリーランス軍が残した物で当面保つでしょうが、地図等の情報不足は補い様がございません」
と黒狼隊の連隊長バルトルト・チェルハが意見を述べた。
「そんなの斥候を放てば良いではないか?」
レッフラー将軍に同調する将校は嘲笑を浮かべて言うが、バルトルトは冷静に反論する。
「斥候を放つのは当然です。しかし、抜け道等を完全に把握している訳ではなく、そのため奇襲や補給線を脅かされたりする可能性もありますし、そもそも侵攻計画は十分に練るべきです。このような泥縄式の侵攻をしてもリューベックの益になる可能性は極めて低いかと」
バルトルト・チェルハの言葉は理論的に正しいとアルベルトも思う。
確かに諜者が探り、フリーランスの地図もできているが、決して精度が高い物とは言えぬし、侵攻するにしても十分に計画を練ってからでないと成功しないだろう。
下手すれば超大国であったフラリン王国と同じ轍を踏むかも知れない。まあ、あれはあれでフェリオル王と黒旗軍がおかしいだけであるが……
「バルトルトの言も一理はあると私は思う。ロブェネル将軍はどう考える?」
(どうか、上手くまとめて欲しい。軍部の不満を極力抑えつつ、戦火を無駄に拡大しない方向で……)とアルベルトは心の中で祈りながら老将に話を振る。
「はっ。」
ロブェネル将軍は立ち上がり、アルベルトに一礼した後、口を開く。
「いくら勝利したとは言え無計画に侵攻すれば、今度は我々が敗軍となるでしょう。」
「戦いもせず、退けと言うのか!?」
レッフラー将軍が立ち上がり怒りに任せて反論する。
(俺としてはここで講和でも良いんだけどね。無論、賠償金等はもらうけど、最悪掛かった費用を8割ぐらい回収できれば問題ない。)とアルベルトは心の中で答える。
何故、8割回収で良いかとアルベルトが判断したかと言えば話は簡単である。交易で稼げば、残り2割もすぐ回収できるからだ。むしろ、フリーランスを必要以上に怒らせて交易に影響が出る方が大損だ。極端な話、少々の領土を切り取ったとしても割りに合わないのである。
「そうは言っておらぬ。侵攻するにしてもきちんと計画を立てるべきと言っているのだ。」
ロブェネル将軍は冷静に対応しているが、大半の将校はレッフラー将軍支持のようでロブェネル将軍を睨み付けている。
アルベルトはため息をつきたくなるのをこらえ、何とか折衷案を口にする。
「内務省らとの協定がある以上ランド金山の攻略を第1目標とする。軍の再編や兵員の補充をする間に将軍らは作戦をたてよ。」
防衛戦で大勝利をおさめ、逆侵攻となると略奪がしやすくなるため、傭兵らが募兵に応じやすくなり兵力を増やせる。侵攻軍の兵力が増えるのであれば、それだけ勝率も上がる。
それが解っているレッフラー将軍らも不満そうであるが、それを受け入れた。
☆☆☆☆☆☆
12月24日、旧フラリン王国王都バリにある宮殿。
教皇庁の使節団の団長であるマネンテ司教に渡された教皇の親書を読み終えたフェリオルは玉座に座りながらマネンテ司教に目を移す。
司教も頭を下げる事なく、じっと見つめていた。
神官が仕えるのは主神テンプレ及びテンプレ神の娘である神姫である以上、それも仕方のない事でもある。ましてや教皇庁の高位神官となればなおさらであろう。
「マネンテ司教、属国のザマー教国の改宗の件であるが……」
フェリオルは一息ついて続ける。
「断る。」
「なっ」
マネンテ司教を始めとした使節団の神官や左右に並ぶアストゥリウ諸侯や旧フラリン諸侯が驚いて声を上げるが、マネンテ司教はすぐに冷静さを取り戻し
「それはどういう訳ですかな?」
とあまり感情がこもっていない声で尋ねる。
「イスラン半島のザマー教諸国が降伏する条件に信教に関して条件を設けていないからな」
イスラン半島のザマー教諸国に出した条件は主に2つ、一部領土の割譲とアストゥリウ(フェリオル)への臣従である。
「テンプレ教に敗北し降伏したザマー教国に改宗を命じれば済む話です。何故それを躊躇うのです?」
マネンテ司教の一見無礼な言葉にフェリオルは苦笑を浮かべる。
イスラン半島のザマー教国を降伏させたのはフェリオルであるが、一方でその軍資金を提供していたのはテンプレ教諸国と教会である。確かにテンプレ教が破ったとも言えなくもないのである。
「臣下の生命財産、そして誇りや信教等を守る義務を国王は負っている。背いてもいないのにそれを蔑ろにする者に主君たる資格はない。講和条約でそれが条件に入っていればともかくそうでない以上我は王としてそれは出来ぬ」
少し時間を置きマネンテ司教は声を低くし、脅すように言う。
「改宗を拒めば教会は陛下を破門せざるを得なくなりますが宜しいのですか?」
「好きにすれば良い。アストゥリウにはアストゥリウの都合があるように教皇庁には教皇庁の都合があるだろうからな」
フェリオルは涼しげに答える。
「さようでございますか……ではこの事は教皇猊下に報告させていただきます。」
使節団が一礼して退室した後、頭を下げて沈黙している諸侯にフェリオルは宣言を出した。
「これより我らアストゥリウ王国は教皇庁と戦となるであろう。しかし、我はテンプレ神に誓う。神姫の代理と自称する奸族教皇らを討ち、神姫をお救いすると!」
諸侯達はどよめいた。
神姫の代理を自称とはテンプレ教異端諸派の謳い文句である。
しかし、主流派はテンプレ教教皇庁とその一派であり、その意向に逆らえば破門される。そのため、教皇庁の権威は大きい。
破門されたら破滅と言うのが常識である。そのため諸侯の動揺は大きい。
「神姫を敬うのはテンプレ教徒の義務ですが、破門されてしまうのはいかがなものかと……しかも元の要因は異教徒の改宗を拒否とすれば尚更……」
「ロエヌ男爵の言いたい事も解る。しかし、経典に異教徒を討伐せねばならないとは書かれておらぬ、異教徒と融和を図れるのであれば益が少ない戦争を続けるよりはるかに良かろう。それに教皇を恐れて教皇の増長を許すのはテンプレ神と神姫に対する不忠ではないか」
諸侯達が沈黙したのを確認したフェリオルはさらに続ける。
「教皇が破門を宣言したとしてもそれを無力化する策は考えている。諸卿らには軍備を整え不測の事態に備える事を要求する。後ロドリゲス子爵は残るように。以上解散」
大半の諸侯は動揺を隠す事なく、玉座の間から退室していく。
そして、諸侯らが退室した後ロドリゲス子爵が中央に進み出て片膝をつく。
それを確認したフェリオルは玉座から立ち、口を開く。
「子爵、卿に任を与える」
「はっ。」
「帝国やトスカナ王国等と交渉を進めよ。それに成功すれば所領の加増とともに伯爵への陞爵もつけてやる。」
フェリオルは自信に溢れた声でそう告げた。
追撃部隊が敗走するフリーランス軍を追撃しているが、国境までは追わずにある程度したら帰陣するように命は出している。
現在、リューベック軍本営ではフリーランス王国に逆侵攻を行うかどうかの軍議が開かれていた。
「フリーランス軍が残した軍需物資も摂取した今、直ちにフリーランス領に侵攻をかけるべきだと愚考いたします」
本当、愚考だよとアルベルトは突っ込みたかった。逆侵攻かけて賠償金を多く取るぐらいならアルベルト達にとって許容範囲ではあるが、それ以上となるとフリーランス王国との対立は決定打となる。フリーランス王国の南にあるネーテル王国からは鉄等の鉱山資源を輸入しており、フリーランス王国はその交易ルートである。フリーランス王国からも毛織物を輸入しており、それらは北方諸国へ輸出している関係上、それは為政者としては避けたい。
そして、勝利に酔うリューベック軍をアルベルトは制御できるとは思っていなかった。
レッフラー将軍の提案にほとんどの将校は賛同の声を示した。
「その通りだ。今ならフリーランス領東部は切り取れよう」
いや、将校ばかりではなく領地を加増してもらう好機であると考えた諸侯も将軍に賛同している。
内務省や外務省の官僚がいたら反論してくれるだろうが、残念ながらここには軍部とそれに賛同している諸侯しかない。
(ああ、頭と腹が痛い。もう、誰かに押し付けられるなら押し付けたい。)
アルベルトは内心ため息をついていると
「しかし、そう簡単に行くでしょうか?侵攻するとなると大きな準備が必要となります。糧食等はフリーランス軍が残した物で当面保つでしょうが、地図等の情報不足は補い様がございません」
と黒狼隊の連隊長バルトルト・チェルハが意見を述べた。
「そんなの斥候を放てば良いではないか?」
レッフラー将軍に同調する将校は嘲笑を浮かべて言うが、バルトルトは冷静に反論する。
「斥候を放つのは当然です。しかし、抜け道等を完全に把握している訳ではなく、そのため奇襲や補給線を脅かされたりする可能性もありますし、そもそも侵攻計画は十分に練るべきです。このような泥縄式の侵攻をしてもリューベックの益になる可能性は極めて低いかと」
バルトルト・チェルハの言葉は理論的に正しいとアルベルトも思う。
確かに諜者が探り、フリーランスの地図もできているが、決して精度が高い物とは言えぬし、侵攻するにしても十分に計画を練ってからでないと成功しないだろう。
下手すれば超大国であったフラリン王国と同じ轍を踏むかも知れない。まあ、あれはあれでフェリオル王と黒旗軍がおかしいだけであるが……
「バルトルトの言も一理はあると私は思う。ロブェネル将軍はどう考える?」
(どうか、上手くまとめて欲しい。軍部の不満を極力抑えつつ、戦火を無駄に拡大しない方向で……)とアルベルトは心の中で祈りながら老将に話を振る。
「はっ。」
ロブェネル将軍は立ち上がり、アルベルトに一礼した後、口を開く。
「いくら勝利したとは言え無計画に侵攻すれば、今度は我々が敗軍となるでしょう。」
「戦いもせず、退けと言うのか!?」
レッフラー将軍が立ち上がり怒りに任せて反論する。
(俺としてはここで講和でも良いんだけどね。無論、賠償金等はもらうけど、最悪掛かった費用を8割ぐらい回収できれば問題ない。)とアルベルトは心の中で答える。
何故、8割回収で良いかとアルベルトが判断したかと言えば話は簡単である。交易で稼げば、残り2割もすぐ回収できるからだ。むしろ、フリーランスを必要以上に怒らせて交易に影響が出る方が大損だ。極端な話、少々の領土を切り取ったとしても割りに合わないのである。
「そうは言っておらぬ。侵攻するにしてもきちんと計画を立てるべきと言っているのだ。」
ロブェネル将軍は冷静に対応しているが、大半の将校はレッフラー将軍支持のようでロブェネル将軍を睨み付けている。
アルベルトはため息をつきたくなるのをこらえ、何とか折衷案を口にする。
「内務省らとの協定がある以上ランド金山の攻略を第1目標とする。軍の再編や兵員の補充をする間に将軍らは作戦をたてよ。」
防衛戦で大勝利をおさめ、逆侵攻となると略奪がしやすくなるため、傭兵らが募兵に応じやすくなり兵力を増やせる。侵攻軍の兵力が増えるのであれば、それだけ勝率も上がる。
それが解っているレッフラー将軍らも不満そうであるが、それを受け入れた。
☆☆☆☆☆☆
12月24日、旧フラリン王国王都バリにある宮殿。
教皇庁の使節団の団長であるマネンテ司教に渡された教皇の親書を読み終えたフェリオルは玉座に座りながらマネンテ司教に目を移す。
司教も頭を下げる事なく、じっと見つめていた。
神官が仕えるのは主神テンプレ及びテンプレ神の娘である神姫である以上、それも仕方のない事でもある。ましてや教皇庁の高位神官となればなおさらであろう。
「マネンテ司教、属国のザマー教国の改宗の件であるが……」
フェリオルは一息ついて続ける。
「断る。」
「なっ」
マネンテ司教を始めとした使節団の神官や左右に並ぶアストゥリウ諸侯や旧フラリン諸侯が驚いて声を上げるが、マネンテ司教はすぐに冷静さを取り戻し
「それはどういう訳ですかな?」
とあまり感情がこもっていない声で尋ねる。
「イスラン半島のザマー教諸国が降伏する条件に信教に関して条件を設けていないからな」
イスラン半島のザマー教諸国に出した条件は主に2つ、一部領土の割譲とアストゥリウ(フェリオル)への臣従である。
「テンプレ教に敗北し降伏したザマー教国に改宗を命じれば済む話です。何故それを躊躇うのです?」
マネンテ司教の一見無礼な言葉にフェリオルは苦笑を浮かべる。
イスラン半島のザマー教国を降伏させたのはフェリオルであるが、一方でその軍資金を提供していたのはテンプレ教諸国と教会である。確かにテンプレ教が破ったとも言えなくもないのである。
「臣下の生命財産、そして誇りや信教等を守る義務を国王は負っている。背いてもいないのにそれを蔑ろにする者に主君たる資格はない。講和条約でそれが条件に入っていればともかくそうでない以上我は王としてそれは出来ぬ」
少し時間を置きマネンテ司教は声を低くし、脅すように言う。
「改宗を拒めば教会は陛下を破門せざるを得なくなりますが宜しいのですか?」
「好きにすれば良い。アストゥリウにはアストゥリウの都合があるように教皇庁には教皇庁の都合があるだろうからな」
フェリオルは涼しげに答える。
「さようでございますか……ではこの事は教皇猊下に報告させていただきます。」
使節団が一礼して退室した後、頭を下げて沈黙している諸侯にフェリオルは宣言を出した。
「これより我らアストゥリウ王国は教皇庁と戦となるであろう。しかし、我はテンプレ神に誓う。神姫の代理と自称する奸族教皇らを討ち、神姫をお救いすると!」
諸侯達はどよめいた。
神姫の代理を自称とはテンプレ教異端諸派の謳い文句である。
しかし、主流派はテンプレ教教皇庁とその一派であり、その意向に逆らえば破門される。そのため、教皇庁の権威は大きい。
破門されたら破滅と言うのが常識である。そのため諸侯の動揺は大きい。
「神姫を敬うのはテンプレ教徒の義務ですが、破門されてしまうのはいかがなものかと……しかも元の要因は異教徒の改宗を拒否とすれば尚更……」
「ロエヌ男爵の言いたい事も解る。しかし、経典に異教徒を討伐せねばならないとは書かれておらぬ、異教徒と融和を図れるのであれば益が少ない戦争を続けるよりはるかに良かろう。それに教皇を恐れて教皇の増長を許すのはテンプレ神と神姫に対する不忠ではないか」
諸侯達が沈黙したのを確認したフェリオルはさらに続ける。
「教皇が破門を宣言したとしてもそれを無力化する策は考えている。諸卿らには軍備を整え不測の事態に備える事を要求する。後ロドリゲス子爵は残るように。以上解散」
大半の諸侯は動揺を隠す事なく、玉座の間から退室していく。
そして、諸侯らが退室した後ロドリゲス子爵が中央に進み出て片膝をつく。
それを確認したフェリオルは玉座から立ち、口を開く。
「子爵、卿に任を与える」
「はっ。」
「帝国やトスカナ王国等と交渉を進めよ。それに成功すれば所領の加増とともに伯爵への陞爵もつけてやる。」
フェリオルは自信に溢れた声でそう告げた。
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