あなたに触れたくて

あまんさ

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日常

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月日は流れ、2回目の席替えがあった。

隣はハルノ。

人を笑わすことが上手な女の子だ。

隣になって数日。

私たちはすごく仲が良くなり、休み時間もお弁当もずっと一緒だった。

そんなハルノの口癖は

「彼氏欲しい~」

だ。

いつもそんなことを言ってるわりには、男子と関わりがない。

「彼氏欲しいならもっと男子と関わってみれば?」

と私はハルノに言ってみた。

すると、

「クラスの男子ブスばっかだもん。」

そう。

ハルノは究極の面食いだった。

ハルノのタイプを聞くと、二重で背が180以上、髪の毛はマッシュで襟足は刈り上げ、茶髪が似合って優しくて、料理ができて…(以下略)

とても理想が高くて、確かに、クラスの男子を相手にするほどじゃないなと思った。



ある日、ハルノと帰ろうとした時、運動場で部活中のサッカー部を見つけた。

その中である1人に私は釘付けになった。

隣のクラスのホリタくん。

学年の中で私の中で1番かっこいい、と思ってる人だ。

いつも制服のホリタくんのユニホーム姿が、あまりにもかっこよくて釘付けになってしまったのだ。

「なぁに見てんの。」

ニヤニヤして聞いてくるハルノ。

「いや、別に。」

ふと我に返った私は早足で運動場を後にする。

「うちら友達じゃん!教えて!」

面食いのハルノには知られたくなかったけど、このまま帰り道で、ずっと教えてと言われるのも面倒くさいと思い、言ってしまった。

「隣のクラスのホリタくんわかる?」

「あー、あの子ね。」

「その人がちょっと前からかっこいいなと思って。」

「えっ、B専…」

B専とは、ブス専門という意味だ。

ハルノはどうやらホリタくんのことをブスだと思っているらしい。

「理想が高いハルノには分かってもらえないですぅ。」

そう言ってハルノより1歩前を歩いた。

すると、後ろを歩いていたハルノが、

「好きなの?」

と聞いてきた。

そういうことを考えたことは無かったけれど、一瞬戸惑った私は、

「そ、そんなことないじゃん!」

と、いきなり大きな声を出してしまった。

「びっくりした。そんな大きな声出さなくていいじゃん。もしかして~?」

ニヤニヤが止まらないハルノに、私は、

「そういうの考えたことないからわからない~」

と笑って返した。

「じゃあ、ホリタくんと手繋いだりしたいと思う?」

と、ハルノは聞いてきた。

「えっ…。思わないけど。」

と、私は正直に答えると、

「じゃあまだ好きじゃないのかな。好きだったら手繋ぎたいとか思うもんね~」

ハルノはそう言いながら1歩先に歩いていた私を1歩抜かして私の前を歩いた。
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