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第5章
第168話 魔鋼の愛馬
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「ヒーメル山の内部にある古代遺跡……遥かな昔、魔獣と戦う要塞として使われていた遺跡には、未完成のまま放置された魔鋼兵が数多くあります。それらの魔鋼兵からパーツを抜き取り、組み合わせて作られたのがマギアバイクなのですっ!」
「なるほど……。ということは動力も魔鋼兵と同じ高魔元素なのかい?」
「はい! 我らジューネ族の村『パドゥ』は高魔元素の溜まり場ゆえ、村の中で魔力バッテリーへの高速チャージを行うことが出来るのです! 溜まり場はそもそも高魔元素の流れから外れた場所なので、そこでいくら魔力を取り出しても自然環境に影響はありませぬ!」
高魔元素――自然界に存在する純粋かつ莫大な魔力。
それは目に見えず触れられもしないが、川のように世界中を流れている。
川の行きつく先に湖があるように、流れる高魔元素には溜まる場所もある。
それがジューネ族の村パドゥであり、かつて俺とロックが足を踏み入れたアルタートゥムの遺跡群でもある。
魔力を溜め込むことが出来る道具『魔力バッテリー』……懐かしい響きだ。
高魔元素が一か所に溜まり過ぎて濃度が高まると、そこに棲む魔獣が突然変異を引き起こし、より強大な魔獣へと進化するリスクが高まる。
そのリスクを未然に防ぐためにアルタートゥムの遺跡群には周囲の高魔元素を吸収し、魔力バッテリーに溜め込む装置が設置されていた。
そして、国から装置の管理を任されていたのは……俺が前に所属していた上級ギルド『黒の雷霆』だ。
なお、上級ギルドにもかかわらず『黒の雷霆』の管理は杜撰そのものだった。
満タンになった魔力バッテリーの取り換えが行われておらず、吸収しきれなかった高魔元素が遺跡群を満たし、放置されていた古代兵器『魔鋼兵』にエネルギーを注ぎ込んだ。
そう、高魔元素は魔獣を強くする力であると同時に、古代の人々が魔獣に対抗するために作り出した魔鋼兵の動力にもなっているんだ。
それにしても、アルタートゥムの遺跡群の大事件――そんなに前のことでもないのに無性に懐かしいなぁ~。
あの頃と比べたら、俺とロックは相当強くなった。
きっと、今ならあの事件を俺たちの力だけで収拾出来るはずだ。
「お~い、ユート様~! お疲れですか?」
昔を懐かしむ俺の目の前を、バニラの手がぶんぶんと通過する。
「……あっ、ごめんごめん。つい昔のことを思い出してね」
「なるほど、ユート様と魔鋼兵には切っても切れない因縁がありますからな。でも、安心してくだされ! マギアバイクには魔鋼兵のパーツを流用しているといっても、魔鋼兵を自立行動させるための人工知能は積んでおりませぬ。勝手に動くことはありませぬぞ」
「それは安心だ。まっ、今の俺たちなら魔鋼兵の1体や2体は問題にならないけどね。ロックもそう思うだろう?」
「クー!」
ロックは大きく首を縦に振った。
これまでの経験か、ドラゴンの本能か――ロックの魔鋼兵への対抗心は強い。
「おお……それは頼もしい! ですが、我が鋼鉄の愛馬マギアバイクは無害ですので、くれぐれも大切に扱ってくだされ」
「もちろん、バニラの大切なものを壊したりしないよ。今までだって俺たちはあくまで降りかかる火の粉を払って来ただけなんだ。何も好きで古代の遺産を壊しまわってるわけじゃないさ」
「ク~!」
ロックだって対抗意識があるだけで魔鋼兵を怨んじゃいないさ。
ドラゴンという種族と過去に因縁があったとしても、幼いロックには関係ない。
「マギアバイクは試作品ゆえ、壊さずに持ち帰って走行データを提供しなければならぬのです。積まれている自衛用武装のデータも取った方が良いのですが、僕は姫様のように勇敢に戦う術を持ち合わせておりませんので、魔獣からは逃げの一手ですな……」
マギアバイクにも武装はついてるのか……。
まあ、単独で長距離を移動する乗り物なら、身を守るための装備の1つや2つは欲しいもんな。
「あと、マギアバイク最大の弱点は走っている時寂しいことですな……」
「寂しい……?」
「走り出した時は高速で流れる景色が物珍しく楽しいのですが、長時間1人で走っていると話し相手が欲しくなります……。なので、マギアバイクは中距離移動と割り切って、長距離移動は数人が乗れる大型の乗り物を採用すべきだと僕は進言致します!」
「大型の乗り物って『クライム・オブ・ヒーメル』の参加者をノーデンズの街から山のふもとの樹海まで運ぶ時のアレみたいな?」
俺は大型馬車のような見た目なのに馬がおらず、馬車だけで勝手に動く乗り物を思い出した。
今を思えばあれも古代技術の産物で、魔力を動力に動いていたんだろうな。
バニラと話していると、なんだか懐かしいことばかり思い出す。
「そうです、そうです! あれを小型化して最高速度を上げた『マギアカー』を採用した方が良いと、今度村に帰ったら言っておこうと思います」
ここでバニラの乗り物に関する話は一区切りついた。
でも、超特盛パフェはまだ運ばれてこない。
「……まだ時間がありそうなので、ユート様が書いた発表原稿を読ませていただきますぞ!」
「えっ!? 読むの……?」
「もちろん! 一度こちらで通して読まねば、チェックも出来ぬではありませんか!」
「そ、それはそうだね」
当たり前のことだが、いざその時が来ると緊張する!
自分の書いた文章を誰かが読んで、その評価を下されるというのは……!
「あの……これです」
思わず敬語を出しつつ、俺はバニラに原稿を渡した。
彼女は受け取ったそれをパラパラと読み始めた。
適当に読んでいるわけではない。
文章に合わせて彼女の目が素早く左右に動いているのがわかる。
たまにページをめくる手が止まって目が一点を凝視すると、そこの文章に不備があるのではないかと勘繰ってしまう……。
俺にとっては長い時間……。
でも、実際は十分にも満たない時間でバニラは原稿を読み終えた。
「……うむ! とっても良かったですぞ、ユート様!」
「ほ、本当っ!?」
「はい! 原稿の内容がドラゴンの生態として正しいかという点は、誰も本物のドラゴンを知らないのでわからないでしょう。ですが、学者目線で気になる疑問への回答は大体盛り込まれているので、質疑応答にも耐えうる内容になっていると思いますぞ!」
「おおおお……! それは良かった!」
「むふふ、それにしても読みやすい文章です。ユート様には文才がありますな!」
「えっ、えへへ……っ! そ、そうかなぁ~?」
「ええ、そうに違いありませぬ!」
まさか文章を褒めてもらえるとは思わなかった。
戦闘能力は毎日修行しているから褒められるのもわかるけど、文才とか普段意識していないところを褒められると……本気で照れてしまう!
きっと、今の俺はだらしないにやけ顔になっていることだろう……!
「さあ、細かな点の調整はパフェを食べながら話しましょうぞ」
バニラがそう言うと、ノックの後に個室の扉がガラッと開かれた。
「セットのドリンクをお持ちしました」
パフェが来たかと思ったらドリンクだった。
そういえば、パフェは作るのに時間がかかるからドリンクを先にお願いしますと言っていたな。
「ありがとうございます」
セットのドリンク4つがテーブルに置かれる。
2つは俺とバニラが飲むコーヒー。
残りの2つはロックが飲むミックスジュースと口直しに良さそうなジャスミンティーだ。
「お覚悟を……」
ドリンクを持って来た店員さんは、そう言ってサッと横へ移動した。
「お、お覚悟……?」
その言葉の意味はすぐにわかった。
「お待たせしました~! ソピア名物超特盛パフェで~す!」
店員さん2人がかりで巨大なパフェを持って来た!
「おおっ……ありがとうございます!」
ドリンクを端っこに動かし、パフェを置く場所を確保。
そうしてテーブルに巨大パフェが置かれる!
頼んだ時は少し不安になっていが、今は機嫌がいい。
全部を美味しく食べられる気しかしない!
「ごゆっくり……どうぞ」
ちょっと含みを持たせた言い方と、挑戦的な視線を向けながら店員さんたちは去っていった。
「では……いただきます!」
「いただきますぞ!」
「ク~!」
それぞれ取り分けて食べるなんてみみっちいことはしない。
全員が大きなスプーンを持ってパフェをつっつく。
ロックも前足で器用にスプーンを持って、無数に散らばるイチゴをすくって食べている。
元々パンを手で持って食べられるくらい器用だったけど、人の社会で生活する中でさらに手先が器用になってるなぁ~。
そうだ、この情報も発表原稿に盛り込んでおこう。
ドラゴン本来の生態ではなく、人と共に生きるロックだからこその特徴だと思うけど、きっとこういう話も学者さんたちは喜んでくれるだろう。
「う~ん、美味い! 1つ1つの食材が美味しいし、他の食材と混ぜても美味しいとは……!」
いろんなものを乗せてあるけど、そんなに食い合わせは良くないな……というパフェは結構ある。
だが、このソピアのパフェは違う。
フルーツならば他の食材との調和を守れる品種、生クリームやチョコレートなどは主張が激し過ぎない味に作ってある。
それでいて、単品で食べても味気ないということはない。
「まるで一切の無駄もミスもないソースコードのようですな……! 勇気を出して注文して良かった~!」
ソースコードの意味はよくわからないけど、バニラがこのパフェを最大限に褒めていることは何となく理解出来た。
「クゥクゥクゥ、クゥクゥクゥ」
いつもは食べ物をガツガツ食べるロックも、このパフェに関しては1口ずつ味を確かめている。
スプーンですくい取る箇所によって変わる味は飽きが来ない。
いくらでも食べられそうな気がする!
ああ、心の底から俺の発表が上手くいきそうな気がして来た。
バニラに連れられてこのお店に来て本当に良かった。
待ってろよ、魔獣学会シンポジウム――
俺とロックがドラゴンの何たるかを皆様にお教えしようぞ!
〓〓〓 お知らせ 〓〓〓
アルファポリスで本作のコミカライズがスタートしました!
描いてくださるのは大多ミノル先生です!
すっごく綺麗で描き込まれた作画に引き込まれること間違いなし!
ぜひぜひ小説や書籍と合わせて応援よろしくお願いします!
発売中の書籍第3巻はバチクソ面白いです!
でも1、2巻も面白いので全部読んでみてください!
「なるほど……。ということは動力も魔鋼兵と同じ高魔元素なのかい?」
「はい! 我らジューネ族の村『パドゥ』は高魔元素の溜まり場ゆえ、村の中で魔力バッテリーへの高速チャージを行うことが出来るのです! 溜まり場はそもそも高魔元素の流れから外れた場所なので、そこでいくら魔力を取り出しても自然環境に影響はありませぬ!」
高魔元素――自然界に存在する純粋かつ莫大な魔力。
それは目に見えず触れられもしないが、川のように世界中を流れている。
川の行きつく先に湖があるように、流れる高魔元素には溜まる場所もある。
それがジューネ族の村パドゥであり、かつて俺とロックが足を踏み入れたアルタートゥムの遺跡群でもある。
魔力を溜め込むことが出来る道具『魔力バッテリー』……懐かしい響きだ。
高魔元素が一か所に溜まり過ぎて濃度が高まると、そこに棲む魔獣が突然変異を引き起こし、より強大な魔獣へと進化するリスクが高まる。
そのリスクを未然に防ぐためにアルタートゥムの遺跡群には周囲の高魔元素を吸収し、魔力バッテリーに溜め込む装置が設置されていた。
そして、国から装置の管理を任されていたのは……俺が前に所属していた上級ギルド『黒の雷霆』だ。
なお、上級ギルドにもかかわらず『黒の雷霆』の管理は杜撰そのものだった。
満タンになった魔力バッテリーの取り換えが行われておらず、吸収しきれなかった高魔元素が遺跡群を満たし、放置されていた古代兵器『魔鋼兵』にエネルギーを注ぎ込んだ。
そう、高魔元素は魔獣を強くする力であると同時に、古代の人々が魔獣に対抗するために作り出した魔鋼兵の動力にもなっているんだ。
それにしても、アルタートゥムの遺跡群の大事件――そんなに前のことでもないのに無性に懐かしいなぁ~。
あの頃と比べたら、俺とロックは相当強くなった。
きっと、今ならあの事件を俺たちの力だけで収拾出来るはずだ。
「お~い、ユート様~! お疲れですか?」
昔を懐かしむ俺の目の前を、バニラの手がぶんぶんと通過する。
「……あっ、ごめんごめん。つい昔のことを思い出してね」
「なるほど、ユート様と魔鋼兵には切っても切れない因縁がありますからな。でも、安心してくだされ! マギアバイクには魔鋼兵のパーツを流用しているといっても、魔鋼兵を自立行動させるための人工知能は積んでおりませぬ。勝手に動くことはありませぬぞ」
「それは安心だ。まっ、今の俺たちなら魔鋼兵の1体や2体は問題にならないけどね。ロックもそう思うだろう?」
「クー!」
ロックは大きく首を縦に振った。
これまでの経験か、ドラゴンの本能か――ロックの魔鋼兵への対抗心は強い。
「おお……それは頼もしい! ですが、我が鋼鉄の愛馬マギアバイクは無害ですので、くれぐれも大切に扱ってくだされ」
「もちろん、バニラの大切なものを壊したりしないよ。今までだって俺たちはあくまで降りかかる火の粉を払って来ただけなんだ。何も好きで古代の遺産を壊しまわってるわけじゃないさ」
「ク~!」
ロックだって対抗意識があるだけで魔鋼兵を怨んじゃいないさ。
ドラゴンという種族と過去に因縁があったとしても、幼いロックには関係ない。
「マギアバイクは試作品ゆえ、壊さずに持ち帰って走行データを提供しなければならぬのです。積まれている自衛用武装のデータも取った方が良いのですが、僕は姫様のように勇敢に戦う術を持ち合わせておりませんので、魔獣からは逃げの一手ですな……」
マギアバイクにも武装はついてるのか……。
まあ、単独で長距離を移動する乗り物なら、身を守るための装備の1つや2つは欲しいもんな。
「あと、マギアバイク最大の弱点は走っている時寂しいことですな……」
「寂しい……?」
「走り出した時は高速で流れる景色が物珍しく楽しいのですが、長時間1人で走っていると話し相手が欲しくなります……。なので、マギアバイクは中距離移動と割り切って、長距離移動は数人が乗れる大型の乗り物を採用すべきだと僕は進言致します!」
「大型の乗り物って『クライム・オブ・ヒーメル』の参加者をノーデンズの街から山のふもとの樹海まで運ぶ時のアレみたいな?」
俺は大型馬車のような見た目なのに馬がおらず、馬車だけで勝手に動く乗り物を思い出した。
今を思えばあれも古代技術の産物で、魔力を動力に動いていたんだろうな。
バニラと話していると、なんだか懐かしいことばかり思い出す。
「そうです、そうです! あれを小型化して最高速度を上げた『マギアカー』を採用した方が良いと、今度村に帰ったら言っておこうと思います」
ここでバニラの乗り物に関する話は一区切りついた。
でも、超特盛パフェはまだ運ばれてこない。
「……まだ時間がありそうなので、ユート様が書いた発表原稿を読ませていただきますぞ!」
「えっ!? 読むの……?」
「もちろん! 一度こちらで通して読まねば、チェックも出来ぬではありませんか!」
「そ、それはそうだね」
当たり前のことだが、いざその時が来ると緊張する!
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「あの……これです」
思わず敬語を出しつつ、俺はバニラに原稿を渡した。
彼女は受け取ったそれをパラパラと読み始めた。
適当に読んでいるわけではない。
文章に合わせて彼女の目が素早く左右に動いているのがわかる。
たまにページをめくる手が止まって目が一点を凝視すると、そこの文章に不備があるのではないかと勘繰ってしまう……。
俺にとっては長い時間……。
でも、実際は十分にも満たない時間でバニラは原稿を読み終えた。
「……うむ! とっても良かったですぞ、ユート様!」
「ほ、本当っ!?」
「はい! 原稿の内容がドラゴンの生態として正しいかという点は、誰も本物のドラゴンを知らないのでわからないでしょう。ですが、学者目線で気になる疑問への回答は大体盛り込まれているので、質疑応答にも耐えうる内容になっていると思いますぞ!」
「おおおお……! それは良かった!」
「むふふ、それにしても読みやすい文章です。ユート様には文才がありますな!」
「えっ、えへへ……っ! そ、そうかなぁ~?」
「ええ、そうに違いありませぬ!」
まさか文章を褒めてもらえるとは思わなかった。
戦闘能力は毎日修行しているから褒められるのもわかるけど、文才とか普段意識していないところを褒められると……本気で照れてしまう!
きっと、今の俺はだらしないにやけ顔になっていることだろう……!
「さあ、細かな点の調整はパフェを食べながら話しましょうぞ」
バニラがそう言うと、ノックの後に個室の扉がガラッと開かれた。
「セットのドリンクをお持ちしました」
パフェが来たかと思ったらドリンクだった。
そういえば、パフェは作るのに時間がかかるからドリンクを先にお願いしますと言っていたな。
「ありがとうございます」
セットのドリンク4つがテーブルに置かれる。
2つは俺とバニラが飲むコーヒー。
残りの2つはロックが飲むミックスジュースと口直しに良さそうなジャスミンティーだ。
「お覚悟を……」
ドリンクを持って来た店員さんは、そう言ってサッと横へ移動した。
「お、お覚悟……?」
その言葉の意味はすぐにわかった。
「お待たせしました~! ソピア名物超特盛パフェで~す!」
店員さん2人がかりで巨大なパフェを持って来た!
「おおっ……ありがとうございます!」
ドリンクを端っこに動かし、パフェを置く場所を確保。
そうしてテーブルに巨大パフェが置かれる!
頼んだ時は少し不安になっていが、今は機嫌がいい。
全部を美味しく食べられる気しかしない!
「ごゆっくり……どうぞ」
ちょっと含みを持たせた言い方と、挑戦的な視線を向けながら店員さんたちは去っていった。
「では……いただきます!」
「いただきますぞ!」
「ク~!」
それぞれ取り分けて食べるなんてみみっちいことはしない。
全員が大きなスプーンを持ってパフェをつっつく。
ロックも前足で器用にスプーンを持って、無数に散らばるイチゴをすくって食べている。
元々パンを手で持って食べられるくらい器用だったけど、人の社会で生活する中でさらに手先が器用になってるなぁ~。
そうだ、この情報も発表原稿に盛り込んでおこう。
ドラゴン本来の生態ではなく、人と共に生きるロックだからこその特徴だと思うけど、きっとこういう話も学者さんたちは喜んでくれるだろう。
「う~ん、美味い! 1つ1つの食材が美味しいし、他の食材と混ぜても美味しいとは……!」
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だが、このソピアのパフェは違う。
フルーツならば他の食材との調和を守れる品種、生クリームやチョコレートなどは主張が激し過ぎない味に作ってある。
それでいて、単品で食べても味気ないということはない。
「まるで一切の無駄もミスもないソースコードのようですな……! 勇気を出して注文して良かった~!」
ソースコードの意味はよくわからないけど、バニラがこのパフェを最大限に褒めていることは何となく理解出来た。
「クゥクゥクゥ、クゥクゥクゥ」
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スプーンですくい取る箇所によって変わる味は飽きが来ない。
いくらでも食べられそうな気がする!
ああ、心の底から俺の発表が上手くいきそうな気がして来た。
バニラに連れられてこのお店に来て本当に良かった。
待ってろよ、魔獣学会シンポジウム――
俺とロックがドラゴンの何たるかを皆様にお教えしようぞ!
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アルファポリスで本作のコミカライズがスタートしました!
描いてくださるのは大多ミノル先生です!
すっごく綺麗で描き込まれた作画に引き込まれること間違いなし!
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