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第3章 友情と日常
-32- とつげきトゥナイト
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「思春期女子にとって良いことと言ったら、やっぱり恋じゃない!? あんまり大声で言うもんじゃないけど、お葬式で良い人と出会った……とか!?」
色恋沙汰に目がない芽衣がここぞとばかりに切り出す。
それを聞いた愛莉はショックのあまりふらつく。
「そんな……蒔苗ちゃんに男なんて……」
「いやいや、恋の形はいろいろ! 良い女かもしれない!」
「うーん、愛莉にとってはそういう問題じゃないと思うし、私としてはそもそも色恋沙汰ではないと思うんだよね~」
芳香が話を戻し、自分の考えを述べる。
「蒔苗には親戚がいないって話だったけど、実は存在した……。まさか蒔苗1人でお葬式を開くとは思えないし、亡くなった方の他にも蒔苗の親戚がいたと考えるのが自然よね。そう考えると、やっぱり愛莉の予想は当たってて、他の親戚の人に引き取られたのかも。でも、住んでるところは学校に近くて、これからも愛莉と一緒にいることは変わらないってことなら辻褄も合うね」
「んまぁ、いきなり恋とか言い出した私が言うのもなんだけど、それが自然かなぁ……。姫はパパもママもそばにいなくて、お金のことはいつも気にしてたけど、今日はパーッと奢ってくれたし、なにか金銭面で支援してくれる人が見つかったのかなって」
「でも、今日の蒔苗ちゃんはなんというか、金銭的な余裕を持ったというだけでは納得出来ないくらいエネルギッシュというか、只者ではないオーラをまとっていた気がするのは私だけかな……?」
「そうよ! そこなのよ! 私が恋とか言い出した理由はそこにあるの! 今日の姫は笑顔も多くて、話も前向きで、物腰も柔らかくて……。こういうと普段の姫が酷い奴みたいだけど、そうじゃなくて……なんかエロかったのよ! 色気があった! やっぱり恋なのかも!? 余裕が出来て、人を愛する心を取り戻したのかも!?」
「確かに今日の蒔苗は普段以上に魅力的だったね。私もさっき握手した時、思った以上に力強く握られて、ちょっとドキッとしちゃったもん。どこか陰のあるミステリアスな美女って感じだった蒔苗だけど、今日は民衆を導く女神のように神々しく見えたな~」
「でも、誰かに恋しただけでこんなに変わると、私は思えない……。蒔苗ちゃんが変わった理由はもっと別にあると思うの」
蒔苗会議はそこで行き詰まってしまった。
愛莉にとっては小学校から9年近く一緒にいる蒔苗のことだ。
お金とか、恋とか、そんなことで彼女は変わらないという確信に近い感情があった。
もし変わるとしたら、それはきっと家族に関する……。
「……直接聞きに行っちゃう?」
芳香が静かにつぶやく。
全員が顔を見合わせる。
きっと電話やメール、メッセージアプリでのやり取りでは、はぐらかされるだけだろう。
だが、直接会って押しまくれば、話してくれる可能性はある……。
しかし、それは未知の世界の扉を開くことに他ならない。
当然、期待と同じくらい不安もある。
「でも、いきなり押しかけるのは流石にまずいんじゃ……」
「一応、連絡は入れるつもりだけどね……」
3人の間に沈黙が流れる。
しばらくして口を開いたのは、直接聞きに行くことを提案した芳香だった。
「……やめやめ! こういう時はやめとこう! もしかしたら蒔苗もいろいろ思うところがあって、気が動転して変わってるように感じただけかもしれないしね。ここは時間をおいて、明日も元気そうだったらそれとなく事情を聞いていこうよ。焦る必要はないと思うし」
「うん、私は芳香の意見に賛成かな。今日はおとなしく帰るとしますか!」
「私も賛成。蒔苗ちゃんは私から離れたりしないって言ってくれたし、明日でも明後日でも聞こうと思えば聞けるから……」
「じゃ、今回はここで解散! 寄り道せずに帰るのよ~」
3人の少女は今度こそ帰路についた。
その中で最も早く家に着いたのは、交差点近くのマンションに住んでいる愛莉だ。
彼女は家に帰ると私服に着替え、自宅で仕事をしている母と一緒に夕食の準備をする。
父が早めに帰ってきた時は家族3人で一緒に夕食を食べ、その後は勉強したり、趣味のテレビゲームに興じていたりする。
今日は父が遅いので、母と先に夕食を済ませ、自室で勉強することにした愛莉。
だが、どうも集中力を欠き、内容が頭に入ってこない。
息抜きに得意な格闘ゲームのオンライン対戦を始めるも、連敗続きでせっかく上げたランクが下がるばかりだ。
「蒔苗ちゃん、どうしてるかな……」
交差点で別れた後、蒔苗から連絡はない。
元からこまめに連絡してくるようなタイプではないが、今日はなぜかそれが気になった。
胸のざわつきは……抑えられないレベルに達していた。
「お母さん、ちょっと蒔苗ちゃんちに行ってくる」
「わかった。気をつけて行くのよ」
「うん。ありがとう」
愛莉の母親も蒔苗の家庭事情は知っている。
蒔苗の母である七菜に会ったことがあるし、父である健人とも数回ではあるが会ったことがある。
平穏だったころの家族を知る数少ない人物であると同時に、それが崩れていく様子を見ることになった人物でもある。
それだけに蒔苗を心配する娘を止めることはなかった。
「なにか元気が出るものをお土産に持って行ってあげてね」
愛莉の母はそう言って、玄関を出る娘を見送った。
5月の夜風はまだ冷たい……。
なにか暖かいものを蒔苗に買っていこうと考えた愛莉は、近くのコンビニに立ち寄ろうとしたところで立ち止まった。
「コンビニってのはちょっと安易かな。もっと特別ななにかを……あっ!」
愛莉は以前蒔苗と2人で行ったことがある近所のラーメン屋を思い出した。
そこはラーメンも専用容器でお持ち帰り出来たはず……。
早速そのお店に向かい、ラーメンを一杯注文。
すぐに出来た一杯を片手に、愛莉は蒔苗の住むマンションまでやってきた。
蒔苗の部屋に向かうには、1階のエントランスにあるインターホンで連絡を取り、ドアを開けてもらわなければならない。
インターホンに手を伸ばし、部屋番号を入力しようとしたところで愛莉の手が止まる。
今ならまだ引き返せる……。不安な心がそうささやく。
そんな愛莉の背中を押したのは、エントランスに現れた2人の友人だった。
「あはは、やっぱり愛莉も来てたか~」
「みんなして抜け駆けってどうなんよ! 私も人のこと言えないけどさ」
芽衣と芳香……彼女たちも手土産を片手に、蒔苗に会いに来たのだ。
「1人で勝手に来てごめんなさい……。でも、どうしても蒔苗ちゃんに会いたくて……」
「いやいや、私たちに謝る必要なんてないって。私も1人で抜け駆けするつもりが、そこでばったり芽衣と会っちゃっただけだからね」
「ふっふっふっ、まさか全員集合とは……。ここまで来たらもう当たって砕けろよ。本当に迷惑だった時は頭を下げて誠心誠意謝るしかない。さあ、インターホンを押すんだ!」
「うん!」
愛莉は慣れた手つきで蒔苗の部屋番号を押す。
しばらくの沈黙の後、インターホンから蒔苗の声が聞こえてきた。
『はい、萌葱です』
「蒔苗ちゃん、愛莉だけど……」
『愛莉……!? ど、どどど、どうしたの? あっ、なにか用事かな?』
「そのぉ……私だけじゃなくて芳香ちゃんも芽衣ちゃんもいるんだけど……。みんな蒔苗ちゃんに会いたくなって来ちゃったんだ」
『……そうなのね。ありがとう、嬉しいわ。今開けるから上がってきて』
スライドドアが開き、マンション内への立ち入りが許される。
蒔苗から歓迎の言葉をもらった3人はひとまずホッとする。
「よかった~、追い返されなくて」
「いつもの姫でひとまず安心したよ」
「でも、なんか蒔苗ちゃん慌ててなかった?」
「そりゃいくら友達でもいきなり会いに来られたら慌てるもんじゃない? 後で理由を説明して謝らないとね~」
「だと、いいんだけど……」
愛莉だけでなく冷静に見える芳香も芽衣もわずかな違和感を感じていた。
だが、それはあえて考えず、エレベーターで蒔苗の部屋に向かう。
そして、部屋のインターホンの前で全員静かにうなずいた後、代表して愛莉がそのボタンを押した。
ピーンポーンという聞きなれた音が鳴ってすぐ、扉の向こうから声が聞こえた。
「はいはーい! 今開けまーす!」
3人の間に緊張が走る。
これは……蒔苗の声ではない!
「どちら様でしょうかぁ?」
扉を開けたのは見知らぬ女性だった。
顔がほんのり赤く、上機嫌なのかニコニコしている。
服はところどころ乱れ、特に胸元は大きく開き、深い谷間が露出している。
「うわぁ……」
「でっか……」
芳香と芽衣の視線は胸元に釘付けになっていたが、愛莉は部屋の奥から駆けつけてくる蒔苗の存在に気づいていた。
「育美さん、ちょっと待って……! あ……!」
もはやこれまでという感じの蒔苗の声。
そして、彼女はこう続けた。
「みんな、来てくれてありがとう。なんでこうなってるのかを順を追ってすべて話すわ」
「……わかったよ、蒔苗ちゃん」
愛莉、芳香、芽衣は蒔苗に導かれ家の中へ入っていった。
色恋沙汰に目がない芽衣がここぞとばかりに切り出す。
それを聞いた愛莉はショックのあまりふらつく。
「そんな……蒔苗ちゃんに男なんて……」
「いやいや、恋の形はいろいろ! 良い女かもしれない!」
「うーん、愛莉にとってはそういう問題じゃないと思うし、私としてはそもそも色恋沙汰ではないと思うんだよね~」
芳香が話を戻し、自分の考えを述べる。
「蒔苗には親戚がいないって話だったけど、実は存在した……。まさか蒔苗1人でお葬式を開くとは思えないし、亡くなった方の他にも蒔苗の親戚がいたと考えるのが自然よね。そう考えると、やっぱり愛莉の予想は当たってて、他の親戚の人に引き取られたのかも。でも、住んでるところは学校に近くて、これからも愛莉と一緒にいることは変わらないってことなら辻褄も合うね」
「んまぁ、いきなり恋とか言い出した私が言うのもなんだけど、それが自然かなぁ……。姫はパパもママもそばにいなくて、お金のことはいつも気にしてたけど、今日はパーッと奢ってくれたし、なにか金銭面で支援してくれる人が見つかったのかなって」
「でも、今日の蒔苗ちゃんはなんというか、金銭的な余裕を持ったというだけでは納得出来ないくらいエネルギッシュというか、只者ではないオーラをまとっていた気がするのは私だけかな……?」
「そうよ! そこなのよ! 私が恋とか言い出した理由はそこにあるの! 今日の姫は笑顔も多くて、話も前向きで、物腰も柔らかくて……。こういうと普段の姫が酷い奴みたいだけど、そうじゃなくて……なんかエロかったのよ! 色気があった! やっぱり恋なのかも!? 余裕が出来て、人を愛する心を取り戻したのかも!?」
「確かに今日の蒔苗は普段以上に魅力的だったね。私もさっき握手した時、思った以上に力強く握られて、ちょっとドキッとしちゃったもん。どこか陰のあるミステリアスな美女って感じだった蒔苗だけど、今日は民衆を導く女神のように神々しく見えたな~」
「でも、誰かに恋しただけでこんなに変わると、私は思えない……。蒔苗ちゃんが変わった理由はもっと別にあると思うの」
蒔苗会議はそこで行き詰まってしまった。
愛莉にとっては小学校から9年近く一緒にいる蒔苗のことだ。
お金とか、恋とか、そんなことで彼女は変わらないという確信に近い感情があった。
もし変わるとしたら、それはきっと家族に関する……。
「……直接聞きに行っちゃう?」
芳香が静かにつぶやく。
全員が顔を見合わせる。
きっと電話やメール、メッセージアプリでのやり取りでは、はぐらかされるだけだろう。
だが、直接会って押しまくれば、話してくれる可能性はある……。
しかし、それは未知の世界の扉を開くことに他ならない。
当然、期待と同じくらい不安もある。
「でも、いきなり押しかけるのは流石にまずいんじゃ……」
「一応、連絡は入れるつもりだけどね……」
3人の間に沈黙が流れる。
しばらくして口を開いたのは、直接聞きに行くことを提案した芳香だった。
「……やめやめ! こういう時はやめとこう! もしかしたら蒔苗もいろいろ思うところがあって、気が動転して変わってるように感じただけかもしれないしね。ここは時間をおいて、明日も元気そうだったらそれとなく事情を聞いていこうよ。焦る必要はないと思うし」
「うん、私は芳香の意見に賛成かな。今日はおとなしく帰るとしますか!」
「私も賛成。蒔苗ちゃんは私から離れたりしないって言ってくれたし、明日でも明後日でも聞こうと思えば聞けるから……」
「じゃ、今回はここで解散! 寄り道せずに帰るのよ~」
3人の少女は今度こそ帰路についた。
その中で最も早く家に着いたのは、交差点近くのマンションに住んでいる愛莉だ。
彼女は家に帰ると私服に着替え、自宅で仕事をしている母と一緒に夕食の準備をする。
父が早めに帰ってきた時は家族3人で一緒に夕食を食べ、その後は勉強したり、趣味のテレビゲームに興じていたりする。
今日は父が遅いので、母と先に夕食を済ませ、自室で勉強することにした愛莉。
だが、どうも集中力を欠き、内容が頭に入ってこない。
息抜きに得意な格闘ゲームのオンライン対戦を始めるも、連敗続きでせっかく上げたランクが下がるばかりだ。
「蒔苗ちゃん、どうしてるかな……」
交差点で別れた後、蒔苗から連絡はない。
元からこまめに連絡してくるようなタイプではないが、今日はなぜかそれが気になった。
胸のざわつきは……抑えられないレベルに達していた。
「お母さん、ちょっと蒔苗ちゃんちに行ってくる」
「わかった。気をつけて行くのよ」
「うん。ありがとう」
愛莉の母親も蒔苗の家庭事情は知っている。
蒔苗の母である七菜に会ったことがあるし、父である健人とも数回ではあるが会ったことがある。
平穏だったころの家族を知る数少ない人物であると同時に、それが崩れていく様子を見ることになった人物でもある。
それだけに蒔苗を心配する娘を止めることはなかった。
「なにか元気が出るものをお土産に持って行ってあげてね」
愛莉の母はそう言って、玄関を出る娘を見送った。
5月の夜風はまだ冷たい……。
なにか暖かいものを蒔苗に買っていこうと考えた愛莉は、近くのコンビニに立ち寄ろうとしたところで立ち止まった。
「コンビニってのはちょっと安易かな。もっと特別ななにかを……あっ!」
愛莉は以前蒔苗と2人で行ったことがある近所のラーメン屋を思い出した。
そこはラーメンも専用容器でお持ち帰り出来たはず……。
早速そのお店に向かい、ラーメンを一杯注文。
すぐに出来た一杯を片手に、愛莉は蒔苗の住むマンションまでやってきた。
蒔苗の部屋に向かうには、1階のエントランスにあるインターホンで連絡を取り、ドアを開けてもらわなければならない。
インターホンに手を伸ばし、部屋番号を入力しようとしたところで愛莉の手が止まる。
今ならまだ引き返せる……。不安な心がそうささやく。
そんな愛莉の背中を押したのは、エントランスに現れた2人の友人だった。
「あはは、やっぱり愛莉も来てたか~」
「みんなして抜け駆けってどうなんよ! 私も人のこと言えないけどさ」
芽衣と芳香……彼女たちも手土産を片手に、蒔苗に会いに来たのだ。
「1人で勝手に来てごめんなさい……。でも、どうしても蒔苗ちゃんに会いたくて……」
「いやいや、私たちに謝る必要なんてないって。私も1人で抜け駆けするつもりが、そこでばったり芽衣と会っちゃっただけだからね」
「ふっふっふっ、まさか全員集合とは……。ここまで来たらもう当たって砕けろよ。本当に迷惑だった時は頭を下げて誠心誠意謝るしかない。さあ、インターホンを押すんだ!」
「うん!」
愛莉は慣れた手つきで蒔苗の部屋番号を押す。
しばらくの沈黙の後、インターホンから蒔苗の声が聞こえてきた。
『はい、萌葱です』
「蒔苗ちゃん、愛莉だけど……」
『愛莉……!? ど、どどど、どうしたの? あっ、なにか用事かな?』
「そのぉ……私だけじゃなくて芳香ちゃんも芽衣ちゃんもいるんだけど……。みんな蒔苗ちゃんに会いたくなって来ちゃったんだ」
『……そうなのね。ありがとう、嬉しいわ。今開けるから上がってきて』
スライドドアが開き、マンション内への立ち入りが許される。
蒔苗から歓迎の言葉をもらった3人はひとまずホッとする。
「よかった~、追い返されなくて」
「いつもの姫でひとまず安心したよ」
「でも、なんか蒔苗ちゃん慌ててなかった?」
「そりゃいくら友達でもいきなり会いに来られたら慌てるもんじゃない? 後で理由を説明して謝らないとね~」
「だと、いいんだけど……」
愛莉だけでなく冷静に見える芳香も芽衣もわずかな違和感を感じていた。
だが、それはあえて考えず、エレベーターで蒔苗の部屋に向かう。
そして、部屋のインターホンの前で全員静かにうなずいた後、代表して愛莉がそのボタンを押した。
ピーンポーンという聞きなれた音が鳴ってすぐ、扉の向こうから声が聞こえた。
「はいはーい! 今開けまーす!」
3人の間に緊張が走る。
これは……蒔苗の声ではない!
「どちら様でしょうかぁ?」
扉を開けたのは見知らぬ女性だった。
顔がほんのり赤く、上機嫌なのかニコニコしている。
服はところどころ乱れ、特に胸元は大きく開き、深い谷間が露出している。
「うわぁ……」
「でっか……」
芳香と芽衣の視線は胸元に釘付けになっていたが、愛莉は部屋の奥から駆けつけてくる蒔苗の存在に気づいていた。
「育美さん、ちょっと待って……! あ……!」
もはやこれまでという感じの蒔苗の声。
そして、彼女はこう続けた。
「みんな、来てくれてありがとう。なんでこうなってるのかを順を追ってすべて話すわ」
「……わかったよ、蒔苗ちゃん」
愛莉、芳香、芽衣は蒔苗に導かれ家の中へ入っていった。
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