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本編↓
第27話 最強と最強
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聞き覚えのある声が聞こえてきた。
正体は剣聖だ。
「ちょっと待っててね~」
パーの形にした拳を少年に向けて待つことを仰いだ。
その間、剣聖は権威を使いエッセルとメッセージのやり取りをしていた。
その内容は勿論何故少年を自身のところに飛ばしたかだ。
ーー今度は何なんですか?
ーーわりぃ。そいつと組んで下界にいる獣族倒しに行って欲しいんだぁ。
ーー簡単に言いますけど、あれはバケモンですよ。
ーーお前に否定権はないからなぁ。
ーーいや~。じゃあせめて少し剣術を教えさせて下さいよ?
ーーあぁ。勿論大丈夫だぁ。
ーーでは。
剣聖はメッセージをやり終わる頃には顔色が悪くなっており、それを見た少年は不思議そうに尋ねた。
「どうかしたんですか?」
「君の師匠が怖くね」
剣聖は鼻で笑いながら答えた。少年もそれには苦笑いを浮かべる。
少しの沈黙の後、剣聖は本題を切り出した。
「いいか。君と僕とで例の獣族を倒す事になった」
少年は思いもよらぬ、返事に素直に喜んでいた。
実際、敵側に所属している剣聖が自身に協力してくれる。これだけですごい事なのだ。
「ありがとうございます!では早速!」
少年は急ぎ準備をし出すと、剣聖はゆっくりと近づき、言葉を発した。
「待て。それは俺と剣術を練習してからだ」
少年は今すぐにでも下界に降りて老爺の敵討ちをしたい気持ちをグッと抑え素直に軽く頷き剣聖の後を追う。
落下地点から数分歩くと少し開けた場所に出た。
彼は地面に落ちていた木でできた剣を二本拾い一本少年に渡す。
「いいか。憎しみや怒りでは本当の強者には勝てない。確実に勝てる力をつけるんだ!」
剣聖はやけに気合が入っていた。それもそうだ、一緒に行くという事は自分もリスクを負うという事。もし少年がすぐに死ねば、剣聖一人ではどうにも出来ない。つまり、少年にも強くなってもらう必要があった。
そして気の毒な事に、断るればエッセルから命を狙われるというどちらを選んでも危ない状況に置かれていた。
「よし、それじゃあまず権威を剣に纏わせろ」
初めての指示に少年は戸惑うが、剣聖もやっていたので見よう見まねで権威を剣の方向へ向け出してみると、権威が剣を包み始め、最後には黒い権威を纏い木刀は黒剣へとなった。
剣聖は驚いた。自身よりも遥かに多い権威の量に。剣聖でさえうっすらとしか載せられない権威を
それを知った途端彼はニコッと笑い言った。
「そっか…なら早い話。俺に1発当ててみろ。当てれた時点で出発だ」
少年は大きく頷き権を構える。
「行きますよ!」
正体は剣聖だ。
「ちょっと待っててね~」
パーの形にした拳を少年に向けて待つことを仰いだ。
その間、剣聖は権威を使いエッセルとメッセージのやり取りをしていた。
その内容は勿論何故少年を自身のところに飛ばしたかだ。
ーー今度は何なんですか?
ーーわりぃ。そいつと組んで下界にいる獣族倒しに行って欲しいんだぁ。
ーー簡単に言いますけど、あれはバケモンですよ。
ーーお前に否定権はないからなぁ。
ーーいや~。じゃあせめて少し剣術を教えさせて下さいよ?
ーーあぁ。勿論大丈夫だぁ。
ーーでは。
剣聖はメッセージをやり終わる頃には顔色が悪くなっており、それを見た少年は不思議そうに尋ねた。
「どうかしたんですか?」
「君の師匠が怖くね」
剣聖は鼻で笑いながら答えた。少年もそれには苦笑いを浮かべる。
少しの沈黙の後、剣聖は本題を切り出した。
「いいか。君と僕とで例の獣族を倒す事になった」
少年は思いもよらぬ、返事に素直に喜んでいた。
実際、敵側に所属している剣聖が自身に協力してくれる。これだけですごい事なのだ。
「ありがとうございます!では早速!」
少年は急ぎ準備をし出すと、剣聖はゆっくりと近づき、言葉を発した。
「待て。それは俺と剣術を練習してからだ」
少年は今すぐにでも下界に降りて老爺の敵討ちをしたい気持ちをグッと抑え素直に軽く頷き剣聖の後を追う。
落下地点から数分歩くと少し開けた場所に出た。
彼は地面に落ちていた木でできた剣を二本拾い一本少年に渡す。
「いいか。憎しみや怒りでは本当の強者には勝てない。確実に勝てる力をつけるんだ!」
剣聖はやけに気合が入っていた。それもそうだ、一緒に行くという事は自分もリスクを負うという事。もし少年がすぐに死ねば、剣聖一人ではどうにも出来ない。つまり、少年にも強くなってもらう必要があった。
そして気の毒な事に、断るればエッセルから命を狙われるというどちらを選んでも危ない状況に置かれていた。
「よし、それじゃあまず権威を剣に纏わせろ」
初めての指示に少年は戸惑うが、剣聖もやっていたので見よう見まねで権威を剣の方向へ向け出してみると、権威が剣を包み始め、最後には黒い権威を纏い木刀は黒剣へとなった。
剣聖は驚いた。自身よりも遥かに多い権威の量に。剣聖でさえうっすらとしか載せられない権威を
それを知った途端彼はニコッと笑い言った。
「そっか…なら早い話。俺に1発当ててみろ。当てれた時点で出発だ」
少年は大きく頷き権を構える。
「行きますよ!」
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