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序章:出逢い
18:初陣
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怪人。
主に領国にて見られる、亜人型の魔物。
鱗種と炎種がおり、前者は龍人族や竜人族に近く、後者は亡者族に近い。
人のような姿であるが、あくまでも人型に進化した魔獣であり、人に近い種族でも、人が変異した種族でもない。
「放置すると羊や人を拐って、羊もろとも交配すんの。」
『なんだその特殊性癖。』
「ただ、人由来の体ではないから子どもは作れないんだけどね。知性が高い個体は、人を騙したりもするんだよね。」
まっ!アタシは簡単に騙されたりしないし、大丈夫だけどね!
『何か能力はあるのか?』
「ん~……単純に筋力が強いかな。爬虫類に近いから、口は大きく開くし、噛む力も強い。全身筋肉でみっちみちだから、筋力も弾力もあるし……」
『魔術的なものは?』
「鱗種は特にないね。炎種は姿を変えたりするけどね。」
怪人は若干有名だと思うんだけど、ツムグは知らないのかな?昔話にも出てくるけど、まぁ外国から来たんだからこの辺の民話を知らなくても普通か。
「専用に魔除けの道具を用意しなきゃ行けないけど……まぁテインがいるし平気かな。」
『えぇ!任せてください!』
『ん。倒し方は?』
「殴る蹴る、撃つ斬る……」
戦いには慣れてるのかな?
蛇に苦戦してた感じだったけど……
(まぁ、裸に白衣は戦いにくいか。)
まっ!アタシがフォローすればいいし、平気でしょ!
☆☆☆
「う~ん……!いたよ!」
街から少し離れた、広い草原。森に近い場所で、その森には洞穴や水辺があるため、怪人がいやすい場所だ。
少し小高い場所から回りを見渡すと、2体の怪人を確認できた。
「じゃ、アタシが撃っちゃおうか?」
『う~ん……ちなみに、殴り合いで勝てる相手か?』
「勝てるっちゃ勝てるね。」
『じゃあまずオレが先に行ってもいいか?勝手を知りたい。』
「流石に危なくない?戦闘に使えるような魔術ないんでしょ?」
『あぁ。けど、尚更どんな具合か知りたいからさ。』
「そ?じゃあ、ヤバそうだったらアタシがフォローするからよろしく!」
ツムグはテインとの恋人繋ぎを止め、怪人の方へと歩いていく。
これで感覚共有の魔術は使えなくなってしまったようだけど、お互い魔術の名前さえ伝わればいいっしょ多分。
2体の怪人は、ツムグが近付いていることに気付くと、戦闘態勢に入り、彼を鋭く睨み付ける。
「フシュゥ……!」
「グルルルッ……!」
(結構狂暴な方かもしんないなぁ……)
弓を構え、直ぐに対処できるようにしておく。
大体30mだから、射ってから当たるまでは0.5秒くらいだ。
けど、そんな心配は杞憂だった。
「フシュァ!!」
怪人が彼に向かい襲いかかる。
右手を振り上げ、叩きつけようとする。
(ヤバいな……!)
殴られそうなので、弓を引いて矢の切っ先を向ける。
ダシッ……
「……おん?」
彼はその振り下ろされた腕を、右手で容易く受け止めた。
「グァッ……――ガッ!!??」
それどころか、相手の姿勢を崩して地面に伏せさせた。
速すぎてよく見えていなかったけど、右手で相手の手首を掴んで引っ張りながら、左手で相手の肘の当たりをグイッと捻るようにしていた。
「フシュゥ……!シュゥ!」
もう1体が彼に迫る。しかし、足が上がったと同時に彼が距離を詰めた。
「っ!」
「ジュァッ……!?」
相手が迫ってくる勢いのまま、その顔に目掛けて思いっきり拳をぶつける。
たまらず悶え屈む怪人。
先ほど伏せさせられたもう1体が、起き上がりながら彼の方を見る。
「ガルァッ!?」
しかし、すかさずツムグは右足を上げながら姿勢を少しは右に回し、怪人が立ち上がり切る前にこちらに向いた相手の顔を蹴り飛ばした。
蹴られた怪人は、中途半端な姿勢で思い切り顔を蹴られてしまい、背骨か首の骨が痛んだようだ。
(虫ケラ見たいな気配だとか言っちゃったけど……)
(ツムグ強くね?)
主に領国にて見られる、亜人型の魔物。
鱗種と炎種がおり、前者は龍人族や竜人族に近く、後者は亡者族に近い。
人のような姿であるが、あくまでも人型に進化した魔獣であり、人に近い種族でも、人が変異した種族でもない。
「放置すると羊や人を拐って、羊もろとも交配すんの。」
『なんだその特殊性癖。』
「ただ、人由来の体ではないから子どもは作れないんだけどね。知性が高い個体は、人を騙したりもするんだよね。」
まっ!アタシは簡単に騙されたりしないし、大丈夫だけどね!
『何か能力はあるのか?』
「ん~……単純に筋力が強いかな。爬虫類に近いから、口は大きく開くし、噛む力も強い。全身筋肉でみっちみちだから、筋力も弾力もあるし……」
『魔術的なものは?』
「鱗種は特にないね。炎種は姿を変えたりするけどね。」
怪人は若干有名だと思うんだけど、ツムグは知らないのかな?昔話にも出てくるけど、まぁ外国から来たんだからこの辺の民話を知らなくても普通か。
「専用に魔除けの道具を用意しなきゃ行けないけど……まぁテインがいるし平気かな。」
『えぇ!任せてください!』
『ん。倒し方は?』
「殴る蹴る、撃つ斬る……」
戦いには慣れてるのかな?
蛇に苦戦してた感じだったけど……
(まぁ、裸に白衣は戦いにくいか。)
まっ!アタシがフォローすればいいし、平気でしょ!
☆☆☆
「う~ん……!いたよ!」
街から少し離れた、広い草原。森に近い場所で、その森には洞穴や水辺があるため、怪人がいやすい場所だ。
少し小高い場所から回りを見渡すと、2体の怪人を確認できた。
「じゃ、アタシが撃っちゃおうか?」
『う~ん……ちなみに、殴り合いで勝てる相手か?』
「勝てるっちゃ勝てるね。」
『じゃあまずオレが先に行ってもいいか?勝手を知りたい。』
「流石に危なくない?戦闘に使えるような魔術ないんでしょ?」
『あぁ。けど、尚更どんな具合か知りたいからさ。』
「そ?じゃあ、ヤバそうだったらアタシがフォローするからよろしく!」
ツムグはテインとの恋人繋ぎを止め、怪人の方へと歩いていく。
これで感覚共有の魔術は使えなくなってしまったようだけど、お互い魔術の名前さえ伝わればいいっしょ多分。
2体の怪人は、ツムグが近付いていることに気付くと、戦闘態勢に入り、彼を鋭く睨み付ける。
「フシュゥ……!」
「グルルルッ……!」
(結構狂暴な方かもしんないなぁ……)
弓を構え、直ぐに対処できるようにしておく。
大体30mだから、射ってから当たるまでは0.5秒くらいだ。
けど、そんな心配は杞憂だった。
「フシュァ!!」
怪人が彼に向かい襲いかかる。
右手を振り上げ、叩きつけようとする。
(ヤバいな……!)
殴られそうなので、弓を引いて矢の切っ先を向ける。
ダシッ……
「……おん?」
彼はその振り下ろされた腕を、右手で容易く受け止めた。
「グァッ……――ガッ!!??」
それどころか、相手の姿勢を崩して地面に伏せさせた。
速すぎてよく見えていなかったけど、右手で相手の手首を掴んで引っ張りながら、左手で相手の肘の当たりをグイッと捻るようにしていた。
「フシュゥ……!シュゥ!」
もう1体が彼に迫る。しかし、足が上がったと同時に彼が距離を詰めた。
「っ!」
「ジュァッ……!?」
相手が迫ってくる勢いのまま、その顔に目掛けて思いっきり拳をぶつける。
たまらず悶え屈む怪人。
先ほど伏せさせられたもう1体が、起き上がりながら彼の方を見る。
「ガルァッ!?」
しかし、すかさずツムグは右足を上げながら姿勢を少しは右に回し、怪人が立ち上がり切る前にこちらに向いた相手の顔を蹴り飛ばした。
蹴られた怪人は、中途半端な姿勢で思い切り顔を蹴られてしまい、背骨か首の骨が痛んだようだ。
(虫ケラ見たいな気配だとか言っちゃったけど……)
(ツムグ強くね?)
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