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序章:出逢い
4:意志疎通-2
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「つまり、オレはさっきの儀式によって意思疎通の魔術を得たってことか?」
「はい。それで間違いないと思います。」
あの儀式は、光が人の姿の影を映すように、その人の力を映し落とす。
この人は会話が好きか、社交術の才があるのだろう。
「とはいえ、無意識下で使うとは……」
「これはどういう魔術なんだ?」
「意思疎通を図るための魔術です。術者や練度によって性能は変わりますが、使い方はいくつかあります。」
意思疎通の魔術 基本要綱
・意思の伝達
・言葉にこの魔術を乗せることで、言語の補助を行う。
「ツムグの場合は、それに加えて」
・意思の察知
「この魔術は、まずは〝伝える〟ために開発されたものです。ですが、ツムグの場合は意思を汲み取る性能もあるようです。」
「ちなみに魔術を乗せるっていうのは、声以外にも使えるのか?」
「文字や写真に乗せることは難しいでしょうね。同様に、そこから汲み取ることも難しいかと。あと、人や天使といった知性のある相手以外には使えません。」
「そうか……けど、これを使えばここの人たちと会話できるか?」
「まぁ、天紋を理解するなら……ただ、相手からすると知らない言語で意味だけ伝わるというのは中々気持ちが悪いのでは……」
というと、彼は「確かにさっき気持ち悪かったな。」と頷いた。
「はっくちゅん。」
「あ、だ、大丈夫ですか?」
「それはさておき、いつまでもこんな格好で草原でうろつくのもあれだ。近くに街があったと思うが……」
「はい!行ってみましょう!!」
☆☆
しばらく歩くと、栄える場所が見えてきた。
早速あの町に入りたいところですが……
「裸白衣は駄目じゃないか?捕まるよな?」
「隣に巫女服がいるので大丈夫じゃないですか?」
「オレ神への生贄みたいにならないか?」
「そうですね……どこかの行商人か質屋いって、恵んでもらうとか……」
それか、簡単な作業やお手伝いで駄賃を貰うか……
サササ……
「ん?」
地面の草むらの中から、何かが動いたような音がした。風のざわめきとは思えない。
その音のリズムはなめらかで、揺れる草の場所は徐々に近づいてくる。
「蛇か……?」
彼は腕を私の前に置き、庇う姿勢を取った。
「ちなみに、殺したら法律に触れるとかっていうのは?」
「種類によりますね。」
「そっか。じゃあ、逃げるの優先すっか。」
そして、草むらのなかからバッと飛び掛かってくる影。
「やっぱ蛇だった……!」
「スィャーッ!!」
「わっ!?」
「おっと……」
彼は飛び掛かってきた蛇の首を掴む。
「わ、わぁ……すごいですね……」
蛇もそれに怯むことなく、全身で巻き付く。
「羽毛の生えた蛇?」
「あ、それは魔獣です。」
「毒とかはあるのか?」
「毒は無いはずですし、狩っても構わない魔獣です。」
「じゃあ悪いがこのまま……痛っ!?」
蛇は力を強め、彼の腕を締め付ける。
彼も急なその痛みに怯んだようで、その隙に蛇はするりと脱出した。
そのまま彼の手首に嚙みついた。
「こんのっ……許せ!」
「シャッ……!?」
グショッ
彼は噛みついていた蛇の頭部を掴み、そのまま握りつぶした。
惨いとは思ったが、私は何もできていないので、見ることしかできなかった。
「いってて……毒は無いんだよな?」
「はい。あ、ただ分泌された唾液は徐々に凝固していくので、しばらくすると血流障害になることがあります。」
「先に言えよ!?」
「はい。それで間違いないと思います。」
あの儀式は、光が人の姿の影を映すように、その人の力を映し落とす。
この人は会話が好きか、社交術の才があるのだろう。
「とはいえ、無意識下で使うとは……」
「これはどういう魔術なんだ?」
「意思疎通を図るための魔術です。術者や練度によって性能は変わりますが、使い方はいくつかあります。」
意思疎通の魔術 基本要綱
・意思の伝達
・言葉にこの魔術を乗せることで、言語の補助を行う。
「ツムグの場合は、それに加えて」
・意思の察知
「この魔術は、まずは〝伝える〟ために開発されたものです。ですが、ツムグの場合は意思を汲み取る性能もあるようです。」
「ちなみに魔術を乗せるっていうのは、声以外にも使えるのか?」
「文字や写真に乗せることは難しいでしょうね。同様に、そこから汲み取ることも難しいかと。あと、人や天使といった知性のある相手以外には使えません。」
「そうか……けど、これを使えばここの人たちと会話できるか?」
「まぁ、天紋を理解するなら……ただ、相手からすると知らない言語で意味だけ伝わるというのは中々気持ちが悪いのでは……」
というと、彼は「確かにさっき気持ち悪かったな。」と頷いた。
「はっくちゅん。」
「あ、だ、大丈夫ですか?」
「それはさておき、いつまでもこんな格好で草原でうろつくのもあれだ。近くに街があったと思うが……」
「はい!行ってみましょう!!」
☆☆
しばらく歩くと、栄える場所が見えてきた。
早速あの町に入りたいところですが……
「裸白衣は駄目じゃないか?捕まるよな?」
「隣に巫女服がいるので大丈夫じゃないですか?」
「オレ神への生贄みたいにならないか?」
「そうですね……どこかの行商人か質屋いって、恵んでもらうとか……」
それか、簡単な作業やお手伝いで駄賃を貰うか……
サササ……
「ん?」
地面の草むらの中から、何かが動いたような音がした。風のざわめきとは思えない。
その音のリズムはなめらかで、揺れる草の場所は徐々に近づいてくる。
「蛇か……?」
彼は腕を私の前に置き、庇う姿勢を取った。
「ちなみに、殺したら法律に触れるとかっていうのは?」
「種類によりますね。」
「そっか。じゃあ、逃げるの優先すっか。」
そして、草むらのなかからバッと飛び掛かってくる影。
「やっぱ蛇だった……!」
「スィャーッ!!」
「わっ!?」
「おっと……」
彼は飛び掛かってきた蛇の首を掴む。
「わ、わぁ……すごいですね……」
蛇もそれに怯むことなく、全身で巻き付く。
「羽毛の生えた蛇?」
「あ、それは魔獣です。」
「毒とかはあるのか?」
「毒は無いはずですし、狩っても構わない魔獣です。」
「じゃあ悪いがこのまま……痛っ!?」
蛇は力を強め、彼の腕を締め付ける。
彼も急なその痛みに怯んだようで、その隙に蛇はするりと脱出した。
そのまま彼の手首に嚙みついた。
「こんのっ……許せ!」
「シャッ……!?」
グショッ
彼は噛みついていた蛇の頭部を掴み、そのまま握りつぶした。
惨いとは思ったが、私は何もできていないので、見ることしかできなかった。
「いってて……毒は無いんだよな?」
「はい。あ、ただ分泌された唾液は徐々に凝固していくので、しばらくすると血流障害になることがあります。」
「先に言えよ!?」
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