上 下
10 / 23

リュカ様のお手伝い

しおりを挟む
「うーん、疲れたー!」

「お疲れ様です、王太子妃殿下」

アデール先生の授業が終わる。王太子妃教育難しいよー!でも少しずつ慣れてきたかもしれない。礼儀作法含め淑女教育はこれでも元男爵令嬢だからそれなりには出来ているし、勉強も結構出来てる方だと思う。問題はドラゴンの歴史だ。今までドラゴンの歴史を学んだことがない私には正直難しい。でも知らないことを学ぶのはすごく楽しいので、良い時間にもなっている。

「アデール先生、今日もありがとうございました!」

「いえいえ、サラ様は覚えが早いのでとても教えやすいですから。こちらこそありがとうございます」

褒められた!リュカ様も褒めてくれるかな?

「では私はこれで失礼致します」

「明日もよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしくお願い致します」

アデール先生が帰ってしまう。うーん。お勉強が終わるとすることがなくて暇なんだよね。普段ならお勉強が終わる頃にリュカ様が迎えに来てくれて、一緒にチェスとかトランプとかで遊んだり、お庭を散策したり、お茶を飲んだり出来るんだけど、今日はなんだかリュカ様は忙しいみたい。夕食の時間まで来られないって言っていた。

「サラ様、何をして過ごされますか?」

「うーん、どうしようかなぁ」

…あ!良いこと考えた!

「ねえ、リュカ様の執務室に行ってもいいかな?」

「サラ様なら大丈夫だと思いますが、どうかされましたか?」

「うん!あのね、リュカ様のお手伝いが出来ないかなって思って!」

そうしたら早くお仕事が終わってリュカ様と一緒にいられる時間が増えるよね!暇つぶしにもなるし丁度良い!

「まあ!名案ですわ!」

「リュカ様もきっとお喜びになられるでしょう!」

「うん、わかった!じゃあ早速行こう!」

こうして私は侍女さん達と一緒にリュカ様のいる執務室に向かった。

コンコン、とドアを叩く。

「リュカ様、入ってもいいですか?」

「…サラ?いいよ、入っておいで」

がちゃりとドアを開けて入ると書類の山に囲まれたリュカ様の姿があった。

「サラ、どうしたのかな?」

「あの、リュカ様のお手伝いが出来ないかなぁと思って来ちゃいました!」

「…!」

私が理由を言った途端にリュカ様がすごく綺麗な笑みを浮かべる。そして私をハグしてくれた。

「サラ、まず何より君のその気持ちが嬉しいよ。ありがとう、僕の花嫁」

どうやら喜んでもらえたらしい。よかったよかった。

「えっと、何か出来る事はありますか?」

「もちろん。サラにはとっても重要な役割があるよ」

じゅ、重要な役割…一体なんだろう?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最推しの幼馴染に転生できた!彼とあの子をくっつけよう!

下菊みこと
恋愛
ポンコツボンクラアホの子主人公と、彼女に人生めちゃくちゃにされたからめちゃくちゃに仕返したヤンデレ幼馴染くん(主人公の最推し)のどこまでもすれ違ってるお話。 多分エンドの後…いつかは和解できるんじゃないかな…多分…。 転生、ヤンデレ、洗脳、御都合主義なお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

恋愛未満

衣更月
恋愛
就活に失敗続きの燈子は、ハウスキーパーとして忽那涼太の部屋に通っている。 顔は良いのに色々とズレている涼太。 そんな涼太に疲れながら、就職先が決まるまで…と腰かけで燈子は奮闘する。

内気な貧乏男爵令嬢はヤンデレ殿下の寵妃となる

下菊みこと
恋愛
ヤンデレが愛しい人を搦めとるだけ。

悪役令嬢に転生したので、人生楽しみます。

下菊みこと
恋愛
病弱だった主人公が健康な悪役令嬢に転生したお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】

階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、 屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話 _________________________________ 【登場人物】 ・アオイ 昨日初彼氏ができた。 初デートの後、そのまま監禁される。 面食い。 ・ヒナタ アオイの彼氏。 お金持ちでイケメン。 アオイを自身の屋敷に監禁する。 ・カイト 泥棒。 ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。 アオイに協力する。 _________________________________ 【あらすじ】 彼氏との初デートを楽しんだアオイ。 彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。 目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。 色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。 だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。 ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。 果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!? _________________________________ 7話くらいで終わらせます。 短いです。 途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。

大切だった友達に媚薬を盛ったら、怖いくらい溺愛されています。彼が勧めてくれたお茶からも同じ香りがしていたのは気のせいかな。

下菊みこと
恋愛
媚薬を盛ったらとんでもなく愛されたお話。 マルスリーヌは友人、エルキュールに媚薬を盛る。エルキュールと結婚して、多額の結納金を実家に納めてもらうためだ。けれど肝心のエルキュールは、媚薬を入れた紅茶の香りを嗅いだだけで飲んでないのに媚薬が効いてしまった。マルスリーヌは困惑するも開き直るしかなかった。 小説家になろう様でも投稿しています。

ゆるふわな可愛い系男子の旦那様は怒らせてはいけません

下菊みこと
恋愛
年下のゆるふわ可愛い系男子な旦那様と、そんな旦那様に愛されて心を癒した奥様のイチャイチャのお話。 旦那様はちょっとだけ裏表が激しいけど愛情は本物です。 ご都合主義の短いSSで、ちょっとだけざまぁもあるかも? 小説家になろう様でも投稿しています。

初恋のやりなおし

恋愛
高校を卒業した日。18歳の二葉は、6歳の頃から好きだった人に振られてしまう。相手は近所に住む、30歳のお兄さん。 失恋を受け入れられない二葉。だがその直後に、お兄さんが交通事故にあってしまう。幸いにも命に別状はなかったが、なんと彼は12年分の記憶を丸ごと失ってしまっていた。 12年分。つまりお兄さんの心は今、自分と同じ18歳。 二葉は初対面のふりをして、彼に近づくことを決めた。 もう近所の子どもじゃない。同い年の女の子として、自分のことを好きになってもらうために。

処理中です...