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リュカ様と添い寝

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「…緊張するなぁ」

私は部屋のベッドの上でリュカ様を待つ。緊張するなぁ。でもそりゃあそうだよね。夫婦だもの。そういう時間も必要だよね。…あー!ダメ!想像したら余計に緊張してきた!うわぁー!

…コンコン、と部屋のドアを叩く音が聞こえる。きた!リュカ様だ!

「僕の花嫁、約束通り来たよ。開けてくれるかい?」

「は、はいぃ!」

変な声が出た。緊張し過ぎかも…。いやでも緊張するよね!普通するよね!

がちゃりと音を立ててドアが開く。リュカ様が部屋に入ってきた。…あー、どうしよう、すごくドキドキする。

「やあ、サラ。いい夜だね。まずはこれを受け取ってくれるかい?」

「えっ…あ、はい!」

そう言ってリュカ様から受け取ったのは一輪のマーガレット。

「ドラゴンは結婚した日の夜に必ず花を一輪渡す風習があるんだよ。選ぶ花の基準は様々だけどね。僕は花言葉で選んだんだ」

確か、マーガレットの花言葉は真実の愛…わあー!恥ずかしい!でも美形にやられると嬉しい!役得だー!

「あ、ありがとうございます!」

「ふふ、花言葉は知っていたみたいだね」

「は、はい…嬉しいです…」

あー、これ絶対顔真っ赤だよー。恥ずかしい。

「そんなに喜んでもらえて僕も嬉しいよ。…さ、ベッドへ行こうか」

「ひゃ、ひゃい!」

また変な声出た!もうやだ恥ずかしい!

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。優しくするからね」

「は、はい…優しくしてくださいませ…」

わー!わー!言っちゃった!

「ふふ、僕の花嫁は可愛いね。サラ、おいで」

「はい!」

覚悟を決めてベッドに上がる。ドキドキする。大丈夫、リュカ様は優しい方だもの。きっと大丈夫。うん!

…あれ?なんでリュカ様は腕枕の態勢をとってるの?

「どうしたの?サラ?…僕と添い寝するのが嫌になってしまった?…僕は、強要するつもりはないけれど、出来れば一緒に寝て欲しいな」

うん?添い寝?一緒に寝て欲しい?うん?

「…あ、もしかして、何か勘違いさせてしまったかな。あの、説明不足でごめん。ドラゴンは結婚して最初の一年は子供は作らず夫婦二人きりの時間を楽しむものなんだよ」

…もしかして私、恥ずかしい勘違いしてた?

「わ、わー!リュカ様!忘れてください!」

「大丈夫、これは僕の説明不足が悪いんだよ。ごめんね、サラ。大丈夫、もう忘れたから、ね?」

うわぁーん!恥ずかしいー!

「さあ、サラ、一緒に寝ようか」

「は、はい」

大人しくリュカ様に腕枕をされる。さっきのことは恥ずかしいけど、美形にこんなに大切にしてもらえるなんてやっぱり役得だなぁ。

そうして私達は二人でたあいない話をしながらゆっくりと眠りました。
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