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攻略対象その五を懐柔
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「エリアーヌ、またお友達になってもらいたい子がいるの」
「どなたでしょう?お母様」
「エマニュエル公爵家のご子息よ」
おお…!お母様ナイス!いつどうやって攻略対象その五と接触を図ろうと思っていたので渡りに舟!
「訳あって女の子として育てられている子なのだけど…エリアーヌなら、仲良くなれるんじゃないかと思うの。引っ込み思案な性格だそうで、他の子と中々仲良くなれないみたいで…どうかしら?」
「ぜひ、お会いしてみたいです」
「まあ!良かったわ。では、よろしくね」
「はい、お母様」
こうして私は、攻略対象その五を懐柔しに行くこととなった。
ということで、早速フェリクスとの二人きりのお茶会をセッティングされた。
うちの屋敷の庭の東屋で、二人きりにされる。
「ええっと…」
引っ込み思案なフェリクスは、いきなり大人達がどこかに行ってしまい二人きりになり困り顔。私がリードしてあげないとね!
「フェリクス様。改めまして、私はエリアーヌ・ビジュー・デルフィーヌと申しますの。お友達になってくださる?」
バッチリカーテシーを決め、にっこり微笑む。大丈夫、私怖い人じゃない。大丈夫。仲良くなろう。大丈夫。
「あう…あの…うう…」
ピンクのふわふわの髪を弄り、水色の瞳を潤ませる姿はまさに美少女。くっ、負けた!
…とはいえ、引っ込み思案は思いの外重症らしい。さてどうしたものか。
「あの、僕…フェリクス・ガエル・エマニュエル…です」
「まあ!声まで素敵!」
思わずびっくりした。美少女の中の美少女と言えるほど完成された見た目。けれど声も可愛い!完璧!
「え、え、あの…」
「あ!大きい声を出してごめんなさい。はしたなかったですよね」
「い、いや…」
「でも、本当にすごく素敵ですね!見た目も声も!ちょっとした仕草もとても優雅ですね!」
なぜこの子が男の子なのかと神に問いただしたいほど完璧な可愛らしさ。攻略対象として懐柔するとかどうでもよくなるくらい好み!
「そ、そう?」
「はい!」
「でも、あのね、僕…実は男の子なんだ…」
「はい、母から聞いて知ってます!」
「え?」
きょとんとするフェリクス。あー、その顔も可愛い!可愛い!可愛い!女装男子っていいよね!
「え、え、気持ち悪いとか思わないの…?」
「気持ち悪いなんてとんでもない!すっごく可愛いですよ!女装男子って素敵ですよね!」
「え、素敵なの…?」
「素敵です!すごく好きです!」
思わず語りに熱が入ってしまう。しかしフェリクスは、そんな私に引くどころか笑ってくれた。
「ふ、ふふ…あはははは!エリアーヌ様は優しいね」
「え?欲望に忠実なだけですわ」
「あはははは!」
「優しいというなら、それこそフェリクス様の方ですわ。私のこういう趣味、理解してくださる方って少ないんですの。親にも言ってませんわ。それなのに、フェリクス様は笑い飛ばしてくださいましたわ!内面まで素敵です!」
「そ、そうかな…えへへ」
えへへって!可愛い!可愛い!可愛い!
「フェリクス様!ここまで来たら恥も外聞もないですわ!直球で行かせていただきます!」
「え?な、なにかな」
「私と友達になってくださいませ!大人達がどうこうとかもうどうでもいいですわ!個人的にフェリクス様が好きですわ!眼福ですわ!ずっと見ていたいんですの!」
きょとんとするフェリクス。ああ可愛いもう可愛いすごく可愛い!
「え、えっと…あの、いつかは男の子に戻る…というか、男の子の格好に戻るんだけど…」
「ならなおさら今のフェリクス様を目に焼き付けますわ!あ、もちろんその後も仲良くしてくださいまし!」
「…ふ、ふふ。エリアーヌ様は、素敵な人だね」
今度は私がきょとんとする番。欲望ど直球の私を見てその感想はなかなか出ないと思うのだけど。
「そうかしら」
「そうだよ」
…まあ、フェリクスがそう言うならそれでいっか!
「それで、どうですの?私と仲良くお友達になってくださいます?」
「…うん、もちろん。エリアーヌ様となら、いくらでも仲良くなりたい。これからよろしくね」
「まあ!まあ!とっても嬉しい!よろしくお願い致しますわ、フェリクス様!」
「うん!」
思わずフェリクスの手を取って、ブンブンと振ってしまう。フェリクスはなすがままで、とっても可愛い笑顔を向けてくれた。可愛い。とっても可愛い。天使。
「どなたでしょう?お母様」
「エマニュエル公爵家のご子息よ」
おお…!お母様ナイス!いつどうやって攻略対象その五と接触を図ろうと思っていたので渡りに舟!
「訳あって女の子として育てられている子なのだけど…エリアーヌなら、仲良くなれるんじゃないかと思うの。引っ込み思案な性格だそうで、他の子と中々仲良くなれないみたいで…どうかしら?」
「ぜひ、お会いしてみたいです」
「まあ!良かったわ。では、よろしくね」
「はい、お母様」
こうして私は、攻略対象その五を懐柔しに行くこととなった。
ということで、早速フェリクスとの二人きりのお茶会をセッティングされた。
うちの屋敷の庭の東屋で、二人きりにされる。
「ええっと…」
引っ込み思案なフェリクスは、いきなり大人達がどこかに行ってしまい二人きりになり困り顔。私がリードしてあげないとね!
「フェリクス様。改めまして、私はエリアーヌ・ビジュー・デルフィーヌと申しますの。お友達になってくださる?」
バッチリカーテシーを決め、にっこり微笑む。大丈夫、私怖い人じゃない。大丈夫。仲良くなろう。大丈夫。
「あう…あの…うう…」
ピンクのふわふわの髪を弄り、水色の瞳を潤ませる姿はまさに美少女。くっ、負けた!
…とはいえ、引っ込み思案は思いの外重症らしい。さてどうしたものか。
「あの、僕…フェリクス・ガエル・エマニュエル…です」
「まあ!声まで素敵!」
思わずびっくりした。美少女の中の美少女と言えるほど完成された見た目。けれど声も可愛い!完璧!
「え、え、あの…」
「あ!大きい声を出してごめんなさい。はしたなかったですよね」
「い、いや…」
「でも、本当にすごく素敵ですね!見た目も声も!ちょっとした仕草もとても優雅ですね!」
なぜこの子が男の子なのかと神に問いただしたいほど完璧な可愛らしさ。攻略対象として懐柔するとかどうでもよくなるくらい好み!
「そ、そう?」
「はい!」
「でも、あのね、僕…実は男の子なんだ…」
「はい、母から聞いて知ってます!」
「え?」
きょとんとするフェリクス。あー、その顔も可愛い!可愛い!可愛い!女装男子っていいよね!
「え、え、気持ち悪いとか思わないの…?」
「気持ち悪いなんてとんでもない!すっごく可愛いですよ!女装男子って素敵ですよね!」
「え、素敵なの…?」
「素敵です!すごく好きです!」
思わず語りに熱が入ってしまう。しかしフェリクスは、そんな私に引くどころか笑ってくれた。
「ふ、ふふ…あはははは!エリアーヌ様は優しいね」
「え?欲望に忠実なだけですわ」
「あはははは!」
「優しいというなら、それこそフェリクス様の方ですわ。私のこういう趣味、理解してくださる方って少ないんですの。親にも言ってませんわ。それなのに、フェリクス様は笑い飛ばしてくださいましたわ!内面まで素敵です!」
「そ、そうかな…えへへ」
えへへって!可愛い!可愛い!可愛い!
「フェリクス様!ここまで来たら恥も外聞もないですわ!直球で行かせていただきます!」
「え?な、なにかな」
「私と友達になってくださいませ!大人達がどうこうとかもうどうでもいいですわ!個人的にフェリクス様が好きですわ!眼福ですわ!ずっと見ていたいんですの!」
きょとんとするフェリクス。ああ可愛いもう可愛いすごく可愛い!
「え、えっと…あの、いつかは男の子に戻る…というか、男の子の格好に戻るんだけど…」
「ならなおさら今のフェリクス様を目に焼き付けますわ!あ、もちろんその後も仲良くしてくださいまし!」
「…ふ、ふふ。エリアーヌ様は、素敵な人だね」
今度は私がきょとんとする番。欲望ど直球の私を見てその感想はなかなか出ないと思うのだけど。
「そうかしら」
「そうだよ」
…まあ、フェリクスがそう言うならそれでいっか!
「それで、どうですの?私と仲良くお友達になってくださいます?」
「…うん、もちろん。エリアーヌ様となら、いくらでも仲良くなりたい。これからよろしくね」
「まあ!まあ!とっても嬉しい!よろしくお願い致しますわ、フェリクス様!」
「うん!」
思わずフェリクスの手を取って、ブンブンと振ってしまう。フェリクスはなすがままで、とっても可愛い笑顔を向けてくれた。可愛い。とっても可愛い。天使。
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