14 / 51
商人の両親が嵌められて罰を受けそうになった時、助太刀してくれた女の子
しおりを挟む
俺はエミール。商人の息子だ。両親はかなり幅広く、色々な分野の商品を取り扱っている。
俺は両親の誠実な働きぶりを見てきて、憧れていた。人々のために働く姿はかっこいい。
そんな両親なのに、ある日やってもいない悪行を突きつけられて訴えられた。
両親は、相手が名のある商人だとわかると勝てっこないと意気消沈してしまった。
俺はどうなることかと思っていたが、ある日懇意にしていただいている公爵家のお嬢様が両親に有能な探偵と弁護士を付けてくれた。
「こ、これなら勝てるかもしれない…裁判で戦おう」
「ええ、あなた!」
「…よ、よかった」
お嬢様の助太刀のおかげで、気力が湧いた両親に俺はほっとした。
そして裁判は、探偵さんの見つけた証拠を元に弁護士さんが戦ってくれて、反対訴訟までしてくれて、有利に進んでいる。
「こんにちは、商人さん」
「お、お嬢様!この度は弁護士と探偵をこちらに派遣していただき、本当に、本当にありがとうございます!」
今日俺は、両親が助太刀してくれたお嬢様に呼び出されたので付いてきた。どうしても、お礼を直接言いたくて。
「解呪の鱗や魔女の万能薬。手に入れるのが中々難しい品を、商人さんはいつも私の元へ届けてくれましたわ。恩返しがしたかったんですの」
「そ、そんな恩返しだなんて…」
「いつもありがとう、商人さん。これからもよろしくお願い致しますわ」
「…はい!ありがとうございます、お嬢様!」
そろそろ出てもいいだろうか。両親の後ろから飛び出した。
「…あ、あの!」
初めてみたお嬢様は、とても可憐な方だった。
「なにかしら?」
「この度はありがとうございます、お嬢様!俺はエミールって言います!どうしてもお嬢様に直接お礼が言いたくて、付いてきてしまいました!」
「ふふ、そんなにかしこまらなくていいですわ」
「本当に、本当にありがとうございました!お陰で悪徳商人を逆に追い詰めることまで出来ました!これで安心して両親が仕事を続けられます!」
有りっ丈の感謝を言葉にする。
「私はただお小遣いを使って、弁護士さんを雇って探偵さんを雇っただけですわ。本当に頑張ったのはご両親ですわ」
「はい…けど、悪徳商人に嵌められて意気消沈していた両親が、戦おうと覚悟を決められたのはお嬢様の援助があったからです!それまでは両親は諦めムードで…お嬢様のおかげで、気力が湧いたんです!だから、ありがとうございました!」
俺のそんな言葉に、お嬢様は優しく微笑んでくれた。
その後裁判では結局、両親の潔白が証明された。そして、むしろ悪徳商人が裁かれる結末となった。多額の賠償金に、悪徳商人は苦しんでいるらしい。これを機に反省して、一からやり直して欲しいと思う。
俺は両親の誠実な働きぶりを見てきて、憧れていた。人々のために働く姿はかっこいい。
そんな両親なのに、ある日やってもいない悪行を突きつけられて訴えられた。
両親は、相手が名のある商人だとわかると勝てっこないと意気消沈してしまった。
俺はどうなることかと思っていたが、ある日懇意にしていただいている公爵家のお嬢様が両親に有能な探偵と弁護士を付けてくれた。
「こ、これなら勝てるかもしれない…裁判で戦おう」
「ええ、あなた!」
「…よ、よかった」
お嬢様の助太刀のおかげで、気力が湧いた両親に俺はほっとした。
そして裁判は、探偵さんの見つけた証拠を元に弁護士さんが戦ってくれて、反対訴訟までしてくれて、有利に進んでいる。
「こんにちは、商人さん」
「お、お嬢様!この度は弁護士と探偵をこちらに派遣していただき、本当に、本当にありがとうございます!」
今日俺は、両親が助太刀してくれたお嬢様に呼び出されたので付いてきた。どうしても、お礼を直接言いたくて。
「解呪の鱗や魔女の万能薬。手に入れるのが中々難しい品を、商人さんはいつも私の元へ届けてくれましたわ。恩返しがしたかったんですの」
「そ、そんな恩返しだなんて…」
「いつもありがとう、商人さん。これからもよろしくお願い致しますわ」
「…はい!ありがとうございます、お嬢様!」
そろそろ出てもいいだろうか。両親の後ろから飛び出した。
「…あ、あの!」
初めてみたお嬢様は、とても可憐な方だった。
「なにかしら?」
「この度はありがとうございます、お嬢様!俺はエミールって言います!どうしてもお嬢様に直接お礼が言いたくて、付いてきてしまいました!」
「ふふ、そんなにかしこまらなくていいですわ」
「本当に、本当にありがとうございました!お陰で悪徳商人を逆に追い詰めることまで出来ました!これで安心して両親が仕事を続けられます!」
有りっ丈の感謝を言葉にする。
「私はただお小遣いを使って、弁護士さんを雇って探偵さんを雇っただけですわ。本当に頑張ったのはご両親ですわ」
「はい…けど、悪徳商人に嵌められて意気消沈していた両親が、戦おうと覚悟を決められたのはお嬢様の援助があったからです!それまでは両親は諦めムードで…お嬢様のおかげで、気力が湧いたんです!だから、ありがとうございました!」
俺のそんな言葉に、お嬢様は優しく微笑んでくれた。
その後裁判では結局、両親の潔白が証明された。そして、むしろ悪徳商人が裁かれる結末となった。多額の賠償金に、悪徳商人は苦しんでいるらしい。これを機に反省して、一からやり直して欲しいと思う。
17
お気に入りに追加
265
あなたにおすすめの小説
痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。
お嬢様の悩みは…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴッドハンドで世界を変えますよ?
**********************
転生侍女シリーズ第三弾。
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
【完結】攻略を諦めたら騎士様に溺愛されました。悪役でも幸せになれますか?
うり北 うりこ
恋愛
メイリーンは、大好きな乙女ゲームに転生をした。しかも、ヒロインだ。これは、推しの王子様との恋愛も夢じゃない! そう意気込んで学園に入学してみれば、王子様は悪役令嬢のローズリンゼットに夢中。しかも、悪役令嬢はおかめのお面をつけている。
これは、巷で流行りの悪役令嬢が主人公、ヒロインが悪役展開なのでは?
命一番なので、攻略を諦めたら騎士様の溺愛が待っていた。
悪役令嬢に転生したので落ちこぼれ攻略キャラを育てるつもりが逆に攻略されているのかもしれない
亜瑠真白
恋愛
推しキャラを幸せにしたい転生令嬢×裏アリ優等生攻略キャラ
社畜OLが転生した先は乙女ゲームの悪役令嬢エマ・リーステンだった。ゲーム内の推し攻略キャラ・ルイスと対面を果たしたエマは決心した。「他の攻略キャラを出し抜いて、ルイスを主人公とくっつけてやる!」と。優等生キャラのルイスや、エマの許嫁だった俺様系攻略キャラのジキウスは、ゲームのシナリオと少し様子が違うよう。
エマは無事にルイスと主人公をカップルにすることが出来るのか。それとも……
「エマ、可愛い」
いたずらっぽく笑うルイス。そんな顔、私は知らない。
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
この異世界転生の結末は
冬野月子
恋愛
五歳の時に乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生したと気付いたアンジェリーヌ。
一体、自分に待ち受けているのはどんな結末なのだろう?
※「小説家になろう」にも投稿しています。
気付いたら悪役令嬢に転生していたけれど、直後嫁いだ相手も気付いたら転生していた悪役令息でした。
下菊みこと
恋愛
タイトルの通りのお話。
ファビエンヌは悪役令嬢であることを思い出した。しかし思い出したのが悪虐の限りを尽くした後、悪役令息に嫁ぐ直前だった。悪役令息であるエルヴェと婚姻して、二人きりになると彼は…。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】どうやら、乙女ゲームのヒロインに転生したようなので。逆ざまぁが多いい、昨今。慎ましく生きて行こうと思います。
❄️冬は つとめて
恋愛
乙女ゲームのヒロインに転生した私。昨今、悪役令嬢人気で、逆ざまぁが多いいので。慎ましく、生きて行こうと思います。
作者から(あれ、何でこうなった? )
【完結】気づいたら異世界に転生。読んでいた小説の脇役令嬢に。原作通りの人生は歩まないと決めたら隣国の王子様に愛されました
hikari
恋愛
気がついたら自分は異世界に転生していた事に気づく。
そこは以前読んだことのある異世界小説の中だった……。転生をしたのは『山紫水明の中庭』の脇役令嬢のアレクサンドラ。アレクサンドラはしつこくつきまとってくる迷惑平民男、チャールズに根負けして結婚してしまう。
「そんな人生は嫌だ!」という事で、宿命を変えてしまう。アレクサンドラには物語上でも片思いしていた相手がいた。
王太子の浮気で婚約破棄。ここまでは原作通り。
ところが、アレクサンドラは本来の物語に無い登場人物から言い寄られる。しかも、その人物の正体は実は隣国の王子だった……。
チャールズと仕向けようとした、王太子を奪ったディアドラとヒロインとヒロインの恋人の3人が最後に仲違い。
きわめつけは王太子がギャンブルをやっている事が発覚し王太子は国外追放にあう。
※ざまぁの回には★印があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる